島根大学医学部の数学の傾向と対策

島根大学数学

島根大学医学部では二次試験で課されるのが数学、英語、面接のみであり、センター試験でも文系科目の占めるウェイトがやや大きいという特徴があります。そのため、理転した再受験生や理系科目が苦手だけれども医学部に入りたいといった受験生に人気の大学です。

 本日は、島根大学医学部の数学の傾向を分析し、具体的な勉強法を紹介します。

島根大学医学部の数学の試験形式・配点は?

まず、島根大学医学部の入学試験の配点を見ていきましょう。

 

島根大学医学部は、センター試験:700点、二次試験:460点の計1160点満点という点数配分で試験が行われます。明らかに全体におけるセンター試験の占める比率が高く、いわゆる先行逃げ切り型の戦略がオーソドックスなものとなります。

反対に、センター試験で失敗した場合は、二次試験での巻き返しは相当厳しいので、残念ながら受験校の変更を考えざるを得ません。

 

各試験の詳細な点数の内訳は、

【センター試験】

国語:200点 社会:100点 数学2科目:100点 理科2科目:200点 外国語:100点

【個別試験】

数学:200点 外国語:200点 面接:60点

となっています。

 特筆すべきなのが、①センター試験で国語・社会の点数はそのままに数学の点数は圧縮されている、②二次試験で理科が課されない、という2つのポイントです。これらは理系科目を重視する国公立医学部の中では、異色の点数配分といっても過言ではありません。

 どうしても理系科目の点数が伸びない場合でも、センター試験の勉強に力を入れ、二次試験の数学で最低限の点数さえ取れれば合格を狙えるのは魅力的です。

 

さて、それでは島根大学医学部の数学の試験形式はどのようなものでしょうか?

 

大問は全部で4つあり、制限時間は120分です。

平成27年度以降の問題は、医学部医学科専用の問題1題と、総合理工学部との共通問題3題で構成されています。この点で、すべて医学部医学科専用の問題を出す大学と比べると、多少数学の難易度は標準的な難易度に落ち着くといえます。

注意点としては、問題冊子には5題掲載されており、うち1題は総合理工学部専用の問題である点です。指示のある4題を解答しなければならず、誤って5題すべてを解こうとしたり、総合理工学部専用の問題を解答したりしないように気を付けてください。例年、医学部医学科の受験生が解答するよう指示があるのは、大問1、3、4、5の4つです。

 

各大問さらには3つ前後の小問に分かれており、いずれも解答の課程を書く記述式の解答形式です。証明問題や場合分けの必要な確率の問題、あるいは計算量・作業量の多い数学Ⅲの微分・積分の問題が頻出なので、過不足なく数学的な議論を記述する力や計算処理のスピードが必要な試験となります。

島根大学医学部の数学の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

それでは島根大学医学部に合格するには、数学では何点取る必要があるでしょうか?

過去の合格最低点のデータや、難易度から考えてみましょう。

 

 島根大学医学部の合格最低点は1160点中で、平成30年度は879.70点、平成29年度は882.20点、平成28年度は916.30点です。したがってセンター試験と二次試験で、合計920点(約79%)取れれば合格安全圏といえます。

 ここでセンター試験で600点(約86%)取れたと仮定すると、二次試験では460点中320点(約70%)取ればよいことになります。

 

 以上を踏まえて各科目で何点ずつを目標とすべきかを考えると、

数学:150点(200点中) 英語:140点(200点中) 面接:30点(60点中)

というように各科目で得点できれば、合格点を突破することができます。

 

 面接点に関しては、受験生によってかなりのばらつきが出ることが予想されるので、あえて低めに見積もっています。もし、もっと面接で高得点を取れる自信があるのであれば、他の科目の目標点はもっと低くてもよいことになります。

 

 数学に関しては200点中150点なので、7割5分の得点率が求められます。大問4つで3つずつ小問に分かれている場合、1つの大問を完答して、残りの3つの大問は設問2つ分を解答できていれば、全体としておよそ75%になります。

 問題の難易度としては、標準的なものにやや難しいものが混ざっているイメージです。すべての問題を解こうとして難問に時間を奪われるより、解けるべき問題に時間を回して確実に得点する方が、島根大学医学部合格にぐっと近づくでしょう。

島根大学医学部の数学の出題傾向は?

それでは、島根大学医学部の数学の出題傾向をまとめていきましょう。

それぞれ【超頻出単元】、【頻出単元】、【要対策単元】に分けて、頻出単元を分析していきます。

 

【超頻出分野】

・微分・積分法(数学Ⅲ)

 数学Ⅲの微分・積分に関する大問は毎年必出です。関数が与えられ、微分を用いてグラフの増減表を作成し、グラフの概形を描く問題は必ず解けるようにしましょう。そこから直線と曲線に囲まれた部分の面積を、積分を用いて求めるパターンが定番ですが、回転体の体積の求積や絶対値付きの定積分の計算に応用するものも見られます。加えて、媒介変数表示された関数の速度や面積の求め方、あるいは二次曲線を扱う問題の出題歴もあるため、特に関数絡みの数学Ⅲの問題は得意にしておくと心強いです。

 

・整数問題

 整数の性質に関する証明問題や条件を満たす自然数を求めさせる問題が超頻出です。中でも不定方程式の重要度が高く、一目では整数問題とは見抜けない問題にも不定方程式の考え方が潜んでいたりします。また、証明問題は小問の流れに沿って、前問をうまく活用しなければ解けない問題が多いです。標準的な問題集に載っているような問題が一通り解けるようになったら、整数問題については大学の過去問等を用いて、より実践的な問題にチャレンジして力をつけておきましょう。

 

【頻出単元】

・確率

 確率が出題される場合には、問題文が長く状況設定がやや複雑なものが多いです。まず状況を掴むために、簡単な事象を取り上げて試行をすることから始めるとよいです。そうすると問題の本質が見えてきて、どのように解き進めればよいかが整理できます。問題の本質が理解できたあとは、丁寧に場合分け等の処理をすれば必ず解けるので、確率の基本的性質から確率漸化式に至るまで、典型的な解法は一通りマスターしておきましょう。

 

【要対策単元】

・図形と方程式

 図形と方程式の中でも領域や軌跡を求める問題の頻出度が高いため、要対策単元として紹介しています。逆手流や不等式の表す領域といった基本的な事項を身に付けておけば、得点源とすることも可能な分野です。ただし、現役生は軌跡・領域が苦手な受験生が多いため、島根大学医学部を志望するのであれば、事前に準備をしておくことをお勧めします。

お勧めの島根大学医学部の数学の対策方法

それでは、最後の以上の内容を基に、具体的な対策方法についてお伝えします。

 

 第一にセンター試験までは、センター試験の対策に全力を挙げてください。

 上述のとおり、島根大学医学部ではセンター試験の比重が高く、先行逃げ切りを狙うのが勝ちパターンです。二次試験の対策ももちろん大切ですが、センター試験の出来が最終的な合否に大きく影響するため、1月まではとにかくセンター試験重視の勉強で構いません。

 国公立大学には珍しく、数学が圧縮され国語はそのままである点に鑑みれば、古文・漢文といった勉強時間と得点が比例するような科目に時間をかけるべきでしょう。

 詳しいセンター試験の国語の対策法については、「センター試験国語で160点を取るための勉強法」を参照してください。

 

 センター試験終了後からは、いよいよ二次試験を意識した勉強に移ります。

 具体的には、

・過去問の分析

・過去問を使った実戦演習

・問題集を用いた復習

の3本立てで対策をしてください。

 

問題の出題傾向については本記事でお伝えしたとおりですが、自身の目でも必ずどのような問題のセットが出されているかは確認してください。

 

 出題傾向の分析が終了した後は、島根大学の過去問を用いて、実戦的な演習を行いましょう。この際に制限時間を計ることは、絶対に忘れないようにしてください。

 島根大学医学部の数学は大問4つに対して制限時間は120分であり、1題にかけられる時間を考えるとそこまで厳しくはありません。

 ただし中には時間のかかる問題も紛れており、75%を目指すのであればすべての問題を解ききることよりも、解ける問題を確実に解くことを意識した方が合格に近づきます。

 併せて、入試の問題のセットや難易度からすると、岡山大学医学部の問題も参考になります。もし、島根大学医学の過去問をやりつくしてしまった場合には、岡山大学医学部をはじめとする他の大学の過去問も使って練習をしましょう。

 

 これらと同時並行で、実戦的な問題集を用いた練習を行いましょう。とはいえすべての数学の分野を総復習する時間はないので、ある程度、手を付ける分野を絞る方がよいでしょう。

 例えば、整数問題の証明や状況設定の複雑な確率などは、他の大問と比べるとやや手間のかかる問題が多いため、大学入試の過去問題集で対策することが、二次試験での得点アップに直結する勉強分野です。

 その他、苦手な分野で出題可能性の高い単元から克服していきましょう。

 『入試問題集』(数研出版)は実際の大学入試で出題された問題が収載されているため、複数のテーマが盛り込まれた複合問題や典型問題には見られないような切り口の問題に取り組むことができます。

より詳細な問題集の使い方は、過去記事「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」を参考にしてください。

 

 繰り返しになりますが、島根大学医学部の合否は二次試験ではなく、センター試験の点数にかかっています。島根大学医学部を目指している方は、まず、センター試験中心の勉強を行いましょう。点数が取れて、島根大学医学部に出願することが決まった後でも、二次試験で理科がないため、集中的に英語・数学の対策を行うという形でも十分間に合います。まずはセンター試験でこけないように、対策が手薄になる国語・社会もしっかり対策をしておきましょう。

まとめ

島根大学医学部の数学の傾向と対策法のポイントは、

①大問4つに対して、制限時間は120分

②4題中3題は総合理工学部との共通問題

③目標点は150/200

④【超頻出分野】微分・積分法(数学Ⅲ)、整数問題

 【頻出分野】確率

 【要対策分野】図形と方程式

⑤センター試験まではセンター試験を意識した勉強をし、可能な限り先行逃げ切りを狙う

⑥センター試験終了後は、

・過去問の分析

・過去問を使った実戦演習

・問題集を用いた復習

を行う

の6つがポイントになります。

 

 繰り返しになりますが、島根大学医学部の入試は、センター試験で高得点を取れれば、そのまま先行逃げ切りで合格することができます。一方で、センター試験で失敗すると、二次試験で巻き返すことは困難となります。

 とはいえ、二次試験で大失敗をしては悔やんでも悔やみきれません。二次試験の数学では、決して高得点でなくてもよいので、確実に7割5分を取れるように準備をして臨んでください!!

 

 

本記事内で登場した過去のオススメ記事

「センター試験国語で160点を取るための勉強法」

 

「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」

 

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