医学部再受験生専用勉強マニュアル ~英語編~
英語なんて長い間触れていないけど、どこから手を付ければいいの?
そんな再受験生であっても、一年以内に国公立・私立の医学部に合格するだけの実力をつけるための方法をご紹介します。
再受験生は英語が得意?
一般的に再受験生は、他の科目に比べると英語の点数は取りやすいようです。
一度大学を出た再受験生であれば、大学の講義で高校生の扱う英語よりレベルの高い英語の教育を受けています。
また、社会人になってからも昇進試験にTOEICが課されるなど、数学や理科に比べると学生が終わった後でも触れる機会が多くなります。
以上の理由から、再受験の勉強を始めてすぐにセンター試験の過去問を解いても、意外と高得点が出たりします。
つまり英語に関して言えば、現役生や浪人生にも遜色がないレベル、あるいはアドバンテージすらあるといえます。
このようなケースにあてはまる再受験生は、時間を掛けずに英語を得意科目にすることが可能です。時間を掛けずに英語を得意科目にする4つの手順をご紹介致しましょう。
手順1.知っている単語数を増やす(勉強開始~二次試験)
勉強を始めるにあたって、まずは単語力をつけましょう。
いくら英語が得意であっても、やはりブランクがあると英文を読むスピードが落ちていたり、単語の抜けがあったりするものです。
単語帳を使って英語に触れ、思い出していく作業は再受験生にとっては特に効果的です。
さらに、長文を読むうえで知っている単語が多いほうが楽になるのは、言うまでもありません。
レベルとしては医療英語が出題される単科の国公立・私立医大等でなければ、通常レベルの単語帳で十分です。
おススメの単語帳は『速読英単語必修編』と『速読英熟語』です。
これは長文を題材に、出てくる単語をピックアップしてまとめてあります。
そのため、英文を読む・単語を覚えるという2つの作業を一度に行うことができます。
単語帳は隙間時間を有効に活用して、勉強開始から二次試験まで何周も回してください。
予備校までの通学時間、勉強に疲れたときの気分転換、寝る前の15分。
毎日続けることで、一年積み重ねれば大きな違いとなります。
手順2.「読んで分かる」を鍛える(勉強開始~センター試験直前期)
センター試験直前期までは単語の勉強と同時並行で、長文の読解の演習を繰り返しましょう。
旧帝大以上の大学出身者であれば、細かい文法事項を確認し直すのは不要です。
1年以内の合格を目指すのであれば、長文を使った演習で、分からない文法事項を都度確認していく方が時間の節約になります。
使う題材としては大学の過去問や、予備校の読解のテキストで良いです。
一方で、もし英語が得意でなく、文法等の基本に不安がある場合は、『新TOEIC TEST 英文法スピードマスター』を読んでみてください。
これはTOEICを受験する社会人向けに書かれており、時間を掛けずに網羅的に英文法のおさらいをすることができます。
ただし、短期間で読破することを目的に作られている参考書なので、非常にあっさりとした内容です。
これを読んでもピンとこない場合は、英語を短期間で完成させることはあきらめましょう。
予備校に通うか、プロに相談して参考書で文法の勉強を一から始める方が現実的です。
手順3-1.センター試験の対策をする(センター試験直前期)
英語は数学や理科に比べて、センター試験と二次試験の問題の質の差が大きい科目です。
国公立医学部の二次試験では長文の読解や英作文が中心となります。
それに対してセンター試験では、細かい文法事項を聞かれ、リスニングもあります。
他の科目では二次試験の勉強の通過点にセンター試験がありますが、英語はセンター試験は全く別の試験というイメージです。
したがって英語は多少早めにセンター試験の対策に移る方がよいでしょう。
具体的には11月半ばから専用の参考書を読み始めてください。
是非使ってもらいたいのが『センター試験 英語(文法・語句整序・発音・アクセント・リスニング)の点数が面白いほどとれる本』です。
特にセンター試験で特徴的な問題が、発音・アクセントに関するものです。
ある程度実力のある(戻ってきた)再受験生であれば、長文読解や語句整序については、ほとんど正解できるはずです。
ところが、発音・アクセントに関しては、普段から意識して勉強するのは至難の業です。
また、細かい文法事項もマニュアル通り進めた再受験生は勉強ができていないはずです。
この参考書では発音・アクセントについても、間違えやすい単語や混同しがちな単語がまとめられています。
文法の項目では、センター試験で頻出のパターンや短時間で答えにたどり着くための考え方を学ぶことができます。
ここで一度に頭に詰め込んでしまってください。
参考書自体は分厚いですが、必要な部分(文法・発音・アクセント)だけ読めばよいので、意外と早く終わらせることができます。センター試験本番までに2~3周は読み込むようにしましょう。
手順3-2.リスニング対策をする(センター試験直前期)
次にリスニングの対策についてです。
とはいいつつも、これにはほとんど時間をかけるべきではありません。
配点の面でもセンター試験全体に占める割合は低く、二次試験でリスニングが出題される大学はほとんどないからです。
そもそも多くの人が、読み・書きの能力と聞く能力は全く別物だと勘違いをしています。
実はリスニング力は、英語の読解力・文法力に比例しているのです。
この時期までしっかりと読解演習を繰り返し、単語・文法知識を固めておけば、特段の対策は必要ではないといっても過言ではありません。
少なくともセンター試験レベルのリスニングであれば、100%聞き取れなくても、文脈・文法知識から答えにたどり着くことが可能です。
したがって試験中も一度聞いて内容が分からなくても、安易に当てずっぽうに解答用紙にマークするなどということはやめましょう。
選択肢を読む際にも頭をフル回転させて、少しでも正解の可能性の高い選択肢を見つけ出してください。
それでも何もせずに本番に臨むのは確かに不安があります。
不安を解消する意味で、12月半ばからセンター試験の過去問や実戦形式の問題集を使って、何セットかリスニング問題を解けば十分でしょう。
加えて、移動時間などに洋楽を聞いて英語に耳を慣らすのも効果的です。
これであれば他の科目の勉強時間を減らす必要もありません。
ただし、意味の分からない洋楽をBGMとして聞き流しているだけでは意味がありません。
事前に歌詞とその意味を調べておき、対応させながら聞いてみてください。
海外ドラマや映画を見て勉強したという話も聞きますが、短期合格を目指す再受験生にはそのような時間はありません。
手順4.英作文を「書く」練習をする(~二次試験)
センター試験終了後は、二次試験に向けた勉強を開始しましょう。
先ほどもご紹介したとおり、択一式のセンター試験とは異なり、二次試験では長文読解と英作文を中心に出題されます。
長文読解にも記述式の問題がありますが、これまで読解演習を繰り返してきたあなたであれば、さほど苦労しないはずです。
しかしここから重点的な対策が必要となるのが英作文です。
再受験生にとって壁となるのが「書く」という作業です。
あなたもスマホでメールを頻繁に使っているはずなのに、手で漢字を書こうとすると出てこない。
こんな経験はありませんか?
つまり読んだり聞いて理解できる能力(インプット)はあっても、実際に書ける能力(アウトプット)には直結しないのです。
この点、英語を「書く」ということを現役以来行っていないことも、再受験生の場合は考えられます。
よって、この最後の追い込みの時期では、ひたすら英語を「書く」練習をしてください。
英作文は日本語を英訳する和文英訳と、設定されたテーマについて自分の考えを書く自由英作文の2種類に分類されます。
和文英訳はあなたの受験予定の大学の過去問や問題集を使って、書けない単語や文法の確認等をしていきましょう。
大学によって問題のレベルにばらつきがあるので、問題集を選ぶ際に要確認です。
自由英作文についても、専用の参考書があるので、長い文章を書く上でのテクニックや便利なフレーズを覚える必要があります。
段落をつなぐ際の言い回しなどは、勉強しておかないととっさに書くことはできません。
書く内容はこだわらず、自分の使える英語の範囲で構文や単語のミスがないように書くのがよいという意見もあります。
これは誤りです。
大学入試の英語はその道のプロが問題を作り採点もするので、ある程度の英語力を求められます。
中学生レベルの英文を並べてミスがなくても高得点は望めないでしょう。
やはり参考書等を使って、書くことのできる英語の幅を広げておくことをお勧めします。
さらに、ある程度ひな型を作っておいて、与えられたテーマに沿ってその内容を変えていくようにすれば、落ち着いて本番を迎えられます。
また英作文については必ず英語の講師に添削してもらうようにしましょう。
ビジネス英語と異なり、英作文は「内容が伝わるか」だけでなく「文法的に正しいか」かもチェック項目に入っています。
どこが間違えているかわからなければ、改善することはできません。
こればかりは独学ではカバーできません。
予備校に通っていない再受験生でも、Z会等の通信添削もあるのでぜひ活用しましょう。
繰り返しになりますが、この時期はとにかく書き続けることです。
手に感覚を覚えこませる勢いで勉強してください。
まとめ
再受験生の英語の勉強マニュアルをまとめると以下になります。
手順1.単語力の向上
手順2.読解力の向上
手順3-1.センター試験対策(文法・発音・アクセント)
手順3-2.リスニング試験対策
手順4.英語を「書く」能力の向上
あなたにも現役生や浪人生にはないアドバンテージがきっとあるはずです。
英語でも他のライバルに負けないような高得点を狙ってみてください!!
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