2年計画では医学部受験で勝てない5つの理由

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医学部受験は合格率7%という狭き門です。したがって、いざ「医学部に行きたい!」と思っても、その時の実力が全然医学部に届いていない。そんな方もいるでしょう(むしろ、その方が多いはず)。

そんな時に、つい次のように思ってしまう方がいます。

 

「今年は無理だから、今年は諦めよう。今年は、基礎を固めて、来年合格できるように頑張ろう」

 

このように、最初の年は捨てて次の年にかける「2年計画」を立てる方がいます。一見、正しいことを言っているような、この「2年計画」ですが、実は、ほぼ確実に失敗します。実際、私は、5年間の浪人生活+約10年間の受験指導で15年教育の業界にいますが、「2年計画」でうまくいった人を未だに見たことがありません。(かくいう私も「2年計画」を立てて失敗した一人です 笑)

 

本日は、この「2年計画」で医学部受験を乗り切ろうとする人が失敗する5つの理由についてご紹介致します。

医学部受験で勝てない理由1 時間感覚が甘くなるから

「2年計画」を立てる人の多くはダラダラと時間を使うもしくは勉強以外の時間を多くとっています。

そもそも、「2年計画」を立てる理由は、1年では間に合わないからのはずです。時間が全然足りないということなので、普通に考えれば、「2年計画」を立てている人は、寸暇を惜しんで勉強をするはず・・・なのですが、実際はそうでない人が多いんです。

例えば、電車の中でゲームをしたり、友達と長話をしたり、日曜日は勉強しない日と決めたり、試験が終わったら遊びに行ったり、と時間をダラダラと過ごしたり、勉強以外のことに時間を割く人が多いです。

もちろん、これらの行動をしてはいけないということではありません。時には息抜きも必要でしょう。しかし、時間が足りないからと判断した人が多くの時間を勉強以外のことに使うのは間違っていると思います。

そうなってしまうのは、あと一年以上あるからと時間に対する甘い感覚があるからだと思います。

医学部受験で勝てない理由2 締切効果が使えないから

「2年計画」によって、医学部受験で勝とうと思っている人は、せっかくのチャンスを逃しています。それは、直前期の大幅な伸びです。これは「締切効果」とも呼ばれています。締切の前には、人間は大きな力を発揮することができます。あなたにも、締切前のあのすさまじい効果を感じたことがきっとあるのではないでしょうか?

例えば、夏休みの宿題。多くの人は、学校が始まる前の日に慌てて宿題をやっていたことと思います。その経験がある人は、夏休み前半と夏休み後半では、同じ時間をかけても、こなせている量と質が全然違うことを身をもって体験していることと思います。これは、締切に間に合わせるために、必要なものを取捨選択して、大切なことに集中しているからです。このように、締切前に大きな力を発揮して大きな成果が得られることを締切効果といいます。医学部受験においても、この締切効果が発揮されます。つまり、最も伸びるのは、受験の直前期だということです。あと、数日でいよいよ本番を迎えるといったとき、自分がやるべきことを必死で考え、一心不乱に勉強するので、信じられないくらい伸びます。「2年計画」で受験を考えている人は、受験をするときが本番だと思っていないため、せっかくの伸びるチャンスを逃しているのです。

医学部受験で勝てない理由3 受験で負ける考え方を持っているから

「今年は無理だから」と考える人は、受験をドラゴンクエスト(通称ドラクエ)のようなRPGの攻略と同じように考えています。

つまり、合格するのに、必要なレベルがあると考えています。そして、そのレベルに到達するには、簡単な問題を解いて、基礎を固めて、徐々に問題レベルをあげていくことが必要だと考えています。そして、多くの問題をこなすことで、医学部受験で勝てる実力がついていくものだと信じています。

私は、この考え方を、「ドラクエ方式の戦略」と呼んでいます。ドラクエで最初は、弱いモンスター(スライムとか)を倒して、レベルをあげていき、ある一定のレベルをこえたらボスを倒せるという考え方に似ていませんか?(笑)レベル1でゾーマ(あっラスボスです)を倒すことなんて、絶対にできません。何度やってもGAME OVERです。

しかし、受験は違います。受験で到達していないといけない明確なレベルというのは存在しません。その証拠にE判定で合格する人は山程います。難関の医学部受験といえど、全ての分野が100%できる人なんていません。

では受験で勝つには、どうすればいいか?受験で勝つには、合格最低点以上が取れればいいんです。だから、全ての分野ができなくてもいいんです。行きたい大学で問われることに答えることができれば合格です。だからこそ、過去問を解く意味があります。過去問から、頻出分野を調べて、今の自分の実力と、頻出分野からどこで点をとって、どの分野は捨てるかの取捨選択が必要となります。

「2年計画」で医学部受験を考えている人は、このような受験で勝つ考え方が抜けていてドラクエ方式の勉強をしようとしています。

医学部受験で勝てない理由4 帰納的にn浪するから

これは、すごく大切なことですが、医学部受験で「2年計画」を立てる人は、多浪予備軍です。「2年計画」を立てる人は、立てた色々な理由があるとは思います。理由はどうあれ、その人たちは、自分の実力が足りないと思ったときに「次の年に見送る」という方法を取ります。少し言い方は悪いですが、逃げ道をあらかじめ用意しているのです。

だから、最後まで頑張らず、模試の結果や冬休みやセンターの出来などをきっかけに「今年は無理だ。次の年に頑張ろう」と勝負を避けてしまいます。今年は無理だから今年は諦めて次の年にまわそう。これを帰納的に繰り返し結果、2年ですまずに多浪するという結果になる可能性が非常に高いです。

医学部受験で勝てない理由5 失敗することをネガティブに捉えているから

わざわざ「2年計画」なんて言う人は、「2年計画」ということで、1年目に失敗すること(=医学部受験で不合格となること)の言い訳をしているようにも思えます。それは、自分自身を守る防衛反応であったり、周りからできない奴だと思われたくないというプライドなのかもしれません。いずれにせよ、失敗することをネガティブなものと捉えているから、「2年計画」という発想をする部分があるのではないでしょうか?もっと、失敗することをポジティブに考えることができれば、挑戦してみようという気持ちにもなるのではないでしょうか?

そういえば、先日、NHKのプロフェッショナルという番組でサッカーの本田圭佑選手が「失敗を悪いものだと思うのは日本人の悪い癖だ」と言われていました。失敗という言葉を「できなかったということがわかった成功」みたいな表現にしたらいいのにと言われていました。一言一句同じではないと思いますが、一流選手の方が言う言葉は大きな説得力があります。

じゃあ、どうすればいいの?

「2年計画」で医学部受験で挑めば失敗する可能性が高い5つの理由を紹介致しました。ここまでくれば、次に思うのは、「じゃあ、どうすればいいの??」だと思います。それは、何とか今年1年で合格する方法はないだろうか?と考えて取捨選択をすることです。

もちろん、すべてのことはできないので、予想がはずれて、思うような結果が出ないときもあるでしょう。しかし、その年に、合格しようと最後まで諦めず取り組んで、結果的にもう1年頑張ろうという人と、最初から勝負をしないで次の年に合格すればいいやと考える人では1年間の取り組みで雲泥の差が生まれます。

まとめ

医学部受験で勝つことを考えた時、あなたの今の成績がどんなものであれ、必ず1年で合格することを考えて勉強に取り組んでください。「2年計画」はかなりの確率で失敗します。

失敗する理由は次の5つです。

理由1 時間間隔が甘くなるから

理由2 締切効果が使えないから

理由3 受験で負ける考え方を持っているから

理由4 帰納的にn浪するから

理由5 失敗することをネガティブに捉えているから

 

私は、「2年計画」と現役時代を捨て、一生懸命頑張ることができず結果的に5年浪人してしまいました。5浪は、勉三さん(キテレツに出てくる6浪している人)の一歩手前です(笑)今日、ここで書いたことは自分の経験も踏まえた自戒の内容でもあります。歴史から学べと言いますが、多くの人がこの「2年計画」で失敗しているので、あなたは先人と同じ過ちを繰り返さないで何とか1年で合格するように計画を立ててください。

 

現時点で、偏差値がものすごく低ければ、その年で合格することは厳しいかもしれません。けれど、何とか合格する方法はないか考え続けてみてください。そして、今の自分にとって、合格する可能性が最も高い方法を見つけたらがむしゃらに取り組んでみてください。

それで、医学部受験で残念ながら失敗したとしても、医学部合格は近くになっていますし、何より一生モノの素晴らしい力を身につけることができています。この記事を読んで頂き、一人でも多くの方が「1年計画」で頑張って頂けることを切に願っています。

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