新潟大学の一般入試の数学の傾向と対策
新潟大学は、「旧六医大」と呼ばれる名門医学部の一つです。本日はその新潟大学の数学の傾向と具体的な対策について紹介します。
新潟大学の数学の試験形式・配点は?
新潟大学医学部医学科の入試の数学は、大問4つで構成され、制限時間は90分です。
各大問には3、4つの小問が与えられ、すべて記述式の解答形式です。
医学科受験者用の問題冊子には大問が5つ並んでいますが、これは理・工・歯学部受験生用の問題も含まれているためです。
例年であれば、医学部医学科は大問2、3、4、5を解答することになります。
4問のうち、3問は全学部共通問題であり、1問は、医学部と歯学部の方用の問題となっています。
配点に関しては、センター試験750点満点、二次試験450点満点の計1200点です。
さらに詳細な内訳は、
【センター試験】
国語100 社会50 数学200 理科200 外国語200
【二次試験】
数学150 理科150 外国語150
となります。
この配分は、国公立大学の前期試験の中では、センター試験の全体に占める割合は非常に大きいといえます。
加えて、外国語以外の文系科目の得点が半分に圧縮されるため、理系科目が得意な受験生に有利です。(逆に言えば、国語・社会が苦手な人におすすめの配点です)
センター試験、その中でも特に理系科目の出来具合が、合否に直結することになるということは、必ず頭に入れておいてください。
新潟大学の数学の問題の難易度と合格に必要な得点率は?
では、新潟大学合格のために、数学では何点取る必要があるか、考えてみましょう。
そもそも国公立大学医学部を受験するのであれば、センター試験では88%(660点)は確保しておきたいところです。
この点数を取れたと仮定して、二次試験の数学で目指すべき得点を検証します。
新潟大学は合格最低点を公開していないため、合格者の平均点等から推測をします。
合格者のセンター試験と二次試験の合計得点は、
2018:1036.4 2017:1006.9 2016:1011.5 2015:1022.4 2014:1009.9
であり、平均すると1017.4点となります。
よってセンター試験と二次試験の合計で1000点あれば、合格圏内と言えるでしょう。
つまり、センター試験で660点取れた場合、二次試験では340点(約76%)取ればよいことになります。
その中で数学は、理・工・歯学部受験生と共通の問題であり、医学部専用の問題は課されません。
そのため、医学部専用の問題を課す大学に比べると、難易度はある程度標準的なレベルに落ち着きます。
また、新潟大学数学の特筆すべき点として、試験時間の短さが挙げられます。
上述のとおり、制限時間は大問4つに対して90分しかなく、記述式の問題1つに対して、22、3分しか割くことができません。
以上2つのことから、試験問題の難易度は、比較的「簡単」と言えます。
結論としては、新潟大学の数学では120点(8割)を目指してください。
ただし、注意しなければならないのが、「簡単」というのは、すぐ解けるという意味ではなく、問題集に載っているような典型的な問題が多いという意味であるということです。
逆に言えば、その問題のテーマを知らなければ、大きく差がつくような問題の出題歴もあります。(2016年大問5、2014年大問5など)
8割得点するには、90分という短い時間の中で、いかに典型問題を手早く片付け、その他の問題に時間を掛けられるかがキーポイントです。
新潟大学の数学の頻出分野は?
続いて、新潟大学の数学において出題頻度の高い単元を、【超頻出単元】、【頻出単元】、【要対策単元】に分けてまとめます。
【超頻出単元】
①ベクトル
毎年、大問2で出題されています。
平面ベクトル・空間ベクトルいずれも出題の可能性がありますが、難易度としては基本~標準の問題が多いです。
ベクトルの問題は事前に完璧に準備をして、完答を目指しましょう。
②極限
極限は大問4、5のいずれかで必ず出題されます。
曲線や直線で囲まれた部分の面積の極限や、数列との複合問題等、バリエーションは豊富です。
特に、関数の極限を挟み撃ちを用いて求める問題は、苦手な受験生が多いため注意が必要です。
【頻出単元】
①数列
数列の基本的な解法が押さえられていることを前提に、応用問題や複合問題が問われます。
数学的帰納法により一般項を求める問題の出題歴もあるため、事前に流れを確認しておきましょう。
②式と曲線
曲線の接線の方程式を求める→接線と曲線・直線により囲まれた部分の求積
が頻出です。
ほとんど解法はワンパターンですが、計算量が多くなりがちなので計算力の向上も必須です。
また、数学Ⅲの二次曲線の接線の求め方は、手薄になりがちなので、不安な方は対策をしておきましょう。
【要対策単元】
①確率
毎年のように出題されているわけではありませんが、解法が身についていないと時間がかかる分野です。
余事象等を上手に使って、効率的に解を出せるように練習しておく必要があります。
②微分法(数学Ⅲ)
やや複雑な関数のグラフの概形を描かせる問題がまれに出題されています。
微分を用いて増減表を作成し、変曲点等を分析していきます。
ひらめきは必要のない作業がメインですが、素早く処理できるようにしておきましょう。
全体としては、難易度は決して高くはありませんが、大問4、5ではひねった問題が出題されることもあります。
大問2、3では完答を目指し、大問4、5で6割以上の得点することで、全体として8割を目指すイメージで取り組んでください。
また、過去の傾向からすると、大問4、5のひねった問題は、数列が絡んでいることがほとんどです。
そのため、数列に関しては、典型的ではない入試問題にもチャレンジをしておくことをお勧めします。
お勧めの新潟大学の数学の対策方法
以上の内容を踏まえて、具体的な新潟大学数学の対策法を紹介します。
出題傾向の分析から、大問2ではベクトル、大問3では数列の出題可能性が高いことが分かります。
また、大問4、5はそれぞれ極限と微分法・積分法をテーマとした数学Ⅲの内容の問題が例年出題されています。
一方で、大問2、3では、確率等の他の分野から出題される可能性も考慮しなければなりません。
したがって、センター試験までは、全範囲を網羅的に勉強する必要があります。
ここでお勧めの問題集は、「医学部攻略の数Ⅲ」(河合出版)です。
この問題集の極限・微分・積分は特に、新潟大学の二次試験対策に効果的です。
ただし、中には新潟大学では出題されないような難問も含まれているため、自身の数学の学習の進捗度合いに合わせて取り組んでください。
センター終了後にすべき勉強は、
・頻出分野を中心に問題集で練習
・新潟大学の赤本で力試し→他大学の過去問を使った演習
の2つです。
まず、頻出分野の練習に最適な問題集は、『入試数学理系の核心』(Z会出版)です。
過去問分析から頻出分野を洗い出し、よく問われる分野や自身の苦手なテーマについては、この期間にマスターしましょう。
制限時間が90分しかなく、典型問題の出題が必然的に多くなるため、あまり多くの問題集に手を出す必要はありません。
その後、各単元の確認が済んだら、赤本を使った力試しをしてください。
この際、必ず時間を計って本番を意識して取り組みましょう。
繰り返しになりますが、新潟大学の数学は、問題数に対して、制限時間が90分しかありません。
典型的な問題が多いとはいえ、数学Ⅲの問題は計算量が多くなる傾向があります。
90分の中で8割を目指すには、どの問題から解くか、どこまで解いていったん飛ばすか、といった選択眼を養うことも重要です。
加えて、新潟大学以外の大学の過去問も使って演習を行ってください。
神戸大学や筑波大学の複素数平面以外の問題が、新潟大学対策には向いています。
お伝えした通り、数列の問題は問題集に載っているような典型問題ではない、ひねった問題が出題されたこともあります。
とにかく数多くの本番の問題に触れて、計算力や実戦的な力を身に付けましょう。
難易度としては、問題の答えを出すだけであれば、さほど困難ではありません。
しかし、短い時間で8割を目指すには、やはりスピードや実践力が欠かせない要素となることを意識してください。
まとめ
新潟大学の数学の傾向と対策の要点は、
①大問4つに対して、制限時間は90分
②150点中120点を目標とする
③典型的な問題を短時間で解答する力が求められている
④頻出単元は、
・超頻出…ベクトル、極限
・頻出…数列、式と曲線
・要対策…確率、微分法(数学Ⅲ)
⑤具体的な勉強法は、
・頻出単元を中心に問題集を使って練習
・新潟大学の赤本で力試し
・他の大学の過去問で演習
の5つです。
新潟大学の数学は典型問題の出題が多いため、受験生全体の平均点も高いことが予想されます。
裏を返せば、数学で失敗すると命とりということになります。
確実に点数を取るべきところは取り、差のつく問題に時間をかける。
これを心掛けて、新潟大学医学部合格を勝ち取りましょう!!
コメント..
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ご丁寧にお礼のコメントをありがとうございます。
参考になったとのこと、良かったです!!
引き続き、残りの科目も作成していきますので、お楽しみください!その他、記事のリクエスト等があれば、コメントくださいね。
いつもご覧ください、ありがとうございます。
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前に岡山大のページで新潟の特集を希望した者です!とてもわかりやすく、参考になりました!ありがとうございます!残りの科目に関しても楽しみにしてます!