愛媛大学医学部の数学の傾向と対策

2019年07月04日 志望する大学の特徴

愛媛大学数学

四国には各県に1つずつ国立医学部が存在しており、それぞれの大学が特色を出しつつ競い合っています。その中で現在、最も合格難易度が高いのが愛媛大学医学部です。

 本日はその愛媛大学医学部の数学について、過去の傾向と具体的な対策法を紹介します。

愛媛大学医学部の数学の試験形式・配点は?

はじめに愛媛大学医学部の入試制度について見ていきましょう。

 

 愛媛大学医学部の入試制度には、前期一般入試(40名)、後期一般入試(25名)、推薦入試(45名)の3つが存在します。推薦入試による合格者が多いのが本大学の特徴ですが、この記事では受験者数が一番多い前期一般入試について取り上げることとします。

 

 前期一般入試の選抜法は、センター試験及び二次試験の点数の合計で合格者が決まる、国公立医学部受験のオーソドックスな形となっています。各試験の詳細な配点は、

【センター】国語:200点 社会:50点 数学:50点×2 理科:50点×2 英語:100点

【二次試験】数学:200点 理科:100点×2 英語:200点 面接:100点

となっており、センター試験550点、二次試験700点の合計1250点満点です。

 注目すべきはセンター試験の国語の配点比率の高さです。一般的に医学部受験において文系科目は得点が圧縮される傾向がありますが、愛媛大学ではむしろ国語の割合が高めに設定されています。国語のできが最終的な結果にも影響を及ぼす可能性が大いにあるため、苦手な方は他の受験生に差を付けられないように早い時期から対策をしておいてください。

 

 さらに入学志願者の募集人員に対する倍率が約6倍を上回った場合、第一段階選抜、いわゆる足切りを行うとされています。実際に年度によっては第一段階選抜がなされています。もしセンター試験の得点に不安があるのであれば、出願する前にセンターリサーチ等で受験者の動向をチェックしておきましょう。

 

 そのうち数学に関しては大問5つで構成され、制限時間は120分です。例年、9つの大問が冊子に掲載されており、学部ごとに解答する問題が指定されています。近年では医学部は大問5~9を解くように指示されるのが基本ですが、必ず問題を解き始める前に表紙の注意事項を確認するようにしてください。

 ちなみにここ数年は大問5が他の学部と共通問題で、毎年確率漸化式が出題されています。これは絶対に押さえておかなければならないポイントです。

 

 各大問は2~5題程度の小問に分かれており、ほとんどが論述式です。証明問題やグラフの概形等を図示するような問題もあるため、答案の書き方の練習も欠かせません。

 

 難易度については基本~標準のものが中心です。ただし一部には難しいものや論述量の多いものも紛れているため、そういった問題に足を取られないように注意しなければなりません。制限時間がもともと120分あるため、問題を解いているときに時間に追われている感覚はあまり感じないかもしれません。しかし設問数は論述型の試験としてはやや多いため、じわじわと時間が無くなっていきます。確実に解けそうな問題から手を付けていくといったように、過去問演習を通して時間配分の練習も直前期には行うようにしましょう。

愛媛大学医学部の数学の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

続いて、愛媛大学医学部の過去の合格最低点のデータや他の科目の難易度をもとに、数学では何点を取ればよいか考えてみます。

 

愛媛大学医学部の合格最低点は、センター試験と二次試験の計1250点満点中、

平成31年度:947.30点 平成30年度:914.30点 平成29年度:975.60点 平成28年度:946.05点 平成27年度:900.30点

となっています。これらの平均を取ると約937点となるため、極端に受験者の得点が高い年度でなければ950点(76%)取ることができれば合格圏といえます。

 

 ここでセンター試験の得点が550点中480点(約87%)であったと仮定すると、二次試験では700点中470点(約67%)得点できれば合格点に達します。これを踏まえて各科目の難易度も考慮して、二次試験の各科目の目標点を設定すると、

数学:140点 理科:140点 英語:130点 面接:60点

とするのが良いでしょう。

 

 数学では200点中140点(7割)を目指すことを考えると、安易なミスによる失点は許されません。特に医学部受験生以外も選択する学部共通問題では、できる限り得点を稼いでおきたいところです。そのうえで難度の高い問題、時間のかかる問題で得点を積み重ねることができれば、安定して7割を超えることができるでしょう。

愛媛大学医学部の数学の出題傾向は?

それでは、愛媛大学医学部の数学では、どのような問題が出されるのでしょうか?

以下に出題傾向を、【超頻出単元】、【頻出単元】、【要対策単元】の3つに分けてまとめていきます。

 

【超頻出単元】

・確率

 毎年出題されている単元の一つが確率です。既にお伝えしているように、他学部との共通問題ではここ数年続けて、確率漸化式をテーマとするものが出されています。確率漸化式は状況整理ができたら、あとの流れはどのような問題であっても似ているため、是非とも得点源としておきたいところです。

 また医学部受験者のみが解答対象となる大問9においても、平成31年度、平成30年度に確率の基本的性質をテーマとする問題が出されています。こちらは共通問題の確率漸化式と比べると、状況設定が複雑で解きづらい内容となっています。確率の基本的性質に関しては様々な設定の問題に触れ、対応力を強化しておきましょう。

 

・微分法・積分法(数学Ⅲ)

 確率とともに毎年必出なのが、数学Ⅲの微分法・積分法をテーマとする大問です。例年、大問5つのうちこの微分法・積分法が2題を占め、重要度は非常に高い単元といえます。

大問の1つは導関数や定積分の計算あるいは複素数平面といった数学Ⅲの単元の小問集合の形式で出題されるのが定番です。導関数だけでなく曲線の接線の方程式や微分係数といった形で問われることもありますが、いずれにしても微分法については豊富な引き出しを持ち合わせておく必要があります。

 もう1つの大問では関数の増減やグラフの概形、曲線や直線で囲まれた部分の面積の求積といった問題の頻出度が高いです。さらに発展して回転体の体積を求める問題も出題歴もあります。この手の問題は思考力というよりも計算処理能力が試されていると考えてください。数学Ⅲの微分法・積分法の問題では普段の勉強の中でもしっかり自身の手を動かして計算力の強化に努めましょう。

 

【頻出単元】

・複素数平面

 上述のように複素数平面は小問集合の一部として出題されることもありますが、大問の1つとして出される可能性も高い単元です。大問として出題される場合、基本的には複素数の図形への応用をテーマとする問題となります。与えられた複素数を極形式に直す作業や、複素数平面上の点の回転といった基礎となる処理はスピーディーにできるように訓練しておきましょう。ただし愛媛大学の複素数平面の問題は、残念ながらこうした式処理だけで解答を導ける問題は少ないと言わざるを得ません。複素数平面上の図形の面積の求積といったような、図を実際に描いてみなければ状況がつかめないものも見られるため、問題演習により図を通して考える練習も不可欠です。

 

【要対策単元】

・極限

 極限そのものが大問のテーマとして扱われることはありませんが、数学Ⅲの単元の小問集合の一つとしてや、その他の数列や微分法・積分法に関連する大問の設問の一部としてよく出題されています。中には区分求積法や対数を含む極限の計算法といったやり方を知らないと手が出ないような問題も存在します。問題集等を活用して様々なパターンの極限の計算法に慣れておきましょう。

お勧めの愛媛大学医学部の数学の対策方法

最後にこれまでの内容から、愛媛大学医学部の数学の対策に必要な具体的な勉強法をお伝えします。

 

 まずセンター試験までの時期については、数学の全範囲の典型問題の解法を身に付けることを目的として勉強をしてください。二次試験の傾向ははっきりしていますが、大きく出題内容が変わる可能性も否定できません。センター試験への対策にも役立つので、この期間に網羅的に数学の基礎を固めていきましょう。

 

 教科書レベルの内容が済んだ後におススメの問題集は、『1対1対応の演習』(東京出版)です。本書は各単元の典型問題とその解き方を対応させて修得していくことをコンセプトとしており、類題に挑戦することで定着を図ることができます。問題を見たら解法が頭に浮かぶようになるまで、繰り返し取り組みましょう。

さらに細かな「1対1対応の演習」の特徴については、別記事「「1対1対応の演習」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」をご参照ください。

 加えて出題傾向から分かるように、愛媛大学医学部の数学では、数学Ⅲからの出題割合が高くなっています。そのため数学Ⅲの範囲の問題がどれだけ解けるかが、合否を直接分ける要因となります。そこでできる限り数学Ⅲについては『医学部攻略の数Ⅲ』(河合出版)といった問題集も活用して、プラスアルファの対策もしておくようにしましょう。

なおより詳細な一般的な問題集の使い方についても、過去記事「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」でも紹介しているので、是非参考にしてください。

 

 センター試験終了後は、二次試験に向けた勉強にシフトしてください。具体的に行っていただきたいのが、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・問題集を用いた苦手分野の克服

の3つです。

 

 愛媛大学医学部の数学は、平成29年度以降は類似した出題傾向が続いています。もちろんそれ以前の過去問も大切なので、きちんと分析をしなければなりませんが、違いを意識しながら内容を確認すると効果的でしょう。

 

 過去問分析が終わったら、いよいよ実際に過去問に挑戦してください。このとき徹底していただきたいのが、時間を計って問題を解くことです。時間に追われている感覚を得づらい試験形式ですが、設問数が多いため時間配分を間違えると解けるはずの問題に時間を残すことができなくなってしまいます。時間内に最大限得点できるようにするために、どの問題から解いていくのが良いかといった時間配分を実戦的に練習していきましょう。

 

 同時並行でこれまでの勉強で克服できなかった苦手分野の対応力の底上げを図ってください。とはいえ残り約1カ月しかないため、不安のある単元すべてを丁寧に復習していく時間はないかもしれません。そのため大事なのは、過去問分析の結果をもとに、自身の苦手分野の中でも時間を割くことで直接得点アップにつながりそうな分野から片付けていくことです。費用対効果をよく考えて、優先順位を自分なりに付けて取り組みましょう。

まとめ

愛媛大学医学部の数学の傾向と対策法のポイントは、

①大問5つ対して制限時間は120分

②ここ数年、大問5が全学部共通問題でとして確率漸化式が出されている

③各大問は2~5題前後の小問に分かれており、ほとんどが論述式

④難易度は基本~標準的なものが中心だが、時間配分に要注意

⑤目標点は200点中140点

⑥出題傾向は、

【超頻出単元】確率、微分法・積分法(数学Ⅲ)

【頻出単元】複素数平面

【要対策単元】極限

⑦センター試験までは、数学の全範囲の典型問題の解法を身に付けることを目標とする

⑧センター試験終了後は、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・問題集を用いた苦手分野の克服

を行う

の8つです。

 

 愛媛大学医学部は四国最難関の医学部ということもあり、やはり一定以上の高い水準が要求されます。しかしながら数学に関しては出題傾向が明確であり、過去問分析をしっかりすればおのずと勉強すべき内容が分かってくるはずです。短期間に成績が急上昇する科目ではありませんが、時間をかければ必ず結果は付いてくるので、焦らず一つずつハードルをクリアしていきましょう!!

 

 

本記事内で登場した過去のオススメ記事

「「1対1対応の演習」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」


 

「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」


 

 

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本記事で登場したお勧めの問題集・参考書

『1対1対応の演習』(東京出版)


 

『医学部攻略の数Ⅲ』(河合出版)


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