【医学部受験生必見!】センター試験地理で80点以上を取る勉強法

センター試験の勉強法 (1)

国公立大学医学部の出願においては、社会1科目の受験が必須です。

本日は、理系学生に人気な地理の勉強法をお伝えいたします。

センター試験における地理

センター試験は全科目マーク式で、大学進学を志す全国の約50万人が受験します。

センター試験の受験が医学部の二次試験への出願の条件となるのが一般的ですが、必要となる科目は大学により様々です。

 

例えば、国立大学医学部を受験するのであれば、数学Ⅰ・A、数学Ⅱ・B、英語、国語、理科2科目、社会1科目が通常課されます。

配点は、英語と国語が200点満点、その他は100点満点です。

つまり、国立大学の場合、センター試験は900点満点となります。

しかし、大学ごとにセンター試験と二次試験の配点の比率等が異なるため、志望大学でどのようになっているか、必ず事前に調べましょう。

さらにこのばらつきは、私立大学ではより顕著に見られます。

以上の理由から、センター試験は受験生の志望大学の選択に大きな影響を与える試験です。

 

社会については、全10科目の中から選択することになりますが、医学部受験性の場合、「日本史B」「世界史B」「地理B」「倫理、政治・経済」の中から選ぶのが無難です。

なぜなら、センター試験社会の受験が必須となる大学のほぼすべてが、これら4科目の選択を認めているからです。

いずれかを選択しておけば、少なくとも国公立医学部の出願の際に困ることはありません。

ちなみに、「現代社会」の場合、受験できない医学部があるため、「現代社会」を選択するときは、注意が必要です。

 

その中で地理は、暗記事項が他の社会科目に比べて少なく、勉強の負担が小さいです。

そのため、地理Bは日本史Bに次いで受験者が多いです。

ただし、注意しなければならない点があります。

それは、地理の平均点が他の選択すべき3科目よりも低いことです。

例えば、平成28年度の平均点を例にとると、

日本史B:65.55 世界史B:67.25 地理B:60.10 倫理、政治・経済:60.50

となっています。

理由としては、地理の問題は知識そのものを問う問題だけでなく、初見の図や統計と知識を結びつけて解かなければならない問題が出題されるからと考えられます。

 

とはいえ、きちんと対策をすれば、80点以上をコンスタントに取ることができます。具体的な対策法に入る前に、まずは、地理の出題形式からみていきましょう。

センター試験地理の出題形式

センター試験の地理の制限時間は60分です。

大問6つで構成され、それぞれ5~7個の小問に分かれています。

大問ごとにテーマが定められ、そのテーマに沿った内容の問題が一問一答形式で出題されます。

問題の形式は知識そのものを問うものが一部あるものの、図・統計や写真等から読み取れる情報をもとに解答する問題が大多数を占めます。

 

配点は年度により多少の差はあるが、おおむね各大問17点前後の100点満点となります。

小問の配点は2点あるいは3点で、特大配点が大きい問題はありません。

 

なお、センター試験当日は地理Aと地理Bの問題が、いずれも同じ地歴公民の問題冊子に印刷されているため、誤って地理Aの問題を解かないように気を付けてください。

 

センター試験地理で目標とする点数

では、医学部合格を目指す受験生は、地理では何点を取る必要があるでしょうか?

 

国公立医学部の合格者のセンター試験の平均点を見てみると、およそ810/900(90%)となっています。

よって合格最低点以上を取ることを考えるのであれば、少なくともセンター試験では780/900(約87%)稼ぎたいところです。

結論としては、医学部志望の受験生は、

数学2科目:180/200、英語:180/200、国語:160/200、理科2科目:180/200、社会:80/100

を取ることを目標としてください。

 

以下では、地理Bで80点以上を取るために、問題分析と対策法を紹介いたします。

センター試験地理の出題傾向

はじめに、センター試験の地理の出題傾向について分析していきましょう。

 

地理は各大問でテーマが設定されるとお伝えしましたが、その傾向はある程度決まっています。

具体的には、

【大問1】世界の自然環境と自然災害

【大問2】資源と産業

【大問3】都市・村落と生活文化

【大問4】特定地域の地誌

【大問5】複数の国家の比較

【大問6】日本の地域調査

がテーマとして扱われています。

 

それぞれの大問について、さらに詳しい問題の内容とポイントは下の通りです。

【大問1】

ベースとなるのは、ケッペンの気候区分とそれに付随する知識。

地形の成因に関する問題も頻出。

【大問2】

産出される資源と工業との結びつきを理解することが重要。

年度によっては農業がテーマとなることもある。

工業製品や農作物の、最新の生産量・輸出入量の上位国の知識が必須。

各国・地域間の貿易量やGDP等に関わる知識も問われる。

【大問3】

都市・村落の成因や特徴について問われる。

国家・地域と宗教の分布の関係も理解しておく。

【大問4】

ヨーロッパや西アジアといった諸地域に関する地誌が出題される。

ち機内の国家間の比較や、自然環境、産業等、総合的な問題構成である。

過去には中国が1つの国家として出題されたこともあるが、これは国土が広大で地方により様々な特徴を有しているからと考えられる。

【大問5】

2つあるいは3つの国家について比較をし、共通点や相違点を設問を通して分析していく。

問われている内容自体は、各国の地誌の知識である。

【大問6】

高校生が地域調査をするという設定のもと、与えられた地形図を読み取る能力を問われる。

このとき地図記号の知識が不可欠である。

新旧の地形図を比較する問題が頻出。

 

ここまで各大問について要点をまとめましたが、地理は全体として問題のバリエーションは豊富です。

大切なのは、問題演習を繰り返し、初見の問題でも正解できる実力を養成することと心得てください。

センター試験地理の対策法

次に、センター試験の地理の対策法についてです。

 

まずスケジュールに関しては、現役生は学校の授業の進度に合わせれば問題ありません。

一方、浪人生は9月くらいまでに、一度、知識を完成させることをお勧めします。

特に重要であるにも関わらず疎かになりがちなのが、世界地図を頭にインプットするという作業です。

どの国がどこにあるか、どの地域が赤道からどの程度離れているか、と言ったことがぱっと思い浮かべることができなければ、地理の勉強は始まりません。

不安がある受験生は、白地図を用いて国名と場所を暗記し、余裕があれば首都とその所在地を調べておきましょう。

白地図はわざわざ購入しなくても、インターネット上に地理の勉強に役立つ白地図のデータが無料で公開されているので、こちらを活用しても構いません。

その後、センター試験直前期の12月に入ってからは、ひたすら過去問と実戦問題集に取り組みましょう。

このとき必ず時間を計り、時間配分や上述した問題の傾向を確認し、暗記事項に抜けがないか再度チェックしましょう。

6~8セット取り組めば十分です。

 

地理は特に問題演習が重要な科目です。

既に述べた通り、地理は初見の図や統計を読み取り、自身の知識と結びつける能力が問われますが、これは実戦演習によってしか獲得することができないからです。

もし地理が苦手で点数が伸びない場合は、追加でセンター試験対策用の問題集も活用することをお勧めいたします。

お勧めしたい問題集は、『短期攻略センター地理B』(駿台受験シリーズ)です。

30日で1周できる構成で、かつ、多様なパターンの問題が収載されているため、センター試験直前期に多くの問題に触れるという目的に最適です。

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地理の効果的な暗記法

さて、他の社会科目と比較して確かに地理の暗記事項は少ないですが、やはり効率的に暗記できるに越したことはありません。

今から紹介することを意識することをお勧めします。

 

そもそも地理は、系統地理と地誌に分類されます。

系統地理では自然地理(地形、気候など)と人文地理(産業、民族など)を系統だてて学びます。

地誌は地域ごとの地理を、自然・人文の観点から研究します。

 

系統地理の暗記のポイントは、全体を視覚化して記憶することです。

つまり、ケッペンの気候区分や宗教の分布等を言葉で覚えるのではなく、世界地図を頭に思い描き、視覚情報として暗記するのです。

 

次に、地誌は各地域を取り上げて地勢や産業を理解するが、他の地域との関連も意識してください。

その際に橋渡しの役割を果たすのが、系統地理の知識となります。

 

要するに、系統地理と地誌は別個の知識としてばらばらに暗記しようとするのではなく、地誌の「縦糸」を系統地理の「横糸」で編み込んでいくイメージです。

縦糸、横糸の手法を実践すれば、地理の知識全体が強固なものとなり、その範囲も広げていくことが可能になります。

統計問題の解法

最後に地理の問題で避けては通れない統計問題の解き方についてお伝えします。

 

第一に、統計が与えられたら、何が読み取れるかを考えましょう

すなわち、出題者の意図を読み取るのです。

例えば、国同士の距離、気候帯、宗教など。

一見、教科書に載っていないような統計であっても、必ず人口が多いか少ないか、経済が発展しているか否か、と言ったことが分かるはずです。

 

次に各国や地域の分析に入ります。

ここでのポイントは、メジャーな国に注目することです。

アメリカや中国といったメジャーな国においては、経済指標や人口が大きな値を示すため、判定しやすいです。

ここから、例えば、アメリカは〇〇の数値が高いから、日本も同じように高くなるだろう、といった予測が立てられるのです。

 

意外と見落としがちなのが、「合計」と「年代」です。

統計に表れるすべての数値がヒントになります。

情報の見落としがないように、隅々まで分析してください。

 

とはいえ、統計問題の解法を頭に入れただけでは、やはり使いこなせるようにはなりません。

この解法を頭に入れたうえで、実際の問題でどんどん練習しましょう。

まとめ

センター試験の地理について、

①社会の中では、地理Bは日本史Bに次いで多い

②医学部受験生は80点以上を目指す

③各大問のテーマは

【大問1】世界の自然環境と自然災害

【大問2】資源と産業

【大問3】都市・村落と生活文化

【大問4】特定地域の地誌

【大問5】複数の国家の比較

【大問6】日本の地域調査

④地理で重要なのが、初見の図や統計の問題を正解できる能力であり、問題演習により力をつける

⑤暗記事項は、地誌を「縦糸」、系統地理を「横糸」として、関連付けて覚える

⑥統計問題は、問題の意図を考える→メジャーな国を基準に判断する、という流れで解く

の6つがお伝えしたい大事なポイントとなります。

 

地理は二次試験では使わない科目なので、なるべく時間をかけずに短期集中で高得点とれるようにしたいものです。

暗記に時間を多く割くのではなく、いかに問題演習に早めに移り、数をこなせるかがカギです。

地理選択者はもちろんのこと、他の社会科目を選択している受験生にも負けないよう、しっかり準備して本番を迎えてください!

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