【医学部受験生必見!】センター試験物理で 90点以上を取るための勉強法
医学部受験ではセンター試験で、理科2科目が課されます。
その中で、今回は、選択者が化学の次に多い物理の傾向と対策について紹介します。
センター試験における物理
センター試験は全科目マーク式で、大学進学を志す全国の約50万人が受験します。
センター試験の受験が医学部の二次試験への出願の条件となるのが一般的ですが、必要となる科目は大学により様々です。
例えば、国立大学医学部を受験するのであれば、数学Ⅰ・A、数学Ⅱ・B、英語、国語、理科2科目、社会1科目が通常課されます。
配点は、英語と国語が200点満点、その他は100点満点です。
つまり、国立大学の場合、センター試験は900点満点となります。
しかし、大学ごとにセンター試験と二次試験の配点の比率等が異なるため、志望大学でどのようになっているか、必ず事前に調べましょう。
さらにこのばらつきは、私立大学ではより顕著に見られます。
以上の理由から、センター試験は受験生の志望大学の選択に大きな影響を与える試験です。
理科については、物理・化学・生物・地学の4科目中2科目を選択します。
割合としては、物理・化学の2科目を選択する受験生が最も多くなっています。
センター試験物理の試験形式
センター試験の理科は、1科目の制限時間は60分であり、試験当日は回収等のために設けられた10分を挟んで、2科目続けての受験となります。
二次試験のように2科目に対して制限時間が120分与えられ、どちらに何分割くか自由に配分することはできないので注意してください。
大問は6つで構成されますが、後半の大問5、6は選択問題で、2題中1題を選んで解答します。
つまり、全部で大問5つ分を解答すればよいことになります。
大問1は小問5つからなる小問集合で、様々な分野から出題されます。
大問2以降は基本的に、大問1つにつき1分野を扱います。
ただし、問題によっては、小問A、Bに分けられ、1分野で2つのテーマに取り組むこともあります。
(例:小問Aはコンデンサー、小問Bは荷電粒子の運動)
さらに近年では、力学と熱力学といったように、異なる分野を大問1つで扱うようになっている点も注目です。
配点は大問1が25点、大問2~4が20点、選択問題2題が15点ずつとなっています。
センター試験物理で目標とする点数
では、医学部を志望する受験生が、センター試験の物理で何点を目標とすればよいか考えてみましょう。
国公立医学部の合格者のセンター試験の平均点を見てみると、およそ810/900(90%)となっています。
よって合格最低点以上を取ることを考えるのであれば、少なくともセンター試験では780/900(約87%)稼ぎたいところです。
結論としては、医学部志望の受験生は、
数学2科目:180/200、英語:180/200、国語:160/200、理科2科目:180/200、社会:80/100
を取ることを目標としてください。
そして、いかに得意科目であっても、毎回100点を取るといったことは困難です。
ミスは必ず起こるものと覚悟しておいた方が無難です。
これらを踏まえて、結論としては、物理は安定して90点程度を取れるように対策を行うことをお勧めします。
センター試験物理の出題傾向
センター試験の物理は、全体としては大きな出題傾向の変化はありません。ただし、選択問題についてはここ数年で変遷があります。
具体的な出題傾向は、
【大問1】小問集合 【大問2】電磁気 【大問3】波動
【大問4】力学 【大問5】? 【大問6】原子物理
が大まかな出題パターンです。
ご覧のとおり、大問5が「?」になっていますね。
これが選択問題において、変化を繰り返している部分です。
大問5は2016年度までは熱力学からの出題でした。
ところが、2017年度は波動、2018年度は万有引力の問題が出されています。
選択問題の入れ替わりの影響で、出題形式の章で説明したように、熱力学が大問3や大問4に組み込まれ、結果として大問1つで2つの分野を扱うようになったと考えられます。
今のところ選択問題の変化に明確なサイクルは見られません。
大問6の原子物理は固定されるはずですが、今後、大問5で何が出題されるか予想することは難しいです。
センター試験物理で90点以上を狙う対策法
続いて、物理で90点以上を取る対策について述べましょう。
11月までは二次試験用の問題を学習し力をつけましょう。
二次試験の問題を使った演習を行う方が良い理由は次の2つです。
1)選択式で選ぶよりも、記述式の方が理解できているかわかるから
2)記述式の場合、1つのテーマについて深く問われるから
12月に入ってからはセンター試験対策に切り替えましょう。
センター試験対策を行う理由は、二次試験(記述式試験)では問われない、センター試験特有の問題があるからです。具体的には、知識問題・現象問題・グラフを選ぶ問題です。
例えば、昼と夜ではどちらの方が声がとおりやすいか?というのは、センター試験特有の現象問題です。この対策を行うために、12月からはセンター物理対策に切り替えます。
知識問題や現象問題は、教科書を活用しよう
では、具体的に何をやればいいのか?
おすすめなのは、まず教科書を一通り目を通すことです。
センター試験の物理の特徴として、大問1で小問集合があり、各分野のテーマが満遍なく出される可能性があるため、一度、教科書の全範囲をざっと見直してください。
なぜ、参考書や問題集ではなく、教科書か?
それは、センター試験が教科書から出題されるからです。知識問題や現象問題は、教科書に記載されていることしか出題されないのです。
教科書を見ながら、あやふやな知識や現象にチェックをつけて、チェックをつけた部分に該当する頻出問題を意識して取り組むと効率的です。
参考までに、以下に、センター試験物理に特徴的な問題についてまとめます。
・静電誘導
→二次試験では出題頻度が低く、ほとんどの受験生が手薄になっています。
センター試験では、小問集合や大問2で出題されることが意外と多いので、直前期に練習をしておきましょう。
・身の回りの現象
→物理で学ぶ知識を、日常生活で見られる現象と紐づける問題です。
パターンは決まっているので、センター試験対策用の問題集だけで十分カバー可能です。
特によく聞かれるのが、波動の性質に関する現象です。
(例:夕焼けが赤い理由、CDが色づいて見える理由など)
次に、センター試験物理において頻出で、かつ受験生が苦手とするテーマをまとめます。
・光波の干渉
→薄膜による干渉、楔形空気層による干渉など
・コンデンサー
→コンデンサーの性質、コンデンサー回路など
効果的な問題集は??
センター試験の物理の問題集として、過去問や実戦問題集をまず使うのはおすすめできません。というのも、これらの問題集は、全範囲を網羅していないからです。
全範囲が網羅できて、特定のテーマも重点的に勉強したい受験生にお勧めする
問題集は、『短期攻略 センター物理』(駿台文庫)です。
1カ月で完成できる構成になっており、分野ごとに様々なパターンが網羅されています。
過去問や各大手予備校が出版する実戦問題集・予想問題集は、時間配分や自分の実力をチェックする役割として、活用しましょう。
このとき、きちんと時間を計り、本番と同じ形式で取り組まなければ意味がありません。
実戦演習は12月中旬から始め、本番までに6~8セットやってください。
ここで注意事項ですが、平成27年度以降が現行の教育課程に対応したセンター試験です。
したがって、平成26年度以前の過去問は問題内容や形式が異なるため、本番に向けた練習には使えません。
演習を行うときは、形式や難易度にもしっかりと注意を払ってください。
まとめ
物理のセンター試験の傾向および対策法をまとめると、
①医学部受験生の多くが物理を選択する
②物理では安定して9割程度取れるようにし、理科2科目では180点を目指す
③物理のセンター試験の問題構成は、
【大問1】小問集合 【大問2】電磁気 【大問3】波動
【大問4】力学 【大問5】? 【大問6】原子物理
④大問5で扱われる分野は、これまで熱力学が中心であったが、近年では変化している
⑤センター試験物理で90点以上を狙う勉強法は、
・11月までは二次試験の勉強を行う
・12月からセンター試験対策に切り替える
・まず、教科書を一通り目を通す
このとき、センター試験に特徴的な問題や、頻出問題を意識する
→(特徴的な問題)静電誘導、身の回りの現象
(頻出問題)光波の干渉、コンデンサー
・『短期攻略 センター物理』で全範囲をざっと復習する
・過去問や問題集で実戦演習をし、本番の形式に慣れる
となります。
物理は暗記事項や問題パターンが少なく、練習量と得点が比例しやすい科目です。
周りの受験生に負けないよう、最後まで気を抜かず勉強を続けてみてください。
必ず努力は実ります!
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