「青チャート」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方
医学部受験で勝ち抜くには、わかりやすい授業を受けることに加えて、いかに自主学習時間を効果的なものにするかが鍵となります。
自習の時間を効果的なものにするためには、2つのポイントがあります。それは、
- 「自分にあった教材を選ぶこと」と
- 「効果的に教材を使うこと」です。
ここでは、青チャート(数研出版)について、どんな人が使うと効果的か?また、どのように使えば効果的か?の2つについて紹介していきます。
※ このサイトでは、医学部受験を勝ち抜いた成功者の人の意見をもとに参考書・問題集を勝手に評価する通称「医シュラン」をつくっています。ぜひ、自主学習の参考書・問題集に役立ててください。
受験数学のバイブル(聖書)!それがチャート式です!!
「青チャート」は、数研出版から出ている問題集(参考書)で、「チャート式」という問題集のシリーズのうちの一つです。チャート式は、難易度別に4種類に分かれています。難易度別に、白色・黄色・青色・赤色でカバーを分けているため、それぞれ「白チャート」「青チャート」というように「色+チャート」で呼ばれています。
今回の記事を書く上でリサーチしてわかったのですが、なんと「チャート式」は戦前からあったそうです!!昭和初期に誕生し、未だに残っている名著です。したがって、超、超、超、有名な問題集で、受験数学で、多くの人に愛されてきたバイブル(聖書)的存在です。もしかしたら、あなたの祖父母やご両親も使っていたかもしれませんね。
「白」「黄」「青」「赤」の4つのチャートシリーズの中でも青チャートは、進学校でよく使われる問題集であることと、多くの先生が勧める問題集であることから利用者が多いです。実際、学校の先生や、塾の先生に、「数学が苦手なんです。何やればいいですか?」と相談したら、かなりの確率で紹介されるのがチャートです。そして、「医学部志望なんです」と付け加えたら、医学部受験問題集として、この「青チャート」がすすめられます。そのあまりの定番さに、「青チャートの例題だけをやれば東大・医学部に合格できる」とまで言われる問題集です。
青チャートの問題数は?
青チャートは、数学Ⅰ・数学A・数学Ⅱ・数学B・数学Ⅲに分かれています。
それぞれで収録されている問題数は、
数学Ⅰ・・・184問、数学A・・・144問
数学Ⅱ・・・251問、数学B・・・141問(※)
数学Ⅲ・・・271問
となっています。
(※)数学Bでは、「確率分布と統計的な推測」部分は入試では使わないことが多いため、実際に収録されている問題数は169問ですが、数列・ベクトル部分だけの141問を問題数と定義しています。
したがって、全問題数は991問となります!!
上記の問題数は、例題の数であり、各例題には、「その内容が本当に使えるか?」という意味で、下に練習問題がついています。練習問題までこなすとなると、、、倍の約2000問もあります。(ちなみに、私が浪人中のとき、いざチャートをやろうと思って、この問題数をみたとき、心が折れました 笑)
「青チャート」の3つの特徴
「青チャート」は、その分野について、知識がほとんどない状態のとき(習いはじめのとき)に使うと、その分野で何をおさえておけばいいのかがわかる素晴らしい問題集です。逆にいえば、使用時期を間違えると効果が半減してしまうので注意が必要です。なぜ、そう言えるのか?
それは、この問題集が次の3つの特徴を持っているからです。
・特徴1 各分野で何をおさえればいいかがわかるレイアウト
・特徴2 使い方のチェックができる
・特徴3 習っていない分野の内容は出てこない
この3つの特徴のため、市販の問題集の中で、最も効果的に各分野の項目をおさえることができる問題集といっても過言ではないといえる良質な問題集となっています。それでは、具体的にそれぞれの特徴がどんなもので、どのような使い方が良いかをお伝えします。
「青チャート」はどんな人にオススメ??
結論から言うと、上記の3つの特徴ゆえに、「青チャート」は次の条件を満たした方が使うと学習効果が高い優れた問題集です。
- 条件 その分野を初めて習うこと
逆に言えば、一度、習ったことがある分野で、教科書に載っている公式を把握しているという人が使うと効果が薄いため、使用をおすすめしません。それでは、なぜこの条件を満たしていると効果的なのかの理由を「青チャート」の特徴を上げながら説明していきましょう。
「青チャート」の特徴1:各分野で何をおさえればいいかがわかる構成
青チャートは呪文を覚えさせてくれるグリモワール(魔術書)
私は、よく数学の問題をドラゴンクエスト(通称ドラクエ)のようなRPG(ロールプレイングゲーム)に例えます。
具体的には、数学の問題はモンスターで、そのモンスターを倒すためには、呪文が必要です(打撃系の攻撃が効かずに魔法しかダメージを受けないモンスターだと思って下さい)。つまり、モンスターを倒すには2つのスキルが必要です。
1つ目は、多くの呪文を覚えていること
2つ目は、相手の弱点属性に気づくこと
です。
そうであれば、数学ができるようになるためには、より多くの呪文を覚えておくとよいですよね。その呪文を覚えるためのグリモワール(魔術書)がチャートです。どれくらいの数の呪文を覚えるかで白チャート、黄チャート、青チャート、赤チャートに分かれていると捉えてください。
チャートは、1ページで1呪文の形式で掲載されており、何をおさえればいいかがわかるレイアウトになっています。
例題(モンスター)→重要定理(使う呪文)→解答(実戦)→練習(レベル上げ)
のように構成がわかりやすいので、初めてその分野を習う人にとってはおさえればいい項目がわかるので最適です。
「青チャート」の特徴2:使い方のチェックができる
青チャートの効果的な使い方
青チャートでは、各例題の下に、練習問題が掲載されています。これにより、習った解法(呪文)を使えるようになっているかチェックできます。
したがって、初めて習う場合は、次のような手順で使うと効果的です。
STEP1 最初に例題を読む。(このとき解答はふせておく)
STEP2 例題を読んで、この問題で使うべき呪文は何かを考える。
(「◯◯の定理の利用」「◯◯の性質を使う」などその問題で覚えるべき呪文は何かを考えてみましょう)
STEP3 (A) 呪文があっていたら、解答を隠して問題を解いてみる
(B) 呪文が間違っていたり、出てこなかったら解答を見る
STEP4 問題を解いた場合は答え合わせを行う
解答を見た場合は、習得した呪文が使えるか練習問題でチェックする
「青チャート」の特徴3:習っていない分野の内容は出てこない
学習指導要領に完全準拠した問題集
「青チャート」だけに限らず、「チャート式」は現役生が使うことを想定して作られた問題集だと思います。なぜならば、数学ⅠAを解いているときに、数学ⅡBの内容や数学Ⅲの内容は絶対にでてきません。数学ⅡBを解くときは、数学ⅠAの内容を使う問題は出ても、数学Ⅲの内容を使う問題は出てきません。
これは、学習指導要領に基づいた構成になっているからです。学校で習った順番に対応しているため、「習っていないからできない問題」というものが出てこないので現役生は安心して取り組むことができます(そうだからこそ、多くの学校で配られているのでしょう)。
また、これと関連して、分野をまたがった融合問題の掲載も少ないです。もちろん、二次関数などの様々な分野で関連付けられて登場するような問題については、融合問題として、掲載されるものもありますが、基本的には、融合問題が掲載されていません。したがって、効果的に各分野の覚えておくべき解法(呪文)をおさえることができる構成になっています。
逆に言えば、次のような人にはふさわしくない問題集といえます。
・分野をまたがった融合問題を解きたい人
・一通り学習して、習った解法を使うトレーニングをしたい人
・応用問題(前問の内容を組み合わせて解く問題)を解く力をつけたい人
一通り習っている人が使うときの注意点
「青チャート」は学校の授業に合わせて使うなら、医学部受験にも通用する、良質な問題集だとお伝えしました。では、逆に、一度習ったことがある人については、どうすればいいの?と疑問に思われる方がいると思います。
一度習ったことがある方は、時間バランスを考えて取り組む
というのが、使用上の注意です。今まで申し上げた通り、「チャート式」シリーズは解法が網羅されていて、とても良い問題集です。しかし、余すことなく問題を掲載しているという反面、問題量が多いというデメリットもあります。
例えば、二次関数が苦手だから、チャートをやって復習しようと思ったとき、全部やるとなると、「平方完成」の問題や、「文字が入っていない最大・最小」の問題なども何問も解くことになります。このとき、二次関数が苦手だと感じている部分が「文字が入る最大・最小」の問題だけの場合、「平方完成」の問題や「文字が入っていない最大・最小」の問題を解く時間は無駄になります。
したがって、既に習っている分野を青チャートで復習しようと思った場合は、
・どの分野の何が苦手で、何について復習したいのか?
・その場合、問題数は何問で、どれくらいの時間がかかるか?
まで考えて、時間とのバランスを考えて取り組むことをおすすめします。
まとめ
医学部受験の数学対策となったときに、真っ先に登場する問題集。それが「青チャート」です。「青チャート」は次の3つの特徴を持っています。
・特徴1 各分野で何をおさえればいいかがわかるレイアウト
・特徴2 使い方のチェックができる
・特徴3 習っていない分野の内容は出てこない
上記3つの特徴から、その分野で必要な解法(呪文)を習得することができる大変便利な問題集です。
したがって、
・その分野をはじめて習う現役生
には、大変おすすめの問題集です。学校の授業の進度に合わせて使うと絶大な威力を発揮する大変優れた問題集でしょう。
ただし、既に習った分野について取り組む場合は注意が必要です。というのも、「チャート式」は、解法が網羅されている反面、全てやるとなると時間が膨大にかかるからです。したがって、何をやるのが自分にとって、効果的で、どれくらいの時間をかけることができるのかまで考えた上で「青チャート」を使いましょう。
使い方を間違えなければ、「青チャート」は、最強の魔法使いになることができるグリモワール(魔術書)です!!
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