あなたは大丈夫!?テストでケアレスミス・凡ミスをする人の3つの特徴
「ここ違ってませんか?」
塾で授業をしていていると、生徒さんの間違いに気づき指摘することがあります。
そう言うと、生徒さんは、
「あっミスった!」と言ってばつの悪そうな顔をしたり、
「ケアレスミスしてました」とテヘペロ感を出したりします。
ミスをすることは誰でもありますが、ケアレスミス・凡ミスをすることが多い人には、ある特徴があります。本日は、ミスが多い子の3つの特徴をご紹介致します。逆に言えば、この3つの特徴を解消していけば、ケアレスミスや凡ミスをすることは間違いありません。では、さっそくいきましょう。
ケアレスミス・凡ミスが多い人の3つの特徴とは?
結論から申し上げると、ケアレスミス・凡ミスをする子は、次の3つの特徴があります。
特徴1)ミスすることを気楽に考えている
特徴2)ミスをした後で、次同じミスをしないための行動を考えていない
特徴3)自分が何をよく間違えるのか分析できていない
上記3つが全て当てはまる人もいますが、1つしか当てはまらない人もいると思います。しかし、ミスが多い子で上記の3つの特徴が全て当てはまらない人には、まだお会いしたことがありません。
では、それぞれについて具体的に見ていきましょう。
ミスをする人の特徴1)ミスをすることを気楽に考えている
ミスが多い子は、ミスしたときに、
「ちぇっ、本当はできていたのになぁ。」と
できていないという認識ではなく、できていたという認識をもつことが多いです。
また、一時的な残念な感情はあっても、後悔の念を抱く人はかなり少ないです。それは、ミスをすることを気楽に考えているからに他なりません。
ミスをすることの意味を考えれば、ミスをすることに対して気楽でいることなんて、とてもできないんです。
医学部受験において、ミスは致命的です
医学部受験で勝つためには、高得点を取ることが求められます。例えば平成27年度の岡山大学医学部の入試では81.6%が合格最低点です。このように、8割以上を取ること、大学にもよりますが、最低でも7割以上取ることが求められているのが医学部受験です。
ただし、ご安心ください。高得点を取ることが求められますが、難しい問題・奇をてらった問題は出題されません。標準問題で高得点を取ることが求められているのが医学部受験です。
※ このあたりの具体的な内容は、過去記事「医学部は東大より難しい!?医学部数学と東大数学の違いから考察してみた」を御覧ください。
8割以上が求められている試験で、「わかっていた」ところで失点をするのは、致命的です。だから、ミスというのは、死亡につながる怖いものです。そして、ミスが原因で命を落とすことになったら悔やんでも悔やみきれません。
医学部受験という合戦の場を想像してみましょう
私(石戸)は、よく、ミスをすることの重大さをわかってもらうために、こんな例えをすることがあります。
医学部受験に限らず、受験とは合戦です。そして、最終的に生き残った者が、勝利者(合格者)となります。それぞれがそれぞれの思惑の元、一同に受験日に集まります。
・軍略を練って鍛錬してきたもの(←戦略+努力型)
・根性論で鍛錬に励んだ者(←努力型)
・鎧だけ超一流で刀は棍棒で戦いに挑むもの(←科目バランスが悪い人)
etc
色々な人がいる中で、あなたも合戦に参加しています。
もちろん、合戦なのですから、敗れることもあるでしょう。合戦で敗れることは、すなわち死を意味します。
しかし、もし、あなたが鍛錬に励んで、限界まで自分を高めて、それでもなお、戦いに敗れたのであれば、敗れても本望ではないでしょうか?
あなた「ワシの剣を見抜くとはお主なかなかの手練。死ぬ前にせめて名を聞かせてくれ」
敵「拙者か?拙者は姓は岡山、名は大学と申す」
あなた「フフフ、お主のような剣豪がいるとは世も広いものじゃ。岡山と言ったかの。名を覚えておこう。そして、生まれ変わったら次は、次こそは、必ずお主を打ち取りたいものじゃの・・・(絶命)」
(→そして転生(浪人) 笑)
このように、精一杯やった末、敗れたのであれば、納得がいくと思います。しかし、もしミスにより敗れたのであれば、敗れて納得できるでしょうか?
敵「いざ、尋常に勝負!」
あなた「勝負!!!ん?あれ??ちょっ、ちょっと待った!」
敵「どうした?」
あなた「ワシの刀が見つからん。」
敵「戦いの場で情けは無用。御免!」
あなた「ぬぬぬ。本来ならば勝てていたのに。ワシの実力であれば勝てていたのに・・・(絶命)」
こうやって死んでいく人生ってどうでしょうか?
笑い話のように聞こえるかも知れませんが、これって本当に重要なことです。5年浪人した私(石戸)が言うのもなんですが、もし、浪人をしたら1年間無駄にすることになります。実力が足りずに、浪人したとしたら、もしくは、諦めて他学部に行くことになったとしたら、それは本望ではないでしょうか?
しかし、そうではなく、本当は合格できる実力があったのに、ミスによって不合格になった場合どうでしょう?そのミスは、あなたの一生を左右することになります。そう考えたら、ミスをすることって本当に怖くないでしょうか?あなたの不注意によって、人生が変わってしまうほどの行為がミスなんです。
ミスをする人の特徴2)ミスをした後で、次同じミスをしないための行動を考えていない
ケアレスミスをすること、凡ミスをすることが最悪なことだと思って頂くことができたら、次は「どうやったらミスを減らすことができるだろう?」と自発的に考えるようになると思います。
どんな人でもミスをするわけですから、ケアレスミスをしてしまうこと、凡ミスをしてしまうこと自体は悪いことではありません。大切なのは、そのミスを「どうやったら次回防げるようになるのか?」と考えることです。
例えばですが、
・時間配分をミスして、時間が足りなかった
→試験時間ギリギリで解く想定で準備をするのではなく、試験の10分前に終わるようにして見直しの時間を取る。
・物理で糸の力がFで与えられていたのに、解答でTを使って答えてしまった。それによって、失点した場合
→ 次回からは、問題文に出てくる文字に◯をつける。
・数学の(1)で計算ミスをして、(2)、(3)と失点した
→ 次の小問に影響を及ぼす問題では、(1)を見直ししてから、先に進む
・数学の部分積分を間違えた
→ 不定積分で求めて、微分して元の関数になるか確認してから先に進む
このように、起きたミスに対して、同じミスをしないように、次回の行動を立てていくと、ミスがどんどん減っていきます。
ちなみに、このミスを減らす習慣は、大人になってからも使える良い方法です。例えば、医療の現場でも、同じことが行われています。現場で、医療ミスが起きること、起きそうなことがあり、その場合、報告書に記載してミスを報告する場で報告します。その場では、ミスを報告するだけでは終わりません。次回同じようなミスが起こらないために、どのようなアクションを取るか皆で考えます。
このことからも、ミスが起きてしまうことは誰にでもあるので、それ自体は仕方がない。そのミスが次回起きないように行動を考えることの大切さが伺えることでしょう。
ミスをする人の特徴3)自分が何をよく間違えるのか分析できていない
突然ですが、「あなたは、どんなことでミスをすることが多いですか?」
この質問に答えることができるでしょうか?
ミスが少ない子は、この問に答えることができる子が多いです。意外に思うかも知れませんが、ミスをするところって同じところが多いです。例えば、「不等式でマイナスをかけるときに、符号が逆転する」というのを忘れる人は、時間が経てば同じミスを犯します。
同じミスを犯すということは、、、自分が犯すミスをより具体的に分析し、自分がどんなミスを犯しやすいか?を把握しておけばミスを防ぐことができます。例えば、一言で「計算ミス」でも、それがどんなミスかをより具体的に答えることができるようにしましょう。筆算を間違えるのか?掛け算をした時に符号を間違えるのか?文字の書き間違い・写し間違いをするのか?等、人によって様々ですが、一人の人間が犯すミスは同じミスであることが多いのでより具体的なミスに落とし込むことができればできるほど、そのミスを防ぐことができます。
また、自分がどんなミスをするのかが、分析できていれば、それを防ぐために練習をすることもできます。例えば、計算ミスで、掛け算の符号を間違えるというのは、確かにミスではありますが、練習不足により間違えるということもあります。そのミスが減らないようであれば、トレーニングをすることができるので、自分が犯すミスを分析しておくことはとても重要です。
ちなみに、こういう時に威力を発揮するのが1対1指導です。「また同じ間違いをしているよ」と指摘してもらうことができたり、時間をおいて同じ間違いをしていないか確認してもらうことができるので、本人が意識しなくてもミスをなくすことができるからです。
ミスをなくす第一歩は?
ここまで読んで頂いた方は、もうお気づきだと思いますが、ミスをする子の3つの特徴のうち、何が最も致命的で改善が必要かというと、一番最初の「ミスをすることを気楽に考えている」です。
ミスをすることが致命的で恐ろしいもの。やってはいけないものだという認識ができなければ、特徴の2つ目、3つ目は改善されません。
「ケアレスミス・凡ミスをしてはいけない。」「ケアレスミス・凡ミスをなくしていきたい」と思うからこそ、次回同じミスを犯さない具体的な方法を考えたり、自分のミスを分析しようと思うからです。
ですから、もし、このブログをご覧頂いている方が、親御さんであれば(親御さんからも読まれているという声をよく頂きます。ありがとうございます!)、お子さんに2つ目、3つ目の特徴についてアドバイスをするのではなく、1つ目の「ミスをすることは恐ろしいこと」だということを手を変え、品を変え伝えてあげることをお勧めします。
決して、「なんであなたはミスばかりするの」と責めてはいけません。「仕方ないじゃん。本当はできてたし」と思うだけですから。また、決して、「ミスだから仕方ないね。本当はできていたのに惜しいね」と慰めてもいけません。ミスを気楽に考えるようになってしまいますから。そうではなく、ミスをすることがどんな意味を持つか?ということをわかりやすくお伝えしてはいかがでしょうか?
例えば、こんな感じ(↓)はどうでしょう?
「えー。佑典くん、今回ミスしたんだ」
「うん。本当はできていたのに、ミスしただけだよ」
「そうなんだ。ミスしただけだったんだ。けど、佑典くんは、将来お医者さんになりたいんだよね?」
「うん。そうだよ。ボク石戸先生のような、立派なお医者さんになりたいんだ」
「佑典くんなら、優しい手も器用だから良いお医者さんになれるよ。色々な人を治してあげると思うんだけど、例えば、手術をして、ミスをして患者さんが死んでしまったらどうだろう?本当なら、できてたのに、ミスをしただけだよ、って患者さんの家族に言える?」
「・・・」
「一生懸命佑典くんが治療して、助からなかったら、精一杯つくしたけど、助けることができませんでした。って謝れば、患者さんの家族も納得してくれると思うけど、本当なら助けることができたけど、ミスをしただけだからって言って納得してくれるかな?」
「・・・」
「良いお医者さんになってもらうためにも、お母さんは佑典くんにミスだからって、ミスを軽く考える大人にはなってほしくないな」
このような感じで、ミスをすることがどれだけ大変なことか。致命的であるかをお伝えして、ミスをしてはいけないと強く思うようになることがミスをなくすための第一歩になると思います。
本記事によって、定期テスト・模試で、ケアレスミス・凡ミスが減り、実力を出し切れるようになることを祈っております!!
まとめ
本日は、定期テスト・模試などでケアレスミス・凡ミスをする人の3つの特徴をお伝えいたしました。ミスをする人の特徴は次の3つです。
特徴1)ミスすることを気楽に考えている
特徴2)ミスをした後で、次同じミスをしないための行動を考えていない
特徴3)自分が何をよく間違えるのか分析できていない
逆にいえば、この3つの特徴の逆をいけば、ミスが減ります。
対策1)ミスをすることが致命的で恐ろしいことだと考える
対策2)同じミスをしないための工夫を考える
対策3)自分が何をよく間違えるか分析する
これができれば、ミスがどんどん減っていくことでしょう。対策2、3については、1対1指導によってプロの力を借りて行うこともできますが、対策1については、本人の考え次第なので、本人しか治せません。ですから、ケアレスミス・凡ミスを犯してしまう人は、まず第一にミスをすることが入試の合否を、自分の一生を左右する恐ろしいことだと捉えるようにしましょう。
そこが、ミスを減らす第一歩になります。上記のように捉えることができれば、ミスが減るようになると言っても過言ではないと言えるくらい重要なことですので、ぜひ、ミスをするたびに「なんて日だ!」とショックを受けて対策2、3をとってください。
医学部受験本番でノーミスで勝利を手にすることを祈っております!!
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