辛い浪人生活を終わらせる医学部志望の多浪生専用の勉強法
「浪人すればするほど成績が上がりにくくなるから長く浪人しない方がいい」と言われます。長く浪人することを「多浪する」と言われますが、実際、多浪生は、成績が伸び悩む方が多いです。では、なぜ、浪人を重ねると成績が伸びにくくなるのでしょうか?本日は、私(石戸)自身の5年の浪人経験と、今まで3浪生、4浪生、5浪生の多浪生を指導し、合格させた経験から、多浪生が伸び悩む原因を解明するとともに、どのように勉強すれば多浪生の成績が上がり医学部受験で勝て辛い浪人生活に終止符を打てるのか解決法をお伝えします。多浪生の方は、成績を上げるヒントとして、高校生の方は、多浪しないための教訓として、記事をご覧頂ければと思います。注) 本記事では、多浪生の定義を「2浪以上されている方」としています。
多浪生の成績が伸び悩む2つの理由
多浪生の成績が伸び悩む理由は、結論から申し上げると、大きく分けて2つあります。
1つ目)勉強時間が少なくなったから
2つ目)勉強法の効率が悪いから
です。
実は、多浪生の成績が伸びない一番の理由は、1つ目の「勉強時間が少なくなったから」であったりします。
現役の頃と1浪目の頃に一生懸命やってきて、「慣れ」や「疲れ」が出てきて、勉強時間が下がる人が結構多いです。新鮮味がないので、惰性で勉強していく形になる人が多いです。
一方で、時に、勉強時間はかなり取っているのに、伸び悩む人がいます。この場合は、2つ目の理由「勉強法の効率が悪いから」という理由が当てはまります。
勉強法の効率が悪いとは具体的にどういうこと?
では、「勉強法の効率が悪い」というのは、どういうことなのでしょうか?もっと具体的に考えていきましょう。
結論から申し上げると、多浪生が陥る効率の悪い勉強法というのは、「現役のとき、一浪のときと同じ勉強法」です。つまり、自分の勉強スタイルにこだわって、効果が薄い勉強法を続けているから伸び悩んでいます。
誤解をしてほしくないのが、「効果が薄い」と申し上げましたが、その勉強法が間違っていたという意味ではありません。そうではなく、最適な勉強法というのは、その人のステージによって異なります。したがって、あるステージでは、必要だった勉強法でも、次のステージでは必要ではなくなったりします。
例えば、小学生・中学生の頃は、計算ドリルをやられたことと思います。何度も何度も計算を行うこと。それ自体は、算数・数学ができるための必須スキルであるため、間違いではありません。しかし、計算が一番速くなれば、医学部受験で合格できるか?というとそうではないですよね?もちろん、計算が速くできることは医学部受験だけでなく、どの入試においても有利ですが、他にやるべきことはあります。
ところが、昔、計算ドリルをして、点数が良かったから、ずっと計算ドリルをすることにこだわって勉強する。例えていえば、このような人がいます。計算ドリルをすること自体は、間違えた勉強法ではありませんが、それにこだわっていつまでも続けるのは、効果が薄いですよね。その意味で、「自分の勉強スタイルにこだわって、効果が薄い勉強法を続けていること」が勉強しているのに、成績が伸びない多浪生の原因となります。
知っておきたい多浪生の勝ちパターン
これまで多浪生が伸び悩む2つの理由について説明致しました。つまり、伸び悩む多浪生が成績を上げるコツは、次の2つに集約されます。
1つ目)勉強時間を増やすこと
2つ目)自分のスタイルにこだわらず、ステージごとに合った勉強法を実践すること
では、具体的に2浪目以上の多浪生がやるべき勉強法というのは何をやればいいのでしょうか?具体的な内容に入る前に、まず、多浪生が医学部受験で勝つための、勝ちパターンを知って頂きたく思います。勝ちパターンを知った上で勉強法を聞かれたら、きっと「なるほど!」と腑に落ちて頂けることでしょう。
実は、現役生や1浪生とくらべて、2浪以上で合格する人には同じパターンがあります。
その勝ちパターンとは、、、
「先行逃げ切り戦略」
です。
先行逃げ切り勝ちを狙おう
今まで、散々、多浪生の成績が伸びにくい理由について述べていきました。
中にはただでさえ浪人が辛いのに、このままではダメなのか・・・と、悲観された方もいることと思います。
しかし、大丈夫です。多浪生には、現役生・1浪生がもっていないものがあります。
それは、「既に全て学習している」ということです。
2浪以上の人であれば、現役時代、学習がまわらなかった理科も、予備校で1年間勉強に集中することで、全てを学習していて、「知らない」分野はもうないはずです。
「全て学習していること」のアドバンテージを活かし、勉強すること、これが、多浪生が伸びる勉強法です。
そして、これは、多浪生にしかできない、勉強法です。
多浪生(2浪以上の人)にお勧めの勉強法
お待たせ致しました!
多浪生が先行逃げ切りを行うための多浪生にしかできない勉強法を具体的にお伝えしましょう。
具体的にやるべきことは、次の2つです。
普段の授業に加えて、
・模試に向けての学習
・入試問題の演習
の2つを普段の勉強の中に取り入れることです。
模試に向けての学習について
どんな模試でも必ず、範囲があります。夏までの模試では、高校の授業進度の関係もあり、全範囲が模試の範囲になることはありません。
だからこそ、出題される分野を調べて、模試で点が取れるように、対策を行います。
おそらく今まで模試の範囲を調べて対策するということはしてこなかった方が大半でしょう。しかし、模試に向けて対策を行うことは次の2つのメリットがあります。
1つ目)モチベーションがあがる
対策を行って結果が良ければ、テンションが上って勉強を頑張るモチベーションアップの材料になります。
2つ目)今後の勉強の指針になる
もし、結果が悪ければ、以降、絶対に成績は下がっていきます。なぜなら、後半になれば現役生の成績が伸びていくからです。この場合、あなたは、既に習った分野を対策していますが、現役生はまだ未履修の範囲があり、学校の授業をこなしながら、未対策で模試を受けています。こんな状況下で対策したあなたが、成果を出せていない場合、今後現役生に勝てるわけがありません。早急に、今後どのように勉強していくか考える必要があります。
つまり、模試の結果を見て、逃げ切れる位置にいたら、そのまま勉強を続ければいいし、既に出遅れているのであれば、どうやって補うかを考えていくことができる。どちらにせよ、今後の勉強の指針になるので、必ず模試の対策を日々の勉強の中に取り入れてください。
入試問題を解くことをお勧めする理由
そして、もう1つ必ずやっていただきたいのが、入試問題を解く日をつくることです。
全て習っているわけですから、もうあなたは時間をはかって解くことができるハズです。
入試問題を解くことで、あなた次の3つのメリットが得られます。
1つ目は、
合格ラインと比べて、今どの位置にいるかがわかること
2つ目は、
習った内容を忘れるのを防ぐこと
3つ目は、
実践力が身につくこと
です。
1つ目については言うまでもないでしょう。
特に、志望校の入試問題を解けば、今の位置、到達点がリアルにわかります。
2つ目の「習った内容を忘れるのを防ぐこと」について、補足しておきましょう。
予備校によっては、理科を前期と後期に分けていて、9月以降に学習する分野もあります。
(例えば、化学では高分子化合物は冬に習うところが多いです)
そうすると、長い間触れないので、忘れてしまいます。だからこそ、一通りならったあなたには、入試問題を解いて、大事な内容を忘れないようにして頂きたいと思います。
3つ目の「実践力」というのは、
「時間を踏まえて考える力」と「捨てる力」がつきます。
また、たくさん量をこなしていけば、入試で問われる頻度についてもわかります。
以上の理由から、今の時期から、
入試問題を解くことを日々の演習に入れて頂きたいと思います。
こうすることで、逃げ切れる力がつき、辛い浪人生活に終止符を打てるので、ぜひ意識して取り入れてみてください。健闘を祈っております!!
まとめ
2浪以上の多浪生の成績が伸び悩む理由は次の2つです。
1つ目)勉強時間が少なくなること
2つ目)効果が薄い勉強法を続けていること
です。
勉強時間が少なくなっている人は、もっと勉強できる時間が取れないかを貪欲に考えて、勉強時間を増やしていきましょう。逆にある程度の勉強時間を確保している人は、多浪生の勝ちパターンを知った上で多浪生用の勉強法を取り入れていきましょう。
多浪生の勝ちパターンとは、「先行逃げ切り」です。
現役生・1浪生にはなく、多浪生だけが持っているメリットは、既に全分野について「知っている」ということです。そのアドバンテージを活かし、「逃げ切ること」を考えて勉強していきましょう。
具体的に「逃げ切る」ための勉強法は次の2つです。
・模試の対策を行うこと
・入試問題を解くこと
模試の対策を行うことにより、
・モチベーションが上がり、勉強時間を増やすことができる
・自分の今後の勉強法を考える指標になる
のでお勧めです。
また、入試問題を解くことによって
・自分の立ち位置がわかる
・既に習った内容を忘れないようにできる
・「時間を踏まえて考える力」と「捨てる力」が身につく
のでお勧めです。
まずは、次の模試に向けて範囲をチェックして対策を行いましょう。今年こそは医学部受験の勝者となることを祈っております。
追伸
ちなみに、多浪生の勉強法と書きましたが、あくまでも一通り習っていて全ての分野の基礎事項は把握していることが前提の勉強法です。多浪していても、この問題が出れば「THE END」という分野がある場合は、まず、その分野を潰すことから始めましょう。
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