【医学部受験生必見!】センター試験国語で160点以上を取る勉強法(古文・漢文編)
国語の苦手な受験生にとって、生命線ともいえる古文・漢文。
本日は試験傾向を踏まえて、高得点を取るための勉強法を紹介します。
センター試験の国語における古文・漢文
センター試験は全科目マーク式で、大学進学を志す全国の約50万人が受験します。
センター試験の受験が医学部の二次試験への出願の条件となるのが一般的ですが、必要となる科目は大学により様々です。
例えば、国立大学医学部を受験するのであれば、数学Ⅰ・A、数学Ⅱ・B、英語、国語、理科2科目、社会1科目が通常課されます。
配点は、英語と国語が200点満点、その他は100点満点です。
つまり、国立大学の場合、センター試験は900点満点となります。
しかし、大学ごとにセンター試験と二次試験の配点の比率等が異なるため、志望大学でどのようになっているか、必ず事前に調べましょう。
さらにこのばらつきは、私立大学ではより顕著に見られます。
以上の理由から、センター試験は受験生の志望大学の選択に大きな影響を与える試験です。
国語に関しては、さらに現代文と古文・漢文に大別されます。
現代文と古文・漢文の配点はそれぞれ100点で、合計して200点満点となります。
センター試験における国語の配点は高いですが、理系の医学部受験者は国語が苦手な場合が多いのが実情です。
その中で、古文・漢文は現代文と比較すると勉強量と得点が比例しやすいため、しっかり対策をすれば高得点を狙える科目です。
古文・漢文のできが、国語、ひいてはセンター試験全体のできを左右することもあります。
センター試験古文・漢文の出題形式
センター試験の国語の制限時間は80分で、その中で現代文、古文・漢文の全てを解きます。
大問は4つで構成され、大問1、2が現代文、大問3が古文、大問4が漢文です。
いずれも小問が6つ出題され、配点は各大問50点ずつです。
古文・漢文に関しては、語句の解釈、文法的知識、内容に即した質問等が5択で問われる形式です。
仮に練習不足で、文章が理解できないことには手も足も出ません。
当たり前ですが、古文・漢文は現代使われている日本語のもとになったとはいえ、ほとんど外国語同然です。
一方で、現代文とは異なり、複雑な心情説明等の問題は出ないため、本文の内容さえつかめれば解答は容易です。
つまり、文章を読むルールと一定の単語さえ修得すれば、高得点が狙えるのです。
ただし、内容説明の問題の配点は大きいため、慎重に解くようしましょう。
センター試験古文・漢文で目標とする点数
次に、センター試験の国語の中で、古文・漢文は何点を目指せばよいか考えてみましょう。
国公立医学部の合格者のセンター試験の平均点を見てみると、およそ810/900(90%)となっています。
よって合格最低点以上を取ることを考えるのであれば、少なくともセンター試験では780/900(約87%)稼ぎたいところです。
結論としては、医学部志望の受験生は、
数学2科目:180/200、英語:180/200、国語:160/200、理科2科目:180/200、社会:80/100
を取ることを目標としてください。
これらを踏まえると、次の2パターンで戦略を立てることになります。
すなわち、現代文の得手不得手により、得意な受験生は現代文で80点、苦手な受験生は70点を目指してください。
このとき、古文・漢文については、現代文が得意な場合は80点、苦手な場合は90点取れば、合計で160点に達することになります。
しかし、既にお伝えした通り、古文・漢文は時間を割いただけ得点に結びつきます。
したがって、現代文で80点を目指す場合であっても、古文・漢文ではできる限り90点を目指すようにしてください。
配点を考えると、文法的知識を2つまで、あるいは内容説明の問題を1つまでしか間違えられないことは押さえておきましょう。
センター試験古文・漢文の出題傾向
古文に関しては、設問1は傍線部の解釈、小問2は助動詞、敬語等の文法的知識に関する問題で固定されています。
忘れてはならないのが、傍線部訳では辞書的な意味だけでなく、本文に即した意訳をする能力を求められる点です。
傍線部だけを見て判断するのではなく、しっかり前後関係を掴んだうえで解答しましょう。
続いて、設問3~6は本文の内容や登場人物の心情に関する問題が並びます。
ちなみに、和歌が本文中に出てくると、ほぼ間違いなく設問3~6のいずれかで解釈や修辞法等が問われます。
次に、漢文に関しては、設問1、2は傍線部の訳・解釈や読み方に関する問題で、こちらも固定されています。
設問3~6は本文の内容について理由説明や文章の要旨等について問われます。
頻出なのが、白文に傍線が引かれ、返り点の打ち方と解釈を問う問題です。
ほぼ出題されると分かっていながら、点数を落とすのはもったいないので、苦手な受験生は対策を怠らないでください。
漢詩については、古文の和歌に比べると頻出度は低く、出題歴を調べると、ほとんど押韻の知識を活用して解答する問題です。
頻出度が低いとはいえ、覚えるべきポイントは少ないので、センター試験直前期におさらいしておきましょう。
センター試験古文・漢文の対策法
センター試験の古文・漢文は、まずは「土台」となる知識を身につけ、その後、文章題に取り組んで実践的に練習することで力が付きます。(「土台」が具体的に何かは後述します)
もしあなたが「土台」がしっかりしていない心当たりがあるのであれば、必ず早急に対策を始めてください。
具体的には、教科書や参考書等を用いて、10月頃から「土台」を固め、12月には問題演習を繰り返せるレベルにしましょう。
また、古文・漢文に自身のある受験生は、改めて「土台」固めに時間を割く必要はありませんが、苦手な受験生同様に、12月からは実戦練習での知識の確認は必須です。
実戦練習は、センター試験の過去問や各予備校が出版する実戦問題集を使用してください。
必ず時間を計って現代文、古文・漢文の全てに取り組み、時間配分の練習や難易度の確認をしましょう。
本番までに6~8セットできれば十分です。
古文・漢文の「土台」
さて、古文・漢文の勉強法では、「土台」を固めたうえで演習をするようにお伝えしましたが、「土台」とはそもそもどのようなものでしょうか?
古文については、
・活用、助動詞、助詞および文法的意味の説明
・敬語
・和歌の修辞法、その他の文法事項(「~を~み」、係り結び等)
・重要単語
の4つが重要です。
特に、助動詞と敬語に関しては意識的に練習をしてください。
これらがしっかり頭に入っていないと、文章の理解に支障をきたします。
助動詞については、高校でも文法的意味の説明で苦しんだ受験生が多く、よく対策されるのですが、敬語に関しては意外と手薄なことがあります。
実は、敬語は古文を読解する際に、大きな役割を果たします。
なぜかというと、古文では現代文とは異なり、会話文で話し手が誰か記載されず、敬語の種類から誰と誰の会話かを判断するシーンが多々あるからです。
話し手と聞き手の判断を誤ると、文章全体の理解に狂いが生じることは、みなさんも経験があるのではないでしょうか?
古文の「土台」作りにおいて、お勧めの参考書は、文法的事項に関しては、『望月古典文法講義の実況中継』(語学春秋社)です。
この参考書は、予備校の授業のように内容が口語体で記載されており、文法的意味の説明についても、間違えやすいパターンなどがまとめられています。
単語については、『マドンナ古文単語230』(Gakken)を使ってください。
受験生の中には、230語では少ないのではないかと不安に思われる方もいるかもしれませんが、センター試験レベルの文章を読むには十分です。
『マドンナ古文単語230』で基本となる単語を覚え、あとは読みながら語句を増やしていくのがベストです。
漢文の「土台」は、
・再読文字、返り点、置き字等の基本ルール
・漢詩の修辞法(五言絶句、七言律詩等)
の2つが挙げられます。
漢文は、現代日本でも使われている表意文字である漢字で記載され、古文よりも意味の解釈は簡単です。
よって、古文のように単語に時間を割くよりは、文法的知識に関する勉強にウェイトを置くのが賢明です。
語彙は読解問題の中で補完していけばよいです。
漢文の文法事項に関する勉強は、『漢文早覚え即答法』(Gakken)を推薦します。
センター試験直前の総まとめに活用してください。
古文・漢文の勉強は、漫然と参考書を読むのではなく、必ずこれらの「土台」を意識しましょう。
まとめ
センター試験の古文・漢文については、
①センター試験の現代文は200点満点で、そのうち古文・漢文は100点分を占める
②大問3は古文、大問4は漢文が出題される
③現代文が得意な受験生は現代文80点、古文・漢文80点を、苦手な受験生は現代文70点、古文・漢文90点を目指すが、できる限り古文・漢文は高得点を狙う
④古文・漢文の出題内容は、
【古文】傍線部解釈、文法的知識、本文の内容・登場人物の心情説明等
【漢文】傍線部の訳・解釈・読み方、本文の内容の理由説明や要旨等(白文の書き下し文・解釈に関する問題は頻出)
⑤古文・漢文の勉強法は、「土台」を固め、問題演習を繰り返す
⑥古文・漢文の土台とは、
【古文】文法的意味の説明、文法事項、敬語、和歌、重要単語等
【漢文】漢文を読むうえでの基本ルール、漢詩
の6つがお伝えしたい要点です。
医学部受験生には、国語の勉強にたくさんの時間を割く余裕はありません。
センター試験直前期に、古文・漢文の実力を一気につけるよう効率的に勉強しましょう。
逆に、古文・漢文は満点も狙える科目なので、点が取れないと大きく差がついてしまうことにもなりかねません。
国語は苦手だから…と最初からあきらめるのではなく、古文・漢文だけは対策を怠らないようにしてください!!
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