高知大学医学部の化学の傾向と対策

2019年02月07日 志望する大学の特徴

高知大学化学

先日、「高知大学医学部の物理」の記事において、高知大学医学部の物理では途中経過の記述が求められる特殊な解答形式であるとお伝えしましたが、化学でも物理ほどではありませんが一般的な国立医学部受験と比べると記述量は多めです。
 本日はその高知大学医学部の化学について、傾向と具体的な対策法を紹介します。

高知大学医学部の化学の試験形式・配点は?

はじめに高知大学医学部の入試制度について見ていきましょう。

 

高知大学医学部の入試制度には前期一般入試(60名(地域枠5名))、AO入試(30名以内)、推薦入試(20名以内)の3つがあります(カッコ内は募集人数)。

本記事では最も受験者数の多い、前期一般入試について扱うこととします。

 

前期一般入試では他の国立医学部受験と同様に、センター試験と二次試験、及び面接試験の総合得点で合否が決まります。調査書については総合判定に加味するとされています。

 

各試験の科目ごとの配点は、

【センター試験】国語:200点 社会:100点 数学:100点×2 理科:100点×2 英語:200点

【二次試験】数学:300点 理科:150点×2 英語:300点 面接:100点

となっており、センター試験が900点、二次試験が1000点の合計1900点満点です。センター試験は特に得点の傾斜や圧縮はありません。センター試験と二次試験の得点はほぼ1:1であるため、どちらか一方で高得点を取るというよりは、いずれの試験でもバランスよく点数を取れる力が求められます。

 

 ちなみに医学部入試としては珍しく、平成28年度までは二次試験で英語が課されていませんでした。平成29年度以降新たに追加されているため、過去問の情報が少ない点に注意してください。

 

 さて、高知大学医学部の理科は物理、化学、生物の中から2科目を選んで解答します。制限時間は2科目に対して120分与えられるので、1科目当たりにかけられる時間はおよそ60分となります。

 

 そのうち化学に関しては、大問6つで構成され、小問に従って解き進めていく形になります。基本的には1つの大問で1つのテーマを扱いますが、まれに2つの中問に分かれる場合もあります。ちなみに平成29年度には7つの大問が出されましたが、こちらは例外的と考えて良いでしょう。

 

 解答は論述形式で、適切な記号を選ぶものから空所に当てはまる単語や化学反応式を記述するものまで、幅広い出題形式で化学の力を問われます。計算問題では、物理と同じく計算過程を求められます。さらに、実験手順の持つ意味や化学物質の性質の説明といった論述問題も、毎年必ず出されています。

 

 難易度については、基本~標準レベルがほとんどですが、大問6つに対して制限時間が60分であり、1題当たり10分しか掛けることができません。これに加えて上述のとおり、全体的な論述量が多いため、時間的な余裕はありません。典型問題については解法パターンが即座に頭に浮かぶようにしておき、また答案も過不足なく簡潔に作成できるように練習をしておきましょう。

高知大学医学部の化学の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

続いて、高知大学医学部の過去の合格最低点のデータや他の科目の難易度をもとに、化学では何点を取ればよいか考えてみます。

 

英語が加わった後の高知大学医学部の一次試験の合格最低点は、

平成30年度:1443.7点 平成29年度:1387.4点

となっています。すなわち、1900点中1450点(約76%)あれば合格安全圏といえます。

 

 ここでセンター試験では900点中780点(約87%)取ることができたと仮定すると、二次試験では1000点中670点が必要となります。

 そこで、各科目の難易度も鑑みてそれぞれの目標点を設定すると、

英語:195点 数学:195点 理科:210点 面接:70点

とすればバランスが良いでしょう。

 

 理科では2科目で210点(70%)を取ればよいため、選択した科目の間に特別な得意不得意がなければ、それぞれ150点中105点を目指してください。化学の難易度は決して高くありませんが、時間配分を誤るとすべての問題に取り組めなくなる可能性があります。スピード感を意識して、手が止まりそうな問題は後回しにするなど、問題の解き進め方も工夫しましょう。

 

 また国立医学部受験では、センター試験と二次試験の点数配分も出願に際して欠かせない判断材料となりますが、高知大学医学部ではお伝えしたように二次試験と同じくらいセンター試験も重視されています。当たり前のことではありますが、センター試験でなるべく高い点数を取ることで、有利な状況で二次試験に臨むことができます。センター試験は比較的短期間で得点を伸ばすことが可能なので、二次試験の得点が伸び悩んでいる場合は、例えばセンター試験では9割の810点以上を取ることを目標として、先行逃げ切りを図るのも一つの選択肢です。

高知大学医学部の化学の出題傾向は?

それでは、高知大学医学部の化学では、どのような問題が出されるのでしょうか?

 理論化学、無機化学、有機化学に分けて、各分野の頻出テーマを見てみましょう。

 

【理論化学】

 金属のイオン化傾向がベースとなる現象の考察をする問題が重要です。具体的には酸化還元を伴う電池や電気分解、また金属と水溶液との反応といった問題です。金属のイオン化傾向自体は有名なゴロもあるので、確実に医学部受験で求められる物質については押さえておきましょう。イオン化傾向順に金属を並べた表を活用すれば、水に反応する金属、熱水に反応する金属…といったように、整理して化学反応を暗記することができます。あとは不働態を形成する組み合わせ等の例外を覚えれば完璧でしょう。

 他にも、化学の基本原理やそのメカニズムを問う問題が特徴的に出されます。例えばこれまでに結合の種類や結晶、溶解の仕組みといった問題の出題歴があります。化学の基本原理をテーマとする問題は疎かになりがちなので、検定教科書等で流れを理解しておきましょう。加えて化学の原理や法則の名前そのものを問う知識問題も見られるので、内容と併せて覚えておく必要があります。

 

【無機化学】

 沈殿や錯イオンの知識を問うものが近年、よく出されています。これらは知識がそのまま得点に直結する分野なので、点数は落としたくないところです。沈殿は陽イオンの系統分離やモール法といった物質の定量実験において、欠かせない知識となります。錯イオンについては、ペアのみならず化学式や構造まで押さえておきましょう。

 また化学物質の工業的製法に関する問題も頻出です。まずは工業的製法の名称と何を作るのかを理解し、そのうえで途中の化学反応を覚えていってください。無機化学ではありませんが、有機化合物の工業的製法も過去に問われています。別個にそれぞれ暗記していくことも可能ですが、同じ工業的製法という枠組みで一度まとめ直すと試験直前に復習する際に慌てずに済むでしょう。

 

【有機化学】

 例年有機化学は大問2~3つ程度で出題され、重要度の高い分野といえます。特に天然高分子については、毎年のように何らかの形で問われているため、糖やアミノ酸に関する問題は重点的に対策しておきましょう。糖ではやや細かい知識ですが、単糖の構造を書かせるものも見られます。アミノ酸やタンパク質の単元においても、グリシンやアラニンといった代表的なアミノ酸についても構造式を書けるように練習しておくと安心です。

 天然高分子だけではなく、芳香族やアルコールといった、様々な有機化合物の性質や、合成高分子の製法といった幅広い知識も、確実に押さえておく必要があります。基本的に有機化学は計算問題のウェイトは低いですが、その分覚えなければならない事項は膨大です。高知大学医学部の化学では、有機化学で点数が取れるか否かで差がつきやすいので、苦手な場合は本番までには克服しておきましょう。

お勧めの高知大学医学部の物理の対策方法

最後にこれまでの内容から、高知大学医学部の化学の対策に必要な具体的な勉強法をお伝えします。

 

 初めにセンター試験までは、化学の標準問題の解法をすべてマスターすることを目標に勉強をしてください。試験本番では時間的に余裕がないため、ただ問題が解けるだけではなく、問題を見たら反射的に手が動くほどに練習しておかなければなりません。そのためにも、標準的な問題は単元ごとにパターンとして認識して整理し、解法の流れを一対一で対応させておくことが肝要です。

 

この時期の勉強におススメなのが、『化学重要問題集―化学基礎・化学』(数研出版)です。単元ごとに標準レベルの典型問題が網羅されているので、本書の内容を完璧に頭に入れて反射的に解けるようになれば、高知大学医学部の化学でも高得点が狙えます。とにかくスピード感を意識して、繰り返し取り組むことで分からない問題をなくしましょう。

 重要問題集の特徴は、「「化学重要問題集」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」に詳しいので、是非参考にしてください。

他にも問題集の効率的な使い方についても、過去記事「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」で紹介しているので、ご一読いただければ幸いです。

 

 そしてセンター試験終了後は、二次試験に向けた対策に移りましょう。具体的に行っていただきたいのが、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・問題集による苦手分野の強化

の3つです。

 

 過去問の分析は残りの約2カ月の勉強方針を決定する大事な作業です。出題形式や頻出テーマを大まかに確認し、入試問題の雰囲気を掴んでください。

 

 過去問分析が終わったら、実際に過去問を解いてみましょう。このとき、必ず時間を計って取り組むことを欠かさないでください。繰り返しお伝えしているように、高知大学医学部の化学では時間との勝負になります。どうすれば時間内にできる限り高い点が取れるかを心掛け、問題を解く順番や1題にかける時間などを工夫してください。こういった練習ができるのは、過去問演習を通してのみです。

 

 これらに加えて、克服できていない弱点を問題集により再度復習していきましょう。過去問演習をすることで、出題頻度が高いにも関わらず自身は苦手である、といったように優先順位が明確になっているはずです。ざっと全範囲を復習するよりも、対策する単元を絞ってメリハリを付けたほうがこの時期では効果的であることを忘れないでください。

 

 さらに化学は暗記事項が多く、高知大学医学部の化学でも幅広い知識が求められます。時間の許す限り、工業的製法、有機化合物の性質、といったように、分野ごとに系統だてて知識の再確認もしていきましょう。スムーズに作業を始められるように、あらかじめ時間のあるうちに要点をまとめたノートを作ったり、予備校で配られたプリントを整理しておいたりすることもポイントです。

まとめ

高知大学医学部の化学の傾向と対策法のポイントは、

①理科2科目に対して、制限時間120分が与えられる

②大問6つで構成され、小問に従って解き進めていく

③解答は全て論述形式で、幅広い出題形式が見られる

④計算問題は計算過程の論述が求められ、例年必ず説明問題も出されるため、記述量は多め

④難易度は基本~標準レベルの問題が中心であるが、時間的な余裕はない

⑤目標点は150点中105点

⑥頻出テーマは、

【理論化学】金属のイオン化傾向、化学の基本原則

【無機化学】沈殿、錯イオン、工業的製法

【有機化学】天然高分子、知識問題

⑦センター試験までは、化学の標準問題の解法をマスターする

⑧センター試験終了後にすべきことは、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・問題集による苦手分野の強化

の8つです。

 

 いかがだったでしょうか?目標点に到達するための道筋は見えてきましたか?高知大学医学部の化学は大問数が多いため、一回の試験で多様な分野から化学の力を試されます。反対に1題に対する時間はさほどかからないものがほとんどなので、練習が十分であれば反射的に解けるはずです。言い換えれば努力が結果に表れやすい内容なので、化学が苦手な人もしっかりと時間を掛けて対策をしていきましょう!!

 

 

本記事内で登場した過去のオススメ記事

「高知大学医学部の物理の傾向と対策」


 

「「化学重要問題集」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」


 

「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」


 

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本記事で登場したお勧めの問題集・参考書

『化学重要問題集―化学基礎・化学』(数研出版)


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