【高1生の理科選択ガイド】医学部受験では生物、物理どっちが有利?

seibutu buturi

高1生の方から、よく生物と物理のどちらを選択すればいいかご質問を頂きます。今日は、医学部受験で生物と物理のどちらが有利なのかを実際の割合もご紹介しながらお伝え致します。

 

まず、結論から申し上げると、医学部受験では、生物よりも物理の方が有利です。なぜ物理の方が有利と言えるのか?理由は3つあります。

 

その理由とは、

1.高得点を狙いやすいから

2.教材が充実しているから

3.物理必須の医学部があるから

(逆に言えば、生物必須の医学部はありません)

 

それぞれの理由について詳しく説明していきましょう。

生物、物理の特徴とは?

高校1年生の時に、いきなり「生物と物理のどっちがいいかを選びなさい」と言われても、わからないですよね。まだ生物と物理がどんなものなのかもわからない段階で選べと言われても・・・と困惑されるのが普通だと思います。かく言う私も、あまり生物・物理のことがわからなかったので、どちらの科目がいいとか考えず、物理の先生の方が好きだったので選びました。しかし、生物、物理のどちらを選ぶかというのは、医学部受験を考える上で非常に大切なことですので、ぜひ、この記事を参考にして頂けたらと思います。

 

まず、2つの科目の特徴について説明しましょう。私が、2つの科目について説明するとき、生物は「英語型」物理は「数学型」の科目だと言っています。どういうことかというと、英語は、高得点が取りづらく、逆に0点になりにくい科目です。いわゆる正規分布のグラフになるのが英語・生物です。一方、数学は、満点を取ることもできますが、わからなければ0点になることもある科目です。分布で言えば、数学・物理はM字型の分布になります。つまり、しっかり勉強すれば高得点を取ることができるのが物理です。医学部受験を含めた全ての入試では、生物から◯名、物理から◯名という形で合格者を選ぶのではありません。生物・物理を合わせて点数の高い人から合格となっていきます。その意味では、高得点を取りやすい物理の方が医学部受験で有利なのです。

また、「英語型」「数学型」というのは、得点分布だけでなく、勉強時間についても同じ特徴を示します。英語は、どうしても単語を覚える時間、文法を習得する時間が必要です。基本的には、勉強した時間に比例して語句も増えていくので、勉強時間をたくさんかける必要があります。一方、数学は、論理的な考え方ができる人であれば、公式を理解できれば、難しい問題でも解ける人がいます。つまり、数学に関して言えば、勉強時間と成績が比例しているわけではありません。

 

生物と物理も同じです。生物は、どうしても基本的な語句を覚えなければなりません。それは、臓器の名称であったり、ホルモンの名称であったり、と覚えることが多岐にわたります。必然的にある程度まとまった勉強時間が必要となります。一方、物理では、数学と同じように、公式を理解できて応用する力があれば、少ない勉強時間で成績が良い人もいます。ちなみに、物理では、数学よりもおさえておくべき公式の数が少なく、数学と違い融合問題は基本的に出題されないので、問題のパターンも限られています。

じゃあ、暗記が得意な人は生物の方がいいの?

中には、勉強時間をかけて覚えれば点が取れるのであれば、生物の方がいいと思われる方もいるでしょう。数学は大の苦手で、暗記は得意という方であれば、そのように思われるのも当然だと思います。しかし、生物は単純な暗記で何とかなるものではありません。実際に、医学部受験生は、優秀な人達の集団ですから、皆さんそれなりに勉強されています。それなのに、生物が高得点が取りにくいと言われるのは、生物が知識だけを問うのではないからです。

 

生物の得点を伸びにくくしているのが、「考察問題」です。中には聞いたことがある人もいらっしゃるかもしれません。実験データを与えて、その実験からわかることを考える問題、それが「考察問題」です。この「考察問題」は、見たことがない実験が出題されたり、時代のトレンドに合わせて実験も変わってくるので、高得点が出にくくなっています。「私は考えるのが苦手だから」といって、安易に生物を選ぶと結局この考察問題のところで苦労します。結局、生物にせよ、物理にせよ、高得点を取るためには、論理的思考力が必要なのです。どちらも論理的思考力が必要となるのであれば、高得点が狙いやすくて覚える量が少なくてすむ物理を選択することをおすすめします。

物理の方が教材が豊富

また、生物と物理で考えたときに、物理の方が教材が豊富にあるということも物理をおすすめする理由の2つ目です。例えば、数研出版から毎年入試問題を収録した入試問題集が刊行されていますが、化学・物理は刊行されていても生物は刊行されていません。これは、物理の選択者の方が生物の選択者よりも多いからでしょう。例えば、平成29年度のセンター物理受験者数は156,000人に対して生物は74,000人です(ちなみに化学は209,000人です)。受験者数の数もあって、教材の充実度は生物よりも物理の方が高いです。教材が多いとあなたに合った参考書やあなたのレベルに合わせた問題集が見つかる可能性が高いので、物理の選択をおすすめします。

物理でなければ受験できない?

最後の3つ目の理由が、物理でなければ、受験できない大学があることです。2017年12月12日現在、物理でなければ受験できない大学は5つあります(群馬大学・金沢大学・愛媛大学・佐賀大学・九州大学)。物理必須の大学は増加傾向にあるので、今後増えていくかもしれません。生物を必須にする大学は今のところないので、物理を選択しておけば、受ける選択肢が広がる分おすすめです。

実際の生物と物理の割合はどれくらい?

以上3つが物理をおすすめする理由ですが、実際の生物と物理の割合はどれくらいなのでしょうか?岡山大学医学部の66名にランダムでアンケートを実施したところ、物理選択者が78.7%、生物選択者が21.3%でした。約4:1の割合で物理選択の方が多かったのです。実際、他の大学でも、生物選択者の方が多いという大学は聞いたことがないので、物理の方が有利というのは、実例からも間違いなさそうです。

ちなみに、これは余談ですが、岡山大学医学部の再受験生で、生物と物理を選択して岡山大学医学部に合格した人がいます。その人に話を伺った所、「受験に合格することだけを考えれば、物理の方が圧倒的に有利です。」と言われていました。どちらも一通り勉強した上での回答なので、参考になる部分があるのではないでしょうか?

それでも生物を選択した方がいい人とは?

生物よりも物理の方が有利だ。有利だ。有利だ。と言い続けてきました。しかし、それでも、生物を選択して合格している人もいます。では、どのような人であれば、生物を選択すると良いのでしょう?私が見てきて思うのは、次のいずれかの条件を満たす方であれば、生物を選択しても良いと思っています。

・数学が苦手で、覚える勉強である程度点が取れていて、英語がめちゃくちゃ得意な方

・数学、英語が得意な方

・私立大学で医学部ならどこでもいいから入りたいという方

 

数学で、見たことない問題は解けないが見たことがある問題なら覚えているから点が取れるという方がいます。そのような方であれば、物理の考え方を身につけるのが難しい上に負担に感じることと思います。物理は、公式の数が少ないのですが、すぐに高得点が取れるようにはなりません。その式の意味を理解して、演習を通じて、できるようにするというプロセスが必要です。覚えてしまえばいいという勉強は物理では歯が立ちません。医学部受験で合格するためには、総合点で人よりも良い点が取れればいいわけですから、生物は考察問題が解けなくても6-7割取れるおさえの科目にして、英語で点を稼ぐという戦略を立てれば良いでしょう。

数学、英語が得意な方も同じです。総合点で考えたときに、数学と英語ができるなら、物理選択者の人と物理で差をつけられても、数学と英語でその差はカバーできるため、生物選択でも大丈夫です。そして、印象としては、現役で生物選択で医学部に合格する方は、このパターンが最も多いと思います。

最後に私立大学も受験の候補に考えられているのであれば、考察問題がほとんど出題されず、知識をメインで問う大学もあるため、生物選択でも高得点が可能です。

最終的には、個々の得意・不得意によっても変わってくるので、生物を取ろうか迷っている方は、医学部受験のプロに相談するのも良いでしょう。

 

まとめ

医学部受験では、物理選択の方が有利です。

その理由は、次の3つです。

1.高得点が狙いやすいから

2.教材が充実しているから

3.物理でなければ受けられない大学があるから

です。気をつけなければならないのは、生物=暗記ではありません。暗記した知識を土台にして考えていく作業も必要となるのが生物です。だからこそ、生物では高得点が出にくいのです。

したがって、基本的には、物理選択をお勧めしますが、

・数学が苦手で、覚える勉強である程度点が取れていて、英語がめちゃくちゃ得意な方

・数学、英語が得意な方

・私立大学で医学部ならどこでもいいから入りたいという方

上記3つの条件のいずれかに当てはまるなら、生物の方を選択してもらっても大丈夫です。この記事があなたの物理・生物の選択の指針になれば幸いです。

 

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