福島県立医科大学の数学の傾向と対策

2019年09月11日 志望する大学の特徴

福島大学数学

 先日、「東京慈恵医科大学の英語の傾向と対策」において、東京慈恵医科大学の入試では私立ならではの高難度の問題が出されることをお伝えしました。

 本日は国公立の中でも私立医学部の入試問題と類似した問題が出される福島県立医科大学の数学について、これまでの傾向と具体的な対策法を紹介します。

福島県立医科大学の数学の試験形式・配点は?

はじめに福島県立医科大学の入試制度について見ていきましょう。

 

 福島県立医科大学医学部の入試は一般入試、推薦入試に大きく分類されます。さらに一般入試は、一般枠(50名程度)、地域枠(30名程度)、推薦入試は、県内出身者向けのA枠(35名程度)、県外出身者向けのB枠(15名程度)に細かく分かれます(カッコ内は募集人員)。

 本記事では最も受験者数の多い、一般枠の一般入試について取り扱います。

 

 一般入試はオーソドックスな医学部受験の形式が採用されており、センター試験と大学が課す二次試験の合計得点で選抜が行われます。各試験の科目と配点は、

【センター】国語:150点 社会:50点 数学:75点×2 理科:75点×2 英語:150点

【二次】数学:200点 理科:100点×2 英語:200点 面接:60点

となっています。センター試験650点、二次試験660点の計1310点満点です。センター試験においては、社会の配点が他の科目よりも圧縮されている点は押さえておきましょう。

 

 ちなみに入学志願者が募集人員の4倍を超えた場合、センター試験の成績により第1段階選抜が行われることとなっており、実際に実施された年度もあります。また、第2段階選抜は、センター試験、個別学力検査(2次試験)、面接の結果、および出願書類を総合して行うため、合計得点が合格者最低得点を上回っていても、不合格となる場合があると明記されている点には気を付けなければなりません。

 

 その中で数学に関しては例年、大問3つで構成されていましたが、平成31年度は大問数が4個に増えました。制限時間については、120分と変化はありませんでした。

 

 出題形式については、大問1が小問集合で答えのみを記述する形式、大問2、3(大問4)が途中経過も答案用紙に記載する論述式となっています。小問集合では例年、5、6個の設問が並んでいましたが、平成31年度には4つになりました。すなわち、小問集合の割合が減り、論述式の大問が増えた形です。

 

 難易度としては他の地方の国公立医学部受験で見られる数学に比べると、解きづらい問題が多く全体としては標準~やや難といえます。出題内容も特徴的で、国公立よりも私立の医学部に近い形式となっています。

平成31年度の大問数の変化が今後継続するかどうかについては、判断が難しいところです。しかし、いずれにしても小問集合では典型問題を手早く処理できることを、論述式の大問では答案の書き方や計算力を強化することを意識すればよく、基本的な対策法を変える必要はないでしょう。

福島県立医科大学の数学の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

続いて、福島県立医科大学の過去の合格最低点のデータや他の科目の難易度をもとに、数学では何点を取ればよいか考えてみます。

 

福島県立医科大学の合格最低点は、1310点満点中、

平成31年度:910.6点 平成30年度:861.7点 平成29年度:912.2点 平成28年度:886.7点 平成27年度:872.3点

となっています。したがって、920点(約70%)取れれば合格安全圏といえます。

 

 ここでセンター試験の得点が650点中570点(約88%)であったと仮定すると、二次試験では660点中350点(約53%)得点できれば合格点に達します。これを踏まえて各科目の難易度も考慮して、二次試験の各科目の目標点を設定すると、

数学:90点 理科:110点 英語:110点 面接:40点

とするのが良いでしょう。

 

 数学では200点中90点(45%)取ることが求められます。国公立医学部の数学で目標45%と聞くと、低いハードルのようにも思えますが、福島県立医科大学においてはそうとも言い切れません。難問も散見されるので、解ける問題を確実に得点していくことが目標達成のためのカギとなります。

福島県立医科大学の数学の出題傾向は?

それでは、福島県立医科大学の数学では、どのような問題が出されるのでしょうか?

 既にお伝えしているように、大問1では小問集合として様々な単元の典型問題が出題されます。答案も答えのみを書く形式なので、なるべく時間をかけずに正当にたどり着けるように訓練しておくことが欠かせません。一方で、大問2以降は論述式の設問となるため、一題一題にじっくり時間をかけて複雑な計算を処理したり、論理的な説明を加えていったりする能力が求められます。証明問題も頻出度が高いことも忘れてはならない特徴です。

これらを踏まえて、以下に出題傾向を、【超頻出単元】、【頻出単元】、【要対策単元】の3つに分けてまとめていくので、勉強の方針を立てるのに役立ててください。

 

【超頻出単元】

・微分法・積分法(数学Ⅲ)

 例年、必出の単元です。小問集合においても、定積分の計算や積分を含む関数を求めるような設問が見られますが、メインとなるのは論述式の大問です。グラフの概形の作図や回転体の体積、面積の求積等、テーマのバラエティーは豊富です。特に注意しなければならないのが、微分の定義に基づいた計算やとなることの扇形と三角形の面積比較による証明といった問題です。医学部受験対策では、難解な積分計算に重きが置かれがちですが、福島県立医科大学を志望するのであれば、教科書で誰もが目にしたことがあるような基礎的な事項についても直前期に復習しておくと役に立つかもしれません。

 

・ベクトル

 毎年出されており、小問集合および論述式の大問のいずれにも出題の可能性があります。論述式の大問で出題される場合は、空間ベクトルを扱うことがほとんどです。空間図形は平面図形と比べて、作図をしても直接的に図形の様子を把握することは困難です。空間図形の特定の面や、適切な断面に着目することで少しずつ整理できていきます。まずはベクトルの典型問題で、計算方法や図形への応用をマスターし、その後、より実践的な問題を用いた演習を通して感覚を磨いていきましょう。

 

【頻出単元】

・複素数平面

 小問集合の中の設問の一つとして主に出されています。複素数の方程式の解を求める問題も出題歴がありますが、複素数の図形的意味を問うものの割合が高くなっています。複素数平面の単元は公式を覚えるだけでは対応できないことが多く、パターンに応じて式変形を工夫しなければなりません。今後は論述式の大問で出される可能性も否定できないため、様々な状況設定の問題に触れ、解法の引き出しを増やして本番に臨むようにしてください。

 

【要対策分野】

・図形と方程式

 図形と方程式の中では、苦手意識を持つ受験生が多い軌跡をテーマとする設問が頻出です。過去には空間座標内の点の軌跡を求めるような、対策が手薄になりがちな問題も出されています。他にも空間図形の問題の設問の一つとして不等式の表す領域を考えるような総合力を要するものも見られるため、過去問で確認しておきましょう。

 

お勧めの福島県立医科大学の数学の対策方法

最後にこれまでの内容から、福島県立医科大学の数学の対策に必要な具体的な勉強法をお伝えします。

 

 まずセンター試験までの時期は、数学の全ての単元の典型問題への対応力を強化してください。基礎力の強化はもちろん難しい問題を解く上でのベースとなるものですが、加えて小問集合への準備にもなります。また、証明問題も必ず1問は毎年出題されているため、解法を暗記するだけでなく実際に手を動かして解答作成の練習をすることも大切です。

 

 教科書レベルが身についた後の問題演習におススメの問題集は、『1対1対応の演習』(東京出版)です。問題数は多くはありませんが、各単元の要点が押さえられており、効率よく典型問題の解法を身に付けることができます。難易度が高い問題も紛れて言いますが、福島県立医科大学の数学でも難問が出される可能性があるため、そうした意味においても本書の内容を頭に入れることが合格への近道といえます。

さらに細かな「1対1対応の演習」の特徴については、別記事「「1対1対応の演習」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」をご参照ください。また、より詳細な一般的な問題集の使い方についても、過去記事「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」でも紹介しているので、是非参考にしてください。

 

 センター試験終了後は、二次試験に向けた勉強に移行してください。具体的に行っていただきたいのが、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・問題集を用いた苦手分野の克服

の3つです。

 

 過去問分析では、どの単元からの出題が多いか、どういった設問が出されているかといった点に注目して、過去5年分程度にざっと目を通しましょう。残り約1カ月の勉強内容を決定する大事な作業なので、しっかり時間をとって分析をするようにしてください。

 

 過去問分析が終わったら、本番を意識して過去問に挑戦してみましょう。この時、必ず時間を計って取り組むことを忘れないでください。難易度の高い試験で時間に追われながらすべての問題を解かなければならないような内容ではありませんが、全く時間を意識しないと論述式の大問で思わぬタイムロスを引き起こす可能性もあります。時間内に確実に解ける問題を解ききるためにも、過去問演習で時間の感覚も磨かなければなりません。

 さらに福島県立医科大学の過去問をさかのぼって取り組み終わったら、他の大学の過去問も使って演習を重ねてください。繰り返しになりますが、本大学の入試は国公立よりも私立の医学部受験で見られる内容に近いです。そのため過去問を探す際には、私立大学も選択肢に入れておくと見つかりやすいでしょう。

 

 同時並行でこれまでに克服できていない苦手分野の強化に努めてください。とはいえ、残り約1カ月でたくさんの分野を復習しようというのはかえって非効率的です。過去問分析や本記事で頻出単元は見えてくるはずなので、自身の得手不得手と照らし合わせて優先順位を付けて勉強をするようにしましょう。

まとめ

福島県立医科大学の数学の傾向と対策法のポイントは、

①大問3つに対して、制限時間は120分

②大問1は小問集合で答えのみを記述する形式、大問2以降は論述式

③平成31年度には大問4つとなり、小問集合の割合が減った

④目標は200点中90点

⑤頻出の分野は、

【超頻出単元】微分法・積分法(数学Ⅲ)、ベクトル

【頻出単元】複素数平面

【要対策分野】図形と方程式

⑥センター試験までは数学の全ての単元の典型問題への対応力を強化する

⑦センター試験以降は、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・問題集を用いた長文読解の練習

を行う

の7つです。

 

 福島県立医科大学の数学は国公立医学部としては、解きづらい試験に分類されます。とはいえその分、合格最低点が低いのも事実です。高得点を目指す必要はないので、自分に合った戦略を立て、その実現に向けた努力を着実に続けていってください!!

 

 

本記事内で登場した過去のオススメ記事

「「1対1対応の演習」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」

 

「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」


 

福島県立医科大学の過去問題やその他の教科の傾向と対策

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本記事で登場したお勧めの問題集・参考書

『1対1対応の演習』(東京出版)

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