香川大学医学部の物理の傾向と対策
今回は、香川大学医学部の物理の傾向と対策法についてお伝え致します。
香川大学医学部の物理は、選択問題という形で出題されるのが特徴的です。
それでは、具体的に香川大学医学部の物理の試験形式・配点からみていきましょう。
香川大学医学部の物理の試験形式・配点は?
香川大学医学部の理科は、2科目に対して180分が与えられます。
理科1科目に何分割くかは、受験者の裁量に任せられています。
大問は全部で5つあり、その中から4つ選択し、解答する形式です。
大問ごとの小問は、3~7問程度です。
多くが答えのみを書く形式ですが、導出過程を示す計算問題や描図問題も出題されます。
二次試験の理科の配点は理科2科目で200点です。
では、センターと二次の配点の比率はどうなっているのでしょうか?
配点は、センター試験900点満点、二次試験700点満点の計1600点満点です。
具体的なセンター試験と二次試験の点数配分の内訳は、
【センター試験】900点満点
英語200点、数学2科目200点、国語200点、理科2科目200点、社会100点
【二次試験】700点満点
英語200点、数学200点、理科2科目200点、面接100点
となります。
他の国公立大学と比較すると、香川大学は全体の点数に対するセンター試験の割合が、56.25%と半分を超えているので、かなり高いといえます。
したがって、香川大学医学部を志望する場合には、センター試験で高得点を取り、そのまま逃げ切るのがオーソドックスな戦略です。
裏を返せば、センター試験で失敗した場合は二次試験で逆転が厳しくなるため、出願を避けた方が無難です。
センター試験で取るべき得点率の目安は88%と考えてください。
香川大学医学部の物理の問題の難易度と合格に必要な得点率は?
それでは、実際に香川大学の二次試験の物理において、合格のために何点取ればよいか考えていきましょう。
香川大学医学部の合格最低点を見てみると、1600点満点中では、
2017年度:1239.0点 2016年度:1253.8点 2015年度:1305.6点
となっており、平均を取ると1266.1点(79.1%)です。
つまり、全体としては約8割得点できれば合格と言えます。
このとき、上述したように、センター試験で795点(約88%)取れたと仮定すると、二次試験では471.1点が必要となります。
今回は、簡単のために470点(67.1%)を取ることを目指すこととします。
香川大学の理科は全学部共通の試験問題です。
すなわち、医学部独自の問題が出題される数学に比べると、基本~標準レベルの問題が並んでいるといえます。
以上のことから、二次試験全体では、数学:130点以上、理科2科目:140点以上、英語:130点以上、面接:70点を目指しましょう。
なお、面接にも目標点を定めていますが、「これだけやれば、これだけ取れる」といったものがないため、あくまでも目安として考えてください。
できる限り、筆記試験でなるべく点数を稼いでいく方が安心でしょう。
物理に関しては、理科二科目に大きな得意・不得意の差がなければ、75点以上を目指してください。
香川大学医学部の物理の頻出分野は?
香川大学の物理の大問のセットは、毎年度固定されています。
具体的には、大問1:力学、大問2:電磁気、大問3:波動、大問4:熱力学、大問5:原子、というセットです。
これら5つの大問の中から4つを選択することになります。
各大問で出題されるテーマは多様で、何が出されるか予想することは困難です。
ただし、少なくとも、2年連続で前年度と同じテーマが出題されることはないと考えて差し支えありません。
さらに詳細に近年の過去問を分析すると、
・大問1の力学では、運動方程式、等加速度運動、運動量保存則(衝突)の問題
・大問2の電磁気では、回路を扱う問題
・大問3の波動では、波の理論(定常波、屈折の原理等)を扱う問題
・大問4の熱力学は、気体の仕事と内部エネルギーに関する問題
の出題頻度が高い傾向があります。
しかし、繰り返しになりますが、出される問題のバリエーションは豊富なため、ヤマを張りすぎることは危険と言えます。
できる限りどのような問題が出題されても対応できるよう、事前に準備をして本番に臨みましょう。
お勧めの香川大学医学部物理の対策方法
これまでの内容を踏まえて、二次試験直前期に行うべき、香川大学の物理の対策法をお伝えします。
センター試験終了後にしなければならないのが、
・香川大学の物理の過去問を分析する
・テーマを絞り、問題集で復習をする
・大学の過去問を使って、演習をする
の3つです。
まず、過去問を分析しましょう。
これをすることで、次年度の入学試験で出題の可能性の高い問題や、反対に出題されないと予想される問題を洗い出すことができます。
次に、先ほど洗い出した出題可能性の高い分野や、あなたの苦手な分野に絞り、問題集を使って復習をしましょう。
幅広い範囲から出題の可能性があると紹介しましたが、センター試験終了後から二次試験までは、およそ1カ月しかありません。
この期間にすべての範囲をやり直すのは、現実的とはいえません。
加えて、大問5つの中から4つを選んで解答すればよいことから、事前に選択する大問を決めておくこともお勧めします。
もちろん、物理に自信のある受験生は、本番で問題のレベルを見てから判断してもよいですが、物理が得意でない人は、5テーマすべてを直前期に対策するのは非効率です。
センター試験の出題傾向を見ると、力学・電磁気・波動はほぼ必出です。
よって、熱力学か原子の分野が選択問題となることが多いため、二次試験でも4テーマに絞るのであれば、熱力学か原子のいずれかに集中して勉強するのが無難です。
つまり、「選択と集中により、効率的な勉強を心掛けてほしい」というのが、お伝えしたいポイントです。
これらと並行して過去問を使用して演習をしましょう。
演習に取り組むときは、時間を計って解き、問題の形式に慣れ、時間配分の練習をすることを意識してください。
お勧めの参考書・問題集は?
復習の際にお勧めの問題集は、『良問の風』(河合塾シリーズ)です。
難問は収載されていませんが、香川大学医学部の物理のレベルを考慮すると、十分にこの1冊で対応可能です。
過去問を使った演習では、香川大学の過去問はもちろんのことですが、傾向やレベルの似た他大学の過去問も活用しましょう。
香川大学物理の対策に活用できるのは、岡山大学、岐阜大学の過去問です。
ちなみに、2015年度以前は現在の教育課程とは異なるため注意が必要です。
香川大学の過去問は2015年度以降のものをすべて解き、その他の大学の過去問はそれぞれ1、2年分取り組めばよいでしょう。
まとめ
香川大学医学部の物理についてまとめると、
①100点中75点を目指す
②大問は力学、電磁気、波動、熱力学、原子のセットで出題される
③各大問で頻出の問題は、
【大問1】運動方程式、等加速度運動、運動量保存則(衝突)の問題
【大問2】回路を扱う問題
【大問3】波の理論(定常波、屈折の原理等)を扱う問題
【大問4】気体の仕事と内部エネルギーに関する問題
④具体的な対策法は、
・過去問分析をし、対策する単元を選ぶ→問題集で練習
・赤本で過去問(香川大学、岡山大学、岐阜大学)を、時間を計って解く
の4つがポイントです。
香川大学の物理は、パターン問題をしっかり押さえられれば、高得点も狙うことができます。
二次試験直前期に慌てることにならないよう、普段から問題集を使って、繰り返し重要問題の解法を頭に入れることが重要です。
この記事が、香川大学医学部の物理の攻略の糸口になることを祈っております!
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