三重大学医学部の数学の傾向と対策

2018年12月18日 志望する大学の特徴

三重大学医学部数学

三重大学医学部は旧制医学専門学校をルーツとし、歴史ある医学部の一つとして有名です。6年次には生徒の約半数が海外臨床実習に参加する等、国際的な交流にも力を入れているといるため、国内に限らず活躍の場を求める医学部受験生は要チェックです。
 本日はその三重大学医学部の数学について、傾向と具体的な対策法を紹介します。

三重大学医学部の数学の試験形式・配点は?

はじめに三重大学医学部の入試制度について見ていきましょう。

 

 三重大学医学部の入試制度には、前期一般入試(75名)、後期一般入試(10名)、推薦入試(40名)があります(カッコ内は募集人員)。全国的に医学部の後期試験が廃止される流れにある中で、本医学部では引き続き実施している点は要注目です。

 この記事では、受験者数が最も多い前期一般入試について取り扱うこととします。

 

 センター試験と二次試験の各科目の配点は、

【センター】国語:100点 社会:100点 数学:50点×2 理科:100点×2 英語:100点

【二次試験】数学:200点 理科:100点×2 英語:100点 面接:100点

であり、センター試験が600点、二次試験が700点の計1300点満点で計算されます。ちなみに、「面接の評価によっては、総合点の順位にかかわらず不合格とする」と募集要項に明記されているため注意しましょう。

 

上記の配点から分かるように、理科の点数が1300点中400点、すなわち約3分の1を占めるため重要度が高いです。一方で、理系学部としては珍しくセンター試験の数学の配点が低いため、医学部受験を考えておりセンター数学に不安を抱える方は選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか?

 

 数学については大問4つで構成され、制限時間は120分です。各大問は2~4つの小問に分かれ、誘導に従って解き進めていくことになります。

 

 解答はすべて論述形式で、A3判の用紙1枚につき2題解答するようになっています。毎年計算の複雑な数学Ⅲの積分や証明問題が出されているため、記述量はやや多めです。

 

 問題の難易度としては標準的なものが中心で、1題に30分かけられることから、比較的余裕のある条件といえます。しかし、他の医学部と比べて、証明問題の出題頻度が高いため、様々な論証の手法を身に付けておかなければ対応できません。また、数学Ⅲの積分では計算処理の能力で点数に差がつくため、普段の勉強から手を動かして練習をしましょう。

三重大学医学部の数学の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

続いて、三重大学医学部の過去の合格最低点のデータや他の科目の難易度をもとに、数学では何点を取ればよいか考えてみます。

 

三重大学医学部の合格最低点は、

平成30年度:1075.40点 平成29年度:1056.70点 平成28年度:1045.90点

平成27年度:1057.60点 平成26年度:1062.30点

となっています。

 これらを鑑みると、1300点中1100点(約85%)取れば合格圏といえます。医学部受験の中でも、特に高得点帯の勝負となっています。

 

 このとき、センター試験で600点中520点(約87%)取れたと仮定すると、二次試験では700点中580点(約83%)得点しなければなりません。

 他の科目の難易度も考慮すると、それぞれ、

数学:170点 理科2科目:170点 英語:160点 面接:80点

とするのがオーソドックスな戦略となるでしょう。

 

 数学では200点中170点(85%)が目標点ということで、ミスが許されないことがお分かりいただけると思います。計算ミスが起こりやすいのは、既にお伝えしているとおり、数学Ⅲの積分の問題です。いかに手早くかつ正確に計算を処理し、余った時間で証明問題の考察をできるかどうかで合否が分かれる試験といえます。

三重大学医学部の数学の出題傾向は?

さて、三重大学医学部の数学では、どのような問題が出されるのでしょうか?【超頻出単元】、【頻出単元】、【要対策単元】に分けて出題傾向を見ていきましょう。

 

【超頻出単元】

・積分法(数学Ⅲ)

 医学部受験に限らず理系学部で重要なのが数学Ⅲの積分の問題ですが、三重大学医学部も例に漏れません。その中でも定積分で表された関数を扱うものや、回転体の体積に関するものが、およそ半々の頻度で出されています。

 定積分で表された関数の問題では、部分積分といった計算方法や絶対値を含む場合の処理は身に付けておかなければなりません。そのうえで、関数の最大最小について微分法を用いて調べたり、不等式の証明に持ち込んだりするのが定番の流れです。定積分で表された関数を文字式に変換できるかどうかがカギとなるので、様々なパターンに触れて解法の引き出しを増やしておきましょう。

 回転体の体積は、x軸、y軸のまわりに回転させる一般的な状況設定が多いため、医学部受験生としては得点源としなければならないでしょう。計算ミスだけはしないように、丁寧に解き進めてください。

 

・指数関数・対数関数

 三重大学医学部では、指数関数・対数関数をテーマとする問題や、解法の中にこれらの考え方を応用する場面が多々見られます。指数・対数方程式の解法や対数の底の変換といった基礎的事項を押さえておくことはもちろんのことですが、指数で表された数式のlogを取る発想が浮かぶかどうかは受験者間で差がつくポイントです。指数関数・対数関数の問題で行き詰ったとき、上記のような着眼点から解法が見いだせないか考えてみると道が開けるかもしれません。

 

【頻出単元】

・図形と計量

 図形と計量の問題では、三角関数も密接に関わってきます。二倍角の公式や余弦定理・正弦定理といった、図形問題に絡みやすい手順についてはよく理解を深めておきましょう。さらにそこから進んで、三角関数の最大・最小や合成を用いる問題も多いため、大学の過去問等を活用して実戦力を養成することも欠かせません。

 加えて、メネラウスの定理のような図形の性質についての定理も、とっさに使えるようにしておくと心強いです。定理は基本的には知らなくても、ベクトルなど別の手段で解くことができる場合がほとんどですが、答えに行きつくまでの時間は圧倒的に違います。センター試験でも重要な単元ですが、二次試験前にも改めて確認しておくとよいでしょう。

 

・2次関数

 2次関数そのものが大問の中心を占めることは少ないですが、問題を解き進めるうちに二次方程式の解の配置や最大・最小に行き着く問題が頻出です。特に三重大学医学部では指数関数・対数関数を扱う問題が多いですが、文字の置き換えにより二次関数に変換される場面がよく見られます。二次関数の最大・最小は方程式を平方完成してグラフの概形を描けば、あとは文字式の取り得る値の範囲にさえ注意すれば容易に判断できますが、解の配置では丁寧な場合分けが求められるため注意が必要です。類題で研究をして本番に臨みましょう。

 

【要対策単元】

・複素数平面

こちらは取り立てて頻出というわけではないのですが、新課程に対応した入試制度が導入された平成27年度以降で平成30年度に初めて出題されたため、要対策単元として紹介しています。この先数年は動向を注視していかなければなりませんが、はっきりとした傾向が表れるまでは、複素数平面のどのような分野から問題が出されるか予想できないため、標準問題については一通り対策しておいてください。

お勧めの三重大学医学部の数学の対策方法

最後に以上を踏まえた、三重大学医学部の数学の具体的な対策法をお伝えします。

 

 まずセンター試験までは、数学の全分野の標準問題を完璧に解けるようにしましょう。三重大学医学部の数学は誘導が丁寧であり、典型問題の解法を知っていれば答案の方針に迷うことは少ないはずです。

 一方で、計算の煩雑な数学Ⅲの積分や証明問題が必出でもあります。普段の勉強から手を動かし、二次試験を意識した解答を作成する練習を積むことが欠かせません。

 

 この時期におススメの問題集は、『入試数学理系の核心』(Z会出版)です。問題を見たら解法が浮かぶ程度にまで繰り返し取り組んでください。もし分からない問題がなくなるまで内容をマスターすることができたら、さらにもう一段階上を目指して他の問題集に移るのも良いでしょう。

 また数学Ⅲの積分に関しては、『1対1対応の演習』(東京出版)も練習に役立ちます。問題集の名のとおり、テーマごとに1対1対応で解法がまとめられています。数学Ⅲの積分では、パターンを意識すると知識が整理されるので、三重大学医学部の数学では高い効果を発揮することが期待されます。

 

 なお、「1対1対応の演習」の特徴については、別記事「「1対1対応の演習」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」をご参照ください。

加えて、より詳細な問題集の使い方についても、過去記事「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」で紹介しているので、是非参考にしてください。

 

 センター試験終了後は、二次試験に向けた勉強にシフトします。具体的に行っていただきたいのが、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・問題集を用いた苦手分野の克服

の3つです。

 

 二次試験まで約2カ月となり、最短ルートで最大の効果をあげたいと誰しもが思うはずです。そこで意外にも大切なのが、志望大学の過去問の分析です。残りの期間で数学の全範囲の復習をすることは不可能で、できたとしても非効率的です。そうではなくて、自分の受験年度に出題されそうなテーマや頻出にもかかわらず苦手な分野を洗い出し、それらを重点的に勉強すべきです。この意味で、過去問分析は欠かすことのできない作業といえます。

 

 過去問分析が終わったら、いよいよ大学の過去問にチャレンジしてみましょう。実際に問題に挑戦することで分かる自身の苦手なポイントや、本番でどれくらいの記述量が求められるかといった様子を知ることができます。このとき、必ず時間を計って解くことを強く勧めます。入試では問題が解けるだけでなく、時間内に終わるかどうかも合否の分かれ目です。時間を意識して対策ができるのは過去問を解くときだけなので、1つ1つの過去問を大事にしながら解き進めましょう。

 

 同時並行で、苦手分野の克服に取り組んでください。過去問分析により、おのずと自分が対策しなければならない分野の優先順位が洗い出されるはずです。それに基づいて一つずつ穴を埋めていきましょう。2カ月あれば十分に実力をつけることができるので、焦らずに勉強を続けることが肝要です。

まとめ

三重大学医学部の数学の傾向と対策法のポイントは、

①大問4つに対して、制限時間は120分

②各大問には2~4つの小問が与えられ、誘導に従って解き進めていく

③解答はすべて論述式で、A3判の解答用紙に2題ずつ解答していく形式

④計算の複雑な数学Ⅲの積分や証明問題が多いため、記述量はやや多め

⑤問題の難易度は標準的

⑥目標は200点中170点(85%)

⑦出題傾向は、

超頻出単元:積分法(数学Ⅲ)、指数関数・対数関数

頻出単元:図形と計量、2次関数

要対策単元:複素数平面

⑧センター試験までは、数学の典型問題の解法をすべて身に付ける

⑨センター試験終了後は、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・問題集を用いた苦手分野の克服

を行う

の8つです。

 

三重大学医学部の数学は標準的な問題が多いながらも、計算力や論証の力を求められる問題が重要視されており、差がつきやすい構成です。公式なども単に暗記するだけではなく、導出過程を理解することにより入試本番で初見の証明問題があっても、その流れを応用できることもあります。思わぬところにヒントは隠れているので、日々興味のアンテナを広く張って、数学を楽しみながら勉強してください!!

 

 

本記事内で登場した過去のオススメ記事

「「1対1対応の演習」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」


 

「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」


 

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本記事で登場したお勧めの問題集・参考書

『入試数学理系の核心』(Z会出版)


 

『1対1対応の演習』(東京出版)


コメント..

  
  
  • 以前三重大学の分析を依頼したものです。まさかこんなに早く記事にしてくださると思ってなかったので嬉しいです。参考にさせていただきます。ありがとうございます。

    • 医学部受験の教科書の石戸です。
      ご丁寧にお礼のご連絡をありがとうございます。
      本記事がご参考になればお役に立てて私も嬉しく思います。
      また、リクエスト等ございましたら、遠慮なくおっしゃってくださいませ。
      応援しております!

  •   
  

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