実録!医学部再受験生のモチベーションの高め方
勉強の効率は、モチベーションに左右されます。
今回は、上がり下がりのあるモチベーションとの上手な付き合い方をお伝えします。
モチベーションってどんなもの?
再受験生は自らの意思で勉強を始めたので、やる気がなくなるなんてことはあり得ないよ。
そのように思われるかもしれません。
しかし、いざ勉強を始めてみると、だんだんと疲れがたまってきたり、思うような成績が出ないこともあります。
すると、満ち溢れていたやる気も、次第にしぼんでいってしまいます。
人間であれば誰しも、モチベーションはその時々の状態で変動するものです。
大切なのは、常にモチベーションが高い状態を保つことは不可能だと理解したうえで、上手に付き合っていくことです。
これを踏まえて、再受験生のおかれた環境に注目してみましょう。
再受験生は独学をしていたり、予備校に通っていても他の生徒とは年齢が離れていて、周囲にライバルと呼べるような存在は少なくなりがちです。
モチベーションが下がってきたときにこのような存在がいれば、触発されてやる気が出ることもあります。
ところが、再受験生では外部からの刺激に頼ることができないのです。
そこで、わたしが紹介するモチベーションの高め方は、一人でも実践できるものとなっています。
あなたも勉強が思うように進まなくなってきたときには、以下のやり方を試してみてください!
再受験をスタートする前に感じる不安
そもそもの話になりますが、再受験に踏み切る際には、多くの不安があります。
実際に勉強を始める前には、様々なことが頭をよぎり、なかなか再受験に踏み切れないのが普通です。
年齢的なハンデ、現在の環境を捨てる不安、失敗した場合のリスク。
この類の不安は、「大丈夫かな…」と頭で考えても、あなたの中で膨張していくだけです。
ここでは一度に大きくモチベーションを上昇させて、不安を忘れるほどの勢いで勉強をし始めましょう。
もちろん再受験に踏み切った後に後悔しても取り返しはつかないので、勢いだけではいけません。
必ず考えなければならないのが、
・本当に自分は医師になりたいのか?なぜそう思うのか?
・具体的な医学部合格への道筋
の2点です。
医師になりたい動機は、何も他人が納得したり賞賛するようなものでなくて構いません。
しかし自分には嘘をついてはいけません。
これから始まる厳しい再受験生活を乗り越えてでも手に入れたい結果なのか?
それだけの熱意を持ち合わせているか?
今の環境を捨て去る前に、自身としっかり向かい合ってください。
医学部合格への道筋は、できる限り具体的なイメージを持てるようにしてください。
そのためには、医学部受験に関する知識が不可欠となります。
一番良い情報の集め方は、大手や医学部専門の予備校に相談に行くことです。
相談だけであれば、ほとんどの場合は無料です。
この時に、先方はどうしてもあなたのことを知らないため、一般的な受験生を基準に話をしていることを忘れないでください。
わたしも5月に某大手予備校に相談に行き、同年度の受験で合格したいと伝えましたが、それは無理だとはっきり言われました。
実際は、6月に仕事を辞め、それから8カ月の勉強期間で合格しています。
要は、予備校での相談で一般的な受験生の話や受験科目・レベル等の情報を集めること。
これにあなたの現役の頃の成績・出身大学等を加味して、一般論にとらわれずに合格への道筋を立てればよいのです。
ちなみに、いくつかの予備校で相談することもおすすめです。大手予備校では、無理だときっぱり言われましたが、石戸先生に相談すると、私に合わせた勉強法を考えてくださり、8か月でも合格できる可能性は十分にあると言われました。これが私の自信になったのは言うまでもありません。
このように、人によって考え方やアドバイスは異なるので、いくつかの予備校で相談することをおすすめします。
また、再受験に踏み切る前にセンター試験や二次試験の過去問を解いて、現状を把握しておけば、さらに具体的なイメージを持つことができるでしょう。
以上をやってもまだ心の中に言い訳が浮かぶようであれば、まだ再受験に踏み切るタイミングではありません。
きっぱりと一度、あきらめることを勧めます。
反対に再受験に臨む勇気が湧いてきたら、あとは勢いそのままにがむしゃらに勉強を続けるのみです。
いざ勉強を始めたら
さて、再受験に踏み切り勉強を始めたら、ここからが本番です。
・モチベーションが下がらないようにする。
・どうしてもうまくいかないときに、うまく切り替える。
勉強だけに集中したいところですが、こういったことを意識することで、勉強の効率化にもつながります。
具体的な方法としてオススメなのが、次の3つです。
・成果の見える化をする
・適度な休みを取る
・周囲の人との関りを保つ
成果の見える化
まず「成果の見える化」は、
・短いスパンの具体的な計画を書き出す
・勉強の成果を表にまとめる
といったことを行います。
わたしが実践したのは、前者に関しては、年明けからセンター試験当日までのカレンダー(2週間程度)を作成し、一日一日どの問題集を解くかをまとめることです。
後者に関しては、センター試験が終わってから二次試験までの間に解いた、大学の二次試験の一覧(年度・大学名・科目)を表にしました。
成果の見える化とは、後で見返した時、自分がどれだけ勉強したか目で見て分かる点です。
少し自己満足的な部分もありますが、最後にメンタル的な支えになるのは、「自分はここまでやりきった!」という自信であることは間違いありません。
こうして自分自身を褒めてあげることができるようになれば、前にも増して踏ん張りがきくようになります。
休みは大事!
休みの重要性については、あなたもどこかで耳にしたことがあるかもしれません。
実のない勉強を10時間続けるよりも、内容の濃い時間を3時間過ごした方が効果的です。
そして何より、時間を無為に過ごしたあとには、自己否定感が生まれやすくなります。
この自己否定につながる行動を避けることが、心身のバランスを整えるうえで重要です。
それでは休むと言っても、一日中ベッドでマンガを読んでいればよいのでしょうか。
きっとそれでは、「他の浪人生はきっと今日も勉強していたんだろうな…」という自己嫌悪が生まれてしまいますね。
ここで休みの日にも、一工夫取り入れましょう。
どういうことかというと、「継続性を保ちつつ、休みを取る」ことです。
例えば、どうしてもモチベーションがあがらず、休みを取る必要を感じたとします。
その時に、丸一日何もしないのではなく、一つでも合格へつながる行動をとって下さい。
これは本当に些細なことで良いです。
願書や大学案内を取り寄せる。本屋に参考書を買いに行く。
一見、何の効果もないように思えますが、やるかやらないかで大きな違いが生まれます。
反対にせっかく継続して勉強していたとしても、一度その流れを断ち切ってしまうと、再び動き始めるには、余分なエネルギーが必要になります。
この意味で睡眠時間を削って勉強するのは最悪の選択と言えるでしょう。
回復・リセットの機能が働かないばかりか、翌日の勉強に支障をきたし、自己否定につながるリスクまでもあります。
とにかく長い再受験生活においては、「継続性」を重視してください。
本当にありがたい周囲の人の支え
最後のモチベーション維持の方法は、周囲の人の期待を程よいプレッシャーに変えることです。
再受験の選択は、多くの人にとっては人生における大きな決断です。
それを見ている周囲の人は、あなたが本気であれば必ず応援をしてくれます。
応援してくれる人を裏切ることはできない、この気持ちをあなたの原動力にしましょう。
わたしは幸運なことに医師の知り合いがいたので、SNS上で彼らとやり取りをすることでモチベーションを維持していました。
日常生活においては予備校に箱詰め状態でしたが、講師の方と雑談をして勉強の進捗状況を報告したり、叱咤激励の言葉をもらっていました。
もちろん医師の知り合いが必ずいるわけではないので、応援してくれる友人と連絡を取り、落ちたら申し訳ないと自分にプレッシャーをかけたりするのも一つの方法です。
いうまでもないことですが、周りに甘えて辛いときにストレスのはけ口にしたり、弱音を吐いていれば、応援してくれていた人も離れていきます。
初心を思い出させてくれる周囲の人は、本当にありがたい存在であることを忘れないでください。
がむしゃらに勉強することの重要性
再受験生に限らず、医学部合格のためにはがむしゃらに勉強をしなければなりません。
すると成績が上がるだけでなく、良い意味で「開き直る」こともできます。
実は、この「開き直り」が短期合格を目指す再受験生にとって大事な心構えです。
これまで、モチベーションを保って勉強をすることは重要であると述べてきましたが、最後まで全力で勉強すれば、「ここまでやってダメだったら、こんな短期間での合格を目指すのは最初から無理だったんだ。」と開き直れます。
ある意味で最強の心理状態です。
この領域に達することができれば、試験本番でも無駄な緊張をすることはないでしょう。
医学部受験は厳しい世界です。
3浪、4浪がざらにいます。
その中で短期間の合格を目指すのは、一般的には困難です。
それを承知で厳しい世界に飛び込んだのはあなたです。
開き直って試験に挑めるほど、「やれることはすべてやった!」と胸を張れるほど、全力投球を続けてください。
必ず合格できますと無責任なことは申し上げられませんが、再受験の経験はこの先、どんな道を選んでもあなたの支えとなることでしょう。
まとめ
モチベーションとの上手な付き合い方をまとめると、
- 再受験に踏み切るまで
医師に本当になりたいか、なぜそう思うか、を自問自答する
- 勉強開始後
・成果の見える化をする
・適度に休む
・人との関りを保ち自分にプレッシャーを与える
→試験本番で「開き直る」ことができるまで、勉強を全力で続ける
となります。
記事をお読みいただければお分かりいただけたと思いますが、モチベーションは決して精神論だけではありません。
意識して行動することで、気持ちにも変化を起こすことができます。
モチベーションと行動は表裏一体といってもよいでしょう。
モチベーションをコントロールするのではなく、上手に付き合うことを心掛けてください。
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