土用の丑の日に鰻を食べる意味について考えてみた

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ここ数日、更新がストップしていましたが、皆さんお元気でしたでしょうか?

 

私はというと、、、

 風邪を引いてしまいました。。。

 熱が出て、咳が出て、コンディション最悪の状態です。

 

 体調を崩すと、生産性が下がるので、皆さんも体調にはくれぐれもご注意してください。栄養が豊富な食べ物を食べようと思ったら、丁度、本日は、「土用の丑の日」なので、鰻を食べることにしました。

 食べながら、「あれ?待てよ??なぜ土用の丑の日に鰻を食べるんだ?そもそも土用の丑の日って何だ?土曜じゃねぇーのか?」と疑問が湧いたので、記事にしました。

そもそも土用とは何か?

土用の丑の日は、「土用」と「丑」に分解することができます。したがって、土用の丑の日の謎を解明するためには、「土用の日」と「丑の日」を1つずつ解読していくが必要だと感じ、リサーチ致しました。

 

・土用の日について

 「土用の日」というのは、陰陽五行の話にまで遡ります。

 五行とは、古代中国で始まった自然哲学の思想です。「世の中のあらゆるものは、木(き)・火(ひ)・土(つち)・金(きん)・水(みず)から構成されている」という思想です。化学の元素という発想も原子という考えもない、古代には、全ての物質は、この5つのものを組み合わせてできると考えられていたようですね。

 そして、世の中のあらゆるものの中には、当然季節も含まれます。季節もこの五行で表すことができるぜ!と昔の人は次のように考えたのでした。

 

 木・・・樹木のこと。樹木の成長・発育するイメージから「春」を象徴している

 火・・・炎のこと。火が燃えているイメージから「夏」を象徴している

 金・・・金属のこと。金属の堅固・確実なイメージから「秋」を象徴している

 水・・・水のこと。命の源泉のイメージから「冬」を象徴している

(正直、「金」と「水」が「秋」「冬」を表している意味はよくわかりませんね 苦笑)

 

 これで、四季の各季節が、割り当てられました。

 「ん?あれ??四季に五行を当てはめると一つ余るんじゃね!」と思ったあなた、正解です。このままでは、「土」が余ってしまいますね。そこで、昔の人は、次のように説明したんです。

「土」は、それぞれの季節の移行期間なんだよと

 調べていて、この発想にはやられましたね。まじか!?と。

つまり、次のように昔の人は考えました。

 

 春(「木」)→移行期間(「土」)→夏(「火」)→移行期間(「土」)

秋(「金」)→移行期間(「土」)→冬(「水」)→移行期間(「土」)→春(「木」)

 

 こうして、見事、一年間の季節の移り変わりも五行で成り立っているんだぜ!となったわけです。

 つまり、一年を5つ(木・火・金・水・土)で分けるので、1つのもつ日数は、

 365日÷5=73日となります。

 

 ただし、「土」は、さらに、各季節の移行期間を表すので、1つの移行期間が表す日数は、さらに4で割った数となります。73日÷4=18.25日となるため、一つの「土」が占める日数は18日または19日となります。

この18日または19日に相当する期間を土用と名付けたのです。

 

 ちなみに、この土用の期間の終わりの日は何と呼ぶかご存知でしょうか?実は、誰もが知る有名な言葉が土用の期間の終わりの日を表しています。

 土用の期間の始まりの日は、「入り」、土用の期間が終わる日は、「節分」といいます。そうなんです。毎年2月3日の節分の日は、この五行からきている、土用の終わりの日。つまり、冬から春への移行期間の終わりの日を表しているそうです。

 (恥ずかしながら、私は節分の日の意味を本日初めて知りました。もっと、好奇心旺盛に疑問を持つ習慣を持っていかなければいけないなと思った次第です 笑)

じゃあ、丑の日って何?

「土用の日」が季節の移行期間を表すことがわかった後で、次は、「丑の日」について考えていきましょう。

 「丑」の日とは、感が良い人は、気がついたかも知れませんが、干支からきているようです。どうやら、紀元前から、一日ごとに、「干支」をあてがってカウントしているそうです。例えば、本日2018年7月20日(金)が「丑の日」であるので、次の日21日は「寅の日」、22日は「卯の日」と、十二支の各日が割り当てられているそうです。

なるほど!では、「土用の丑の日」とは?

2つの謎が解明されました。「土用の日」というのは、季節の移行期間を表し、「丑の日」というのは、十二支をあてがっていった日にちのことを言うのでした。そして、土用という期間は、18日または19日あるので、必ず、どこかに、丑の日が存在します。そこで、この土用の期間の中で「丑の日」に当たる日を「土用の丑の日」と名付けたそうです。

 

 ここでまた、一つの疑問が生じます!十二支は、12周期、土用は、「18または19日」ならば、土用の中に「丑の日」が2回当たることがあるのではないのか!?と。

 

 そうなんです。年によっては、「土用の丑の日」は2回存在するみたいです。例えば、今年2018年の夏の土用の期間も「土用の丑の日」は2日あります。

 

 2018年の夏の土用は、2018年7月20日(金)から8月6日(月)までの18日間。この中で20日(金)が「土用の丑の日」であるということは、そこから、12日後の8月1日(水)も「土用の丑の日」に相当します。

 

 何か、「土用の丑の日」だと思って鰻を食べたら、12日後にまた、「本日も土用の丑の日です」と言われるとありがたみが薄れる気がしますね。

 

なんで「土用の丑の日」に鰻を食べるの?

それでは、「土用の丑の日」の謎がわかったところで、次は、「土用の丑の日」になぜ鰻を食べるのかを検証していきましょう。

 リサーチをしていくと、驚くべきことがわかりました。な、な、なんと、、、

「土用の丑の日」に鰻を食べることは何の意味もなかったのです!!

 「丑の日」だから、「う」がつくものを食べたら良いという慣習の中、どうも鰻が脚光を浴び、鰻を食べることが習慣になった(企業戦略によって習慣にさせられた??)ようです。地域によっては、「う」がつくものを食べるということで、「うどん」を食べるところや「馬の肉」を食べるところもあるそうです。

 

 では、なぜ、鰻を食べることが流行ったのか?

 有力な2つの説を見つけました。

 

その1)大伴家持の歌説

 時が遡ること八世紀。奈良時代に大伴家持の手によって、完成したと言われる日本に現存する最古の和歌集『万葉集』の歌が由来しているという説です。

 『万葉集』の歌の中に、次のような和歌があります。

 いしまろに われものもうす なつやせに よしといふものぞ むなぎとりめせ

(石麻呂に 吾物申す 夏痩せに 良しという物ぞ 鰻取り召せ)

 

 (訳)石麻呂さまに私は申し上げたのだよ。

夏痩せに良いという鰻をとって召し上がりなさいと。

 

 「申す」は謙譲語。「召せ」は尊敬語の命令形ですね。古文の中で、敬語はとても重要なので、しっかり勉強しておきましょうね。きっと石麻呂さんという方は偉い方なのでしょうね。したがって、「石麻呂さま」という訳をつけました。

 

 この歌から、「夏バテに鰻が良い」という話が語り継がれ、夏に鰻を食べるという文化が定着したという説が有力だそうです。

 

その2)平賀源内のひらめき説

 それから時は経ち、時代は、江戸時代。平賀源内という方をご存知でしょうか?平賀源内は、香川県さぬき市の出身の方で、オランダ語、医学、油絵など様々なことを学び、また発明家としても有名な方でした。長崎で手に入れたエレキテル(静電気発生機)を修理したというエピソードが有名です。

 この平賀源内さんは、地元では、何でも知っていると有名な方でした。そこで、儲かっていない鰻屋の店主が平賀源内さんに「どうしたらいいですかねぇ」と相談したところ、「本日、土用の丑の日」とのれんをかけて、鰻を売りなさいとアドバイスして、大ヒットしたという説が残っています。当時テレビもラジオもない時代で、「土用の丑の日」に鰻を食べるという習慣をはやらせたんですから、平賀源内さんが、すごい影響力を持った方だということがわかりますね。

 

 と2つの説を紹介しましたが、個人的には、物知りの平賀源内さんが、万葉集の大伴家持の和歌の鰻の和歌を引き合いに出して、鰻は夏に食べたらいいんだから、夏真っ盛りで「う」がつく、「土用の丑の日」に売りなさいとアドバイスしたと考えたらしっくりくるのではないかと思います。

 

 生きていく上で、「知識」をたくさん持っておくと、どこで生きてくるかわからないですね。色々知っておけば、平賀源内が日本の文化を作ったように、あなたも日本の文化に影響するようなインパクトを及ぼす日がくるかもしれません。些細な知識も未来に繋がるかも知れないと思って、本日も勉強頑張っていきましょう。(何とか、最後勉強につながって良かったです \(^o^)/)

まとめ

本日は、「土用の丑の日」の意味と「土用の丑の日になぜ鰻を食べるのか?」について検証しました。

 「土用」というのは、季節の移行期間を表し、18日または19日の期間を指します。その中で、十二支があてがわれた「丑の日」に相当する日を「土用の丑の日」と定めたのでした。

 

 「なぜ、鰻を食べるのか?」という理由は特になく、万葉集の歌から取ったという説や、平賀源内が江戸時代に鰻屋さんの商売を助けるために知恵をかしたという説が残っているようです。物知りな平賀源内さんが万葉集の歌を引き合いに出して、鰻を夏に食べる、それも「う」がつく「丑の日」にとこじつけたと考えるとナチュラルな流れになりそうです。考えてみたらポッキーの日も、作られたものですもんね。それと同じような感じなのかも知れません。

 

 勉強のサイトとして学べることと言えば、万葉集が現存する日本最古の和歌集であること。それは大伴家持が完成させたこと。平賀源内がエレキテルを修理して発明したとされていること。という社会の知識。

 古文では、敬語が大切だから、敬語を勉強しておきましょうということ。

 そして、些細な知識が将来役に立つ日が来るかも知れないということでした。

 何気ない日常生活の中でも疑問を持ち新しい発見をして、知識をどんどん増やしていって頂ければと思います。

 

 

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