医学部再受験生のための面接試験攻略法

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医学部入試は面接が課される点で、他学部の入試と一線を画します。

今回は、再受験生に特化した面接試験の攻略法をご紹介します。

医学部入試における面接

ほとんどの医学部では、センター試験・二次試験に加えて、面接試験を行い合格者の選抜をしています。

2007年以降、面接を廃止していた東京大学理科三類でも、今年度(2018年度)入試から復活するとの発表がありました。

今のところ、面接試験を廃止するような流れはないようです。

 

面接試験では、受験生の医師としての適性をチェックされているといわれています。

医師としての適性とは、倫理観やコミュニケーション能力などを指すと考えてください。

大学卒業後は多くの医学生は、臨床医となります。

その時に、これらが欠けていると、いくら学業の成績が良くても患者に良い医療は提供できません。

つまり、受験生が医師としてきちんと働けるか、将来性を見極められているのです。

 

大学によって、面接試験の形式や合否に与える影響は様々です。

きちんと点数化される大学もあれば、そうではない大学もあります。

 

それでは面接試験は、いつから、どのように対策すればよいのでしょうか?

また、再受験生が特に注意すべき点は何でしょうか?

情報はできるだけリアルなものを

筆記試験は、過去問が公開されていたり、大学の赤本があるなど、実戦的に対策をすることが容易です。

それに対して、面接試験の内容や採点基準は公式には公開されていません。

面接特有の緊張感も、大学スタッフが面接官をする本番でない限り、味わえません。

 

そのため、事前になるべく正確な情報を集め、それに基づいた準備を入念にする必要があります。

では、情報が公開されていない中で、正確な情報はどこから集めるべきでしょうか?

正確な情報とはリアルな情報と言い換えることができます。

この観点から、以下の3つの情報源が役に立ちます。

 

第一に、市販されている医学部入試用の面接対策本です。

わたしが推す一冊は、『医学部面接ノート』(代々木ゼミナール/Y-SAPIX)です。

医学部面接ノートは、大学ごとの受験生から情報が集められており、面接形式・質問内容・受験生が実際にした回答・雰囲気などが掲載されています。

受験生によっては、この回答はまずかったな、といったコメントまであり、かなりリアルな体験談を読むことができます。

さらに、別の項では医学的知識や福祉保健に関する時事などもまとめられています。

この一冊で、面接対策が完結するといっても過言ではありません。

 

次に、予備校の講師や先輩受験生の話です。

予備校講師は数多くの医学部受験生を見てきており、情報を豊富に持っています。

相談すれば確かな経験に基づいた、適切なアドバイスをもらえるはずです。

もし可能であれば、あなたの受験する大学を受けた経験のある受験生の声も聞きましょう。

高校のOBや予備校の先輩など、使える伝手はすべて使ってください。

最もリアルな情報は、先輩受験生の話であることは間違いありません。

 

しかし、予備校に通わない再受験生は、伝手がない場合もあり得ます。

こういった場合は第3の情報源として、インターネットを活用しましょう。

インターネット上には、医学部受験生専用の掲示板や医学部入試情報を流しているTwitterのアカウントといった、再受験生には嬉しいコンテンツがたくさんあります。

ここで注意していただきたいのが、匿名性の高いウェブ上の情報は、正確性が担保されていないことです。

掲示板内のリアルに見える受験生な声が、実は他の受験生を陥れるために、不安を煽るように意図的に書き込まれたものである可能性もあります。

そこでインターネットの情報を使う際は、他の情報源で同じ内容がないか調べ、正確性を確認するようにしましょう。

正しく使えば、人に話を聞き回るよりも効率的にリアルな声を集めることができます。

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想定質問と回答の準備

具体的な面接対策としては、想定される質問を考え、その回答を準備することとなります。

医学部入試における面接試験で問われるのは、主に受験生本人のことと時事です。

 

自身のことについては、しっかりと自己分析をしましょう。

医師を志した動機、その大学を選んだ理由は、必ず明確にしておきましょう。

加えて、仕事や学生時代に力を入れたことについても予めまとめておけば安心です。

特に再受験生は、大きな人生の選択をして面接に臨んでいるので、その過程についてもよく振り返っておいてください。

 

志望動機にはあなたの実体験を織り交ぜれば、オリジナリティや説得力が増します。

大学を選んだ理由については、経済的・地理的なものである場合もあると思います。

これを素直に答えてしまうと、印象があまりよくないのは明白です。

ここで役に立つのが、受験大学の特徴を調べておくことです。

たいていの医学部は、他の大学との差別化を図ろうとしています。

例えば、研修医教育に力を入れている、大学病院の移植手術の件数は日本でも有数だ、といったようなことです。

これらを挙げれば、質問に回答できるだけでなく、大学のことについてきちんと調べていることをアピールすることができます。

 

時事については、医学的知識や福祉保健に関するものと、一般的な社会情勢に関するものに分かれます。

このうち医療福祉系の時事は、前述の医学部面接ノートにまとめられている内容に目を通しておけば十分です。

大学側は細かい医療の知識を知っているかを聞きたいのではなく、話題の出来事への関心を持っているか、分からない場合に適切な対応ができるか。

このようなことを試しているに過ぎないからです。

社会的時事はすでに大学生活を経たり、社会に出た経験のある再受験生は、改めて対策する必要はありません。

焦らず自分の言葉で意見をはっきりと述べましょう。

 

わたしからのアドバイスとしては、過度な緊張は禁物です。

常識的に考えて、再受験生は自然体でいられれば、高校を卒業したての受験生よりも適切な立ち居振る舞いができます。

むしろ、見栄を張って格好の良い回答をしようとして、空回りする方がよっぽど怖いです。

企業の採用面接とは異なり、面接時間は短く、基本的に一度だけです。

就活レベルの自己分析をしていれば、お釣りがくる程度のものと考えてください。

いくら情熱があっても…

最後になりますが、再受験生にとって最も重要なことをお伝えします。

それは、大学によって年齢による差別がある(可能性がある)ということです。

大学側はオフィシャルには認めていませんが、実際に社会問題となったケースもあります。

 

京都大学医学部のケースでは、大学院卒の受験生が不合格となり、点数開示をしました。

すると、面接点が0点であったそうです。

これは某有名掲示板への画像の投稿により明らかとなり、話題となりました。

一部では再受験生・多浪生への差別では?との声も上がったようです。

 

群馬大学医学部のケースでは、55歳の主婦が筆記試験の点数は平均を上回っていたにも関わらず、不合格となったものです。

これを「年齢による不当な差別だ」として、主婦の方は裁判で大学側と争いましたが、結局、言い分が認められることはありませんでした。

また、大学側は「年齢により不合格にすることはない」と明言しています。

 

ここでは事件の詳細を検証はしませんが、上のようなケースがあったことは事実です。

大学も医学部生を医師に育て上げるのに莫大な労力・お金がかかります。

そのため、個人的には、卒業後少しでも長く働いて、地域に還元できる学生を優遇することも理解できます。

 

ただし、再受験生にとっては死活問題となります。

どの大学出身かよりも、その後のキャリアをどのように過ごすかの方が、医師生活の中では重要です。

スタートラインにすら立てなければ話になりません。

受験大学の選択は、医師になれるかどうかを左右するので、合格者に多浪生・再受験生がいるかを、勉強を始める前に調べておくことが不可欠です。

 

余談ですが、わたしが在籍している岡山大学は、再受験生による差別はないものと思われます。入学者の1割程度は、再受験生です。

 

受験大学に迷ったときに、是非選択肢の一つとして考えてみてください!

まとめ

再受験生のすべき面接対策についてまとめると、

  • リアルな情報を集める
  • 質問を想定し、オリジナルの回答を準備する
  • 年齢による差別の可能性の有無を調べる

となります。

 

情報集めや回答の準備は、センター試験が終わってからで間に合います。

しかし、気分転換に医療の時事や大学のことを調べたりするのもよいと思います。

思わぬ発見があり、モチベーションのアップにもつながりますよ!

 

構えすぎる必要はありませんが、重要なポイントは押さえて、面接試験もスムーズに乗り切ってください!

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