名古屋市立大学医学部の化学の傾向と対策

2019年04月20日 志望する大学の特徴

名古屋市立大学化学

先日、「名古屋市立大学医学部の物理の傾向と対策」の記事において、名古屋市立大学医学部では理科で点数が取れることが重要であることを強調しました。

 本日はその中でも化学について、傾向と具体的な対策法を紹介します。

名古屋市立大学医学部の化学の試験形式・配点は?

 

はじめに名古屋市立大学医学部の入試制度について見ていきましょう。

 

 名古屋市立大学医学部の入学試験には、一般入試(70名)、推薦入試(20名)、地域推薦(7名)の3つの精度が存在します(カッコ内は2019年度の募集人数)。本記事では最も受験者数の多い、一般入試について取り上げることにします。

 

 一般入試は国立の医学部受験と同様、センター試験と二次試験の得点の合計で合否が判定されます。詳細に各試験の科目ごとの配点を見てみると、

【センター試験】国語:100点 数学:62.5点×2 英語:100点 社会:50点 理科:62.5点×2

【二次試験】数学:150点 英語:150 理科:100点×2 面接:200点

となっており、センター試験が500点、二次試験が700点の合計1200点満点です。センター試験では数学・理科といった理系科目の得点比率が相対的に高く社会の得点比率が大きく圧縮されており、二次試験でも理科の配点の科目全体に占める割合が高くなっていること、そして面接も得点化されていることは注目ポイントです。

 

 またここ数年、名古屋市立大学医学部では入試制度の変更が続いており、平成30年度からは2段階選抜が実施されるようになりました。この制度下では、第2段階選抜の二次試験の受験資格が得られるのは、第1段階選抜のセンター試験で500点中375点以上を取った受験生のみです。他にも名古屋市立大学ではこれまで初日に数学と英語、2日目に理科と面接試験を行っていましたが、平成31年度からは初日に学科試験すべてを済ませ、2日目に面接試験のみとする国公立の医学部受験ではなじみのある日程となります。

 

 このうち理科は物理・化学・生物のうち2科目を選択して受験します。制限時間は理科2科目に対して150分与えられるので、1科目当たりおよそ75分使えることになります。

 

 化学に関しては大問4つで構成され、それぞれ8つ前後の設問が与えられます。物理では時間との勝負になるとお伝えしましたが、化学でも設問数は同程度でかつ問題文はより長いため、より手早く処理していくことが求められます。

 

 解答は結果のみを答える記述式が中心ですが、化学現象が起こる理由や実験操作の順番等を説明させる論述問題や描図問題も見られます。名古屋市立大学医学部の化学では他の国公立と比べると論述問題・描図問題が設問全体に占める割合は高い点は押さえておいてください。描図問題において特徴的なのが実験装置を図示させるもので、有名なものについては事前に手を動かして描いておくと良いでしょう。

 

 出題内容は大問1、2では理論化学、無機化学あるいはそれらの融合問題が、大問3、4では有機化学から問題が出されるのが例年の傾向です。ただし、平成28年度のように大問3でも無機化学が出題され、有機化学が1題のみといった年度もあるので、念のため過去問で確認しておいてください。

 

 難易度としては基本~標準的なものがほとんどですが、論述問題・描図問題も多く解答スピードが要求される試験内容です。知識問題は反射的に答えが出るまでに訓練しておき、計算の速さとともに解答を短時間で作成できる能力も養っておきましょう。

名古屋市立大学医学部の化学の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

続いて、名古屋市立大学医学部の過去の合格最低点のデータや他の科目の難易度をもとに、化学では何点を取ればよいか考えてみます。

 

名古屋市立大学医学部の合格最低点は、1200点満点中、

平成30年度: 946.30点 平成29年度: 953.28点 平成28年度: 983.33点

平成27年度: 979.83点 平成26年度: 966.10点 平成25年度: 933.28点

となっています。すなわち、990点(82.5%)あれば合格圏といえます。

 

 ここでセンター試験において500点中430点(86%)取ることができたと仮定すると、二次試験では700点中560点(80%)が必要となります。

 

以上のことから、各科目の難易度も考慮したうえでそれぞれ目標点を立てると、

数学:115点 英語:115点 理科:170点 面接:160点

とするのが良いでしょう。

 

 理科は2科目で200点満点中170点(85%)を超えなければなりませんが、選択した2科目間に得意不得意の大きな差がなければ、いずれも85点ずつ取ることを目指しましょう。他の科目に比べるとやや高めのハードル設定にも思えますが、名古屋市立大学は理科の配点が高いため理科で高得点を取る自信のある医学部受験生が集まりやすいと予想されます。他のライバルに負けないように、理科は重点的に対策することを勧めます。

 

 化学も問題そのものは簡単なものばかりですが、それでも練習不足では時間的な余裕はありません。少し考えて解法が思い浮かばないような場合には、一度飛ばしてみるといった冷静な対応も必要になります。

名古屋市立大学医学部の化学の出題傾向は?

それでは、名古屋市立大学医学部の化学では、どのような問題が出されるのでしょうか?

 以下で、大問ごとに出題傾向をまとめていきます。

 

【大問1、2】

 大問1、2では理論化学、無機化学あるいはその融合問題が出題されます。全体としては幅広いテーマからの出題がありますが、理論化学からは熱化学方程式や酸化還元反応、無機化学からは沈殿・錯イオンを扱う問題の頻出度がやや高めです。計算問題や答えのみを書く知識問題以外にも、化学現象や実験操作を説明する論述問題もよく見られます。そして必ず押さえておきたいポイントが、実験をテーマとする大問では実験装置の図を描かせる設問の出題可能性がある点です。描図問題ではもちろん絵の上手い下手は関係ありませんが、特徴を捉えた図を描くことが求められます。滴定装置や二股試験管といった代表的な実験装置については、事前に実際に描いて練習しておきましょう。

 

【大問3】

 大問3では例年、有機化合物の構造決定の問題が出されます。特に複数の芳香族化合物が与えられ、様々な操作の結果をもとに各構造を決定していくものが定番です。また分子式が与えられていない場合には、元素分析を行う場合も多々あります。元素分析を活用して、組成式や分子式を導く一連の流れはマスターしておきましょう。またこれらと関連して有機溶媒と無機溶媒による有機化合物の分離を行う問題も頻出です。元素分析と併せて有機化合物の分離方法も理解を深めておいてください。ちなみに平成28年度は大問3で無機化学が出題されているので、念のため確認しておきましょう。

 

【大問4】

 大問3に引き続き、有機化学から問題が出されます。こちらでは高分子化合物のうちアミノ酸・タンパク質、糖といった、天然高分子をテーマとする問題が出されます。一方で合成高分子は6・6ナイロン等の代表的な知識が設問の一部として問われることがありますが、メインの題材として出題されることは稀です。物質の化学的性質を暗記することはもちろんですが、計算問題もそこまでパターンは多くないため、しっかり対策をして得点源としたい大問です。

お勧めの名古屋市立大学医学部の化学の対策方法

最後にこれまでの内容から、名古屋市立大学医学部の化学の対策に必要な具体的な勉強法をお伝えします。

 

 まずセンター試験までは、化学のどの単元においても典型問題であれば解けるだけの力を付けることを目標としましょう。化学は科目の性質上、単元をまたいだ出題も多く、幅広い対応力が要求されます。センター試験対策も兼ねて、穴を作らないように基礎力を高めていってください。

 

 この時期の勉強におススメの問題集は、『化学重要問題集―化学基礎・化学』(数研出版)です。各単元の典型問題が網羅されており、この一冊をマスターするだけでも名古屋市立大学医学部の化学で目標点を超えることは不可能ではありません。問題を見たら即座に解法が思い浮かぶようになるまで、繰り返し取り組みましょう。

 なお本書の特徴は、「「化学重要問題集」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」に詳しいので、是非参考にしてください。

他にも問題集の効率的な使い方についても、過去記事「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」で紹介しているので、ご一読いただければ幸いです。

 

 センター試験が終わったら今度は二次試験に向けた対策にシフトしましょう。具体的に行っていただきたいのが、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・問題集を用いた苦手分野の克服

の3つです。

 

 過去問の分析は残り約1カ月の勉強内容を決める大事な作業です。問題の出題形式や設問の内容、頻出単元等をざっと確認してください。本記事の内容とも照らし合わせていただけると分かりやすいでしょう。

 

 過去問分析が済んだら実際に過去問に挑戦してみましょう。このとき時間を計って取り組むことを徹底してください。既にお伝えしているように時間的な余裕はないため、時間配分の練習や問題を解くときのスピード感の養成が不可欠です。各年度とも大事な演習のチャンスであることを忘れないでください。

 

 同時にこれまで使ってきた問題集で、苦手分野の克服に努めてください。とはいえ残りの期間で化学の全範囲を復習するのは非効率的です。過去問分析で傾向が分かるので、あとは自身の得手不得手とを照らし合わせて単元ごとに優先順位をつけましょう。さらに名古屋市立大学医学部の化学で特徴的な論述問題や実験装置の描図問題は、センター試験までの勉強では手薄になりがちなのでここで仕上げに入りましょう。

まとめ

名古屋市立大学医学部の化学の傾向と対策法のポイントは、

①理科2科目に対して、制限時間150分

②大問4つで構成され、8つ前後の設問が与えられる

③解答は答えのみを書く記述式が中心であるが、論述問題や描図問題も多い

④難易度は基本~標準的なものがほとんどであるが、解答スピードが要求される試験内容⑤目標点は100点中85点

⑥大問ごとの出題傾向は、

【大問1、2】理論化学、無機化学、融合問題、実験装置の描図問題が特徴的

【大問3】芳香族化合物の構造決定、元素分析、有機化合物の分離

【大問4】天然高分子化合物

⑦センター試験までは、どの単元でも典型問題は解けるようになることを目標とする

⑧センター試験終了後にすべきことは、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・問題集を用いた苦手分野の克服

の8つです。

 

 化学の対策においては、初めのうちは特定の単元に偏ることなく全体的な基礎力を高めていくことが肝要です。その上で名古屋医科大学医学部の出題傾向に合わせた勉強で演習を重ねていけば、おのずと合格へと近づいていけます。焦らず一歩ずつステップアップしていきましょう!!

 

 

本記事内で登場した過去のオススメ記事

「名古屋市立大学医学部の物理の傾向と対策」

「「化学重要問題集」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」

「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」

 

名古屋市立大学の過去問題やその他の教科の傾向と対策

 こちらのページで過去問を無料で閲覧できます

 また、その他の教科の傾向と対策についても見ることができますので、

 ご参考にしてください。

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本記事で登場したお勧めの問題集・参考書

『化学重要問題集―化学基礎・化学』(数研出版)

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