国公立大学医学部・国語の配点が低いランキング（2022年度版）

国語が苦手な人にお勧めな医学部

医学部進学会代表で現役医師の石戸です。
本日もあなたに価値ある医学部受験情報をお届けしていきます。

本日のテーマは「国公立大学医学部の国語の配点ランキング（2022年度版）」
というテーマで、全国の国公立大学医学部の配点で国語の配点が低い順に
ランキングを発表していきます。

国語の配点が最も低い大学は配点が4.2％、最も配点が高い大学は19.0％となっています。
各大学の配点についてランキング形式でお届けしていきますので、ぜひご覧頂き、
あなたの志望校決定の材料としてお役立て頂ければ嬉しいです(^^)

ちなみに、本記事の内容を動画（You Tube）でもお伝えしています。
動画の方で観たい方はぜひ下のリンクからご覧ください！

そもそも国公立大学医学部の配点ってどうなっているの？

ランキング発表の前に、まずは国公立大学医学部の配点についてどうなっているか説明していきましょう。

ご存知の方も多いと思いますが、国公立大学医学部では、
共通テストと個別試験（二次試験）の合計点で得点が高い人から合格が決まります。

そして、共通テストと個別試験の配点は大学ごとに大きく違います。

共通テストは一般的には、
英語200点、数学200点、理科200点、国語200点、社会100点の計900点満点ですが、

実は配点は大学ごとに自由に変更することができます。

具体的な例を上げましょう。

例えば岡山大学では、共通テストの配点は、
英語100点、数学100点、理科100点、国語100点、社会100点の計500点満点

となります。

このように、大学ごとに共通テストの配点を変更することが可能です。

そして、共通テストの配点だけでなく、
個別試験（二次試験）も配点は大学ごとによって違います。

先ほど例にあげた岡山大学では、

英語400点、数学400点、理科300点の計1100点が
個別試験（二次試験）の配点となります。

一方、香川大学では、
個別試験（二次試験）の配点は、
英語200点、数学200点、理科200点の計600点となります。

このように、国公立大学医学部の入試では、大学によって、
配点が大きく異なるため、「点数」に着目するよりも、次の２つの観点が重要となります。

１．共通テスト重視型か？個別試験（二次試験）重視型か？

２．大学が重視している科目は何か？

共通テストを重視している大学では共通テスト対策が必要となります。一方、個別試験（二次試験）を重視している大学では、共通テスト対策だけでなく、難しい問題にも対応できる応用力をつける対策が必要となります。

また、大学が重視している科目についての観点も重要となります。例えば社会の配点でみると、島根大学では、全体に占める社会の割合は8.6％ですが、新潟大学では2.6％です。
このように、大学によって科目の重要度が大きく違うので志望する大学がどの科目を重視しているかという観点は重要です。

いかがでしょうか？
国公立大学医学部合格を考える上では、

★　共通テスト重視型か？個別試験（二次試験）重視型か？
★　大学が重視している科目は何か？

という２つの観点が重要であることがご理解いただけたでしょうか？

今回の記事では、上記の２つの観点の中の２つ目「大学が重視している科目」について。「国語を重視している大学はどこの大学か？」というテーマで記事を書いていきます。
読者の方は、きっと『国語の配点が低い大学はどこか？』と気にされている方が多いと思うので、ランキングでは、国語の配点が低い順番にランキングを発表していきます

全国・国公立48大学の国語の配点ランキング

それでは、国公立大学医学部の前期試験における国語の配点ランキングを見ていきましょう。

今回前期試験のみで比較しているため、後期試験だけの山梨大学は除いています。
前期試験が実施される全49大学の国公立大学医学部の社会の配点ランキングを見ていきましょう。

順位	大学名	国語の配点比率
１位	東北大学	4.2％
2位	大阪大学	5.0％
3位	新潟大学	5.1％
4位	奈良県立医科大学	5.6%
5位	岡山大学	6.3%
6位	金沢大学	6.7%
7位	大阪公立大学、千葉大学	6.9%
9位	名古屋市立大学	7.1%
10位	東京医科歯科大学広島大学	7.4％
12位	三重大学、和歌山県立医科大学	7.7%
14位	長崎大学	8.0%
15位	横浜市立大学、熊本大学	8.3%
17位	九州大学、浜松医科大学愛媛大学、筑波大学	8.7％
21位	岐阜大学、信州大学京都府立医科大学	9.5％
24位	北海道大学	9.7%
25位	神戸大学	9.9%
26位	大分大学	10.0%
27位	秋田大学、高知大学	10.5%
29位	札幌医科大学	10.7%
30位	鹿児島大学	11.0%
31位	旭川医科大学、群馬大学	11.1%
33位	福島県立医科大学、徳島大学	11.5%
35位	琉球大学	11.8%
36位	富山大学、福井大学、鳥取大学	12.5%
39位	弘前大学、山口大学、宮崎大学	13.3%
42位	名古屋大学	13.7%
43位	香川大学	14.3%
44位	佐賀大学	15.1%
45位	京都大学	16.0%
46位	滋賀医科大学	16.7%
47位	島根大学	17.2%
48位	山形大学	18.8%
49位	東京大学	19.0%

こんなにも違う！１位と最下位での大学の国語の配点の違い

いかがでしょうか？
国語の配点割合が最も高い大学（19.0％）と最も低い大学（4.2％）では、
実に14.8％も違います！
このことからも、大学によって配点比率が大きく違うということがわかって頂けると思います。

最後に、１位と49位の大学の配点の違いを具体的に見ていきましょう。

国語の配点が最も低い大学は、東北大学で4.2％でした。東北大学の配点比率は、

共通テスト250点：個別試験（二次試験）950点です。
共通テストの配点は英語50点、数学50点、理科50点、国語50点、社会50点。個別試験（二次試験）は英語250点、数学250₁、理科250点、面接200点となっています。

一方、国語の配点が最も高い大学は、東京大学でした。

東京大学の配点は、共通テスト110点：個別試験（二次試験）440点です。
共通テストの配点は英語24.4点、数学24.4点、理科24.4点、国語24.4点、社会12.2点。
個別試験（二次試験）は英語120点、数学120点、理科120点、国語80点となっています。
東京大学は、個別試験（二次試験）で国語が課されるので、国語の配点比率が高くなっていますね。

国語が苦手な人は結局どこを受ければ良い？

国語の配点が最も低い大学は東北大学、その次に低い大学は大阪大学でした。
しかし、「よし！私は国語が苦手だから東北大学を受けよう」「僕は国語が苦手だから阪大を目指そう」とは思わないでしょう（笑）

現実的な志望校として、国語が苦手な方には

①　共通テストが得意な方は奈良県立医科大学（国語の配点比率5.6％）
②　個別試験（二次試験）が得意な方は新潟大学（国語の配点比率5.1％）

をお勧めします。

奈良県立医科大学は共通テストの配点と個別試験（二次試験）の配点が同じ大学です。
国語は東大・京大・名古屋大学・山形大学を除けば共通テストのみで課されます。そのため、「国語の配点が低い大学」となると、「二次試験の配点が高い大学」となることが多いです。その中で、奈良県立医科大学は、二次試験の配点と共通テストの配点が同じで国語の配点割合が低いためお勧めです。

奈良県立医科大学の具体的な配点は、
共通テストは英語100点、数学100点、理科150点、国語50点、社会50点の計450点です。
個別試験（二次試験）は英語150点、数学150点、理科１科目150点の計450点です。

奈良県立医科大学は、理科が個別試験（二次試験）で１科目だけとなるので、
二次試験対策まで間に合っていないという人でも、
科目負担が減るため、国語が苦手な人にとっては、かなり戦いやすい医学部と言えるでしょう。

ちなみに、共通テスト＞個別試験（二次試験）となる大学で国語の配点が最も低いのは、
秋田大学で全体の中では27位です（共通テスト：二次試験＝550：400）

一方、新潟大学は全49大学の中で社会の配点比率は3位。

具体的な配点は、
共通テストは英語200点、数学200点、理科200点、国語100点、社会50点の計750点です。
個別試験（二次試験）は英語400点、数学400点、理科の計1200点です。

新潟大学は共通テストで国語と社会が半分に圧縮されます。
したがって、文系科目（国語・社会）が苦手な方には新潟大学がお勧めです。