岡山大学医学部の英語の傾向と対策

岡山大学英語

岡山大学医学部の英語で必要となるスキルは、非常に明確です。本日は、そのスキルの内容と修得方法についてお伝えします。

岡山大学医学部の英語の試験形式・配点は?

岡山大学医学部の二次試験の英語は、大問4つで構成されます。

前半2題が読解、後半2題が英作文であり、制限時間は120分です。

 

解答形式は、前半の大問1、2の読解問題は、文章の内容に関する質問に対して、日本語で説明するものが中心です。

その他にも、空所に入る英単語を答えさせる問題、主題・内容真偽についての選択式問題も頻出です。

まれに日本語で文章を要約させる問題が出されることもあるため、覚えておきましょう。

 

後半の英作文は、大問3が和文英訳、大問4が自由英作文です。

和文英訳は日本語の長文が与えられ、その中の4つ程度の文章に下線が引かれ、その英訳を求められます。

自由英作文は、英語で与えられたテーマについて、自分の意見を決められた分量の英文で説明する形式です。

 

岡山大学医学部の入試の配点は、センター試験900点満点、二次試験1200点満点の計2100点満点です。

詳細な内訳は、以下のようになっています。

【センター試験】

英語200点、数学200点、国語200点、理科1科目目100点、理科2科目目100点、社会100点

【二次試験】

英語400点、数学400点、理科1科目目200点、理科2科目目200点

 

つまり、二次試験の英語は、全体の約20%(400/2100)を占めています。

岡山大学医学部の英語の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

岡山大学医学部の過去3年分の2100点満点中の合格最低点を見てみると、

2017年度:1701.2点

2016年度:1621.6点

2015年度:1712.6点となっています。

平均を取ると1678.5点。つまり、全体として8割得点できれば合格圏内と考えられます。

 

ここで、センター試験を765点(85%)取れると仮定すると、二次試験では1200点中913.5点(約76%)必要となります。

 

これを踏まえて、岡山大学の英語の難易度を見てみると、読解問題の英文は比較的易しく、読みやすいものが多いです。

それでは英語で高得点を狙えるかというと、実はそうではありません。

原因は大問3、4の英作文です。

英作文も問い自体は非常に高度な内容を求められているわけではありませんが、採点基準が厳しいとされています。

英語が得意な受験生でも、8割程度の得点に収束しています。

英語で点数を稼いで合格を狙う戦略は、リスクが高いと言わざるを得ないでしょう。

 

結論としては、英語では280/400を目指してください。

裏を返せば、英語でこの程度の点数で合格最低点を超えられるよう、他の科目で得点できるよう準備するのが理想です。

岡山大学医学部の英語の出題傾向は?

岡山大学の英語の二次試験の形式は上で述べたとおりですが、各大問ではどのような傾向があるでしょうか?

 

まず、大問1、2の読解問題については、岡山大学の二次試験は全学部共通ということもあり、過去の出題テーマは社会、科学、教育、医療…と多様です。

英文自体は読みやすいですが、設問に対して日本語で過不足なく説明できるようになるには、事前に練習が必要です。

 

次に大問3の和文英訳は、元が日本語の文章を扱うため、こなれた日本語を英訳しなければなりません。

したがって文章をそのまま逐語訳していては、一般的な受験生では限界があります。

そこでカギとなるのが、こなれた和文をいかに自分が英訳できる文に言い換えられるかがカギとなります。

もちろん言い換える際に、文意から大幅にずれていては点数をもらえません。

どの程度まで言い換えが許されるのかといった相場観を身に付けて本番に臨みましょう。

 

大問4の自由英作文は、過去の自分へのアドバイスや大学で学ぶ意味といった身近なものから、地球の未来といった社会的問題まで、幅広いテーマからの出題歴があります。

分量は行数で設定され、近年では10行程度となっています。

過去にはジョークの意味する内容に関して説明させるような、オーソドックスな形式から外れた出題もあるため、頭の片隅に入れておいてください。

お勧めの岡山大学医学部英語の対策方法は?

出題傾向の項でも紹介したように、岡山大学の英語の二次試験では、扱われるテーマに偏りがありません。

例えば、医療分野に関する文章が毎年出題されている私立大学の医学部を受験するのであれば、医療英語を勉強するといった対策が可能です。

しかし、岡山大学では、このような対策が不可能です。

 

では、岡山大学医学部に合格するために、英語についてはどのように勉強すればよいでしょ

 

さて、ここで思い返していただきたいのが、一番初めに岡山大学の英語で求められているスキルは明確であるとお伝えしたことです。

ここまでお読みになった読者のみなさんも、だんだんと必要なスキルが見えてきたのではないでしょうか?

 

大きく分けると、磨くべきスキルは、

(1)英文の内容を日本語で説明する能力

(2)こなれた日本語を自身が英訳できる文章に言い換える能力

(3)特定のテーマについて自身の考えを英語で論理的に説明する能力

の3つです。

 

これらの能力はあくまでも、センター試験前までに、一定の英語の基礎力(読解力・単語力・記述力)を身に付けていることが前提となります。

逆に考えると、基礎がしっかりできていれば、上の3つに絞って勉強すればよいため、センター終了後から二次試験までのひと月で大きく実力を伸ばすことが可能です。

 

具体的な対策方法は、(1)の説明力については、岡山大学の過去問を使って、どのくらいの分量で解答するかなど、形式・難易度を確認しましょう。

記述の分量が分かれば、どこまで詳細に説明が求められているかといった出題者の意図も掴むことができます。

もし読解問題や説明問題に不安があるのであれば、他の国立大学の過去問を手に入れ、記述式の読解問題で演習をしましょう。

さらに、余裕があれば、要約についても2、3題練習しておくと安心感があります。

 

(2)の言い換えの能力については、岡山大学の問題レベルからすると、難しい英文を書けるようになる必要はありません。

大事なのは、既にお伝えしたように、こなれた日本語を言い換える際に、どの程度までの言い換えであれば許容されるかといった相場観を修得することです。

赤本で大問3の問題を実際に書いてみて、解答と照らし合わせることにより、相場観を養いましょう。

 

(3)の記述力については、自由英作文専用の問題集を使って練習しましょう。

できれば12月上旬頃から手を付け始め、使える自由英作文独特の表現を増やしてください。

ここで強調しておきたいのが、添削の重要性です。

自由英作文は性質上、問題に対する模範解答は一つに決まらず、独学では自分の作文が正しいのか、論理的に破綻していないか、といったことを判断できません。

可能な限りプロに添削をしてもらい、都度修正するようにすることをお勧めします。

さもなければ、せっかく時間をかけて勉強したつもりになっていても、まったく成果につながらないといったことにもなりかねません。

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当塾では、20年間の過去問研究に基づき、今年の出題傾向を予想した岡山大学医学部に向けての対策講座を開講しています。

ご興味がある方は、ぜひこちらのご案内をご覧頂き、受講頂ければと思います。

 

 

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まとめ

岡山大学医学部の英語対策のポイントは、以下の5つです。

 

①280点(400点満点中)を目指す

②問題構成は、大問1、2は読解問題、大問3は和文英訳、大問4は自由英作文

③読解問題の難易度は高くないが、作文の採点が厳しく、全体として点数が伸びづらい

④二次試験に向けては、

(1)英文の内容を日本語で説明する能力

(2)こなれた日本語を自身が英訳できる文章に言い換える能力

(3)特定のテーマについて自身の考えを英語で論理的に説明する能力

を身に付ける

⑤具体的な勉強法は、

(1)赤本で読解問題の設問の難易度・形式(記述量)を確認する

(2)赤本の模範解答で、どの程度言い換えが許されるか相場観を身に付ける

(3)・自由英作文専門の参考書で使える表現を増やす

・実際に作文し、プロに添削を依頼する

 

英語で失点を防ぐためには、記述力の向上が不可欠です。

センター試験直前期は、英語の記述をすることはほとんどなくなると思います。

ラスト一カ月は、打って変わって手を使って文章を書きまくりましょう。

 

英語はテーマが偏ることがないため、特定の受験生にとって有利・不利といったことが起こりにくいです。

全員同じ土俵で戦い、あとは練習量がものをいう世界です。

努力で他の受験生に差をつけ、見事合格を勝ち取ってください!!

 

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医学部再受験生専用勉強マニュアル ~英語編~ 医学部受験の教科書

 

コメント..

  
  
  • 失礼します
    岡山大学の生物の傾向と対策を至急作って頂けないでしょうか?
    夏休み中にできるだけ生物をできるだけ進めたいのでよかったらお願いします!

    • いつも当サイトをご覧くださり、誠にありがとうございます。
      医学部受験の教科書の石戸です。
      「岡山大学の生物の傾向と対策」をご希望されているとのこと承知いたしました。

      生物に関しても、作成をさせて頂きます。
      問題の分析とライティングを合わせると、
      最低でも一週間はかかると思います。
      少々お待ち頂ければ幸いです。

      その他、ご意見やリクエスト等がございましたら、
      お気軽にコメントをいただければ幸いです。

      また、夏休み中に生物をできるだけ進めるとのこと。
      理科を夏休みにやるのは、とても良いと思います。
      夏休み明けに大幅なパワーアップをしていると良いですね。
      応援しております!

  • 高2の息子の母です、とても的確で丁寧なアドバイスに感謝しています❗️
    息子は読解力が乏しく、単語の意味が分かってもそれを文章にするのがとても苦手なようです❗️
    来年からはプロの方に見てもらうつもりなのですが、それまで、自分でやれる事や、読解力つく、長文の訳し方があれば教えて頂けないでしょうか⁉️宜しくお願いします❗️

    • いつも当サイトをご覧くださり、ありがとうございます。
      医学部受験の教科書の石戸です。
      親御様からコメントを頂き嬉しく思っております。

      頂いたご質問について。
      自分でできる英語の読解力養成法について回答させて頂きます。
      英語の長文読解において、読解力をつける(文章の内容を理解しながら読むことができる)ためには、
      以下のプロセスで行うことをお勧めしております。

      文構造がわかるようにする → 文章にそった訳ができるようにする → 文と文の意味をつなげて読むトレーニングをする

      ご子息様が現在、どこの段階でつまづいているかをご検討頂き、そのプロセスにそった対策を行うのが最善だと思います。
      「文構造の把握」は、構文を扱っている参考書・問題集をご活用頂き、
      「文章にそった和訳」は、和訳を扱っている参考書・問題集をご活用頂き、
      「文と文の意味をつなげて読むトレーニング」は、
      長文を扱っている参考書・問題集の内容説明・理由説明・正誤問題をご活用頂くことをお勧めしております。

      大切なのは、どのプロセスでつまづいているかが、的確に判断できていなければ、
      他のことをやっても、身につかないので注意してください。
      英語の実力がどんどんついていくこと、心より祈っております。

  •   
  

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