香川大学医学部の数学の傾向と対策
医学部の中には、医学部専用の問題を課す大学があります。今回は、その1つである香川大学医学部の数学の傾向と対策を紹介いたします。
香川大学医学部の数学の試験形式・配点は?
香川大学医学部の数学試験の制限時間は90分で、大問は全部で4つです。
それぞれ2~5個の小問に分かれ、すべて記述式となっています。
配点は、センター試験900点満点、二次試験700点満点の計1600点満点です。
具体的なセンター試験と二次試験の点数配分の内訳は、
【センター試験】
英語200点、数学2科目200点、国語200点、理科2科目200点、社会100点
【二次試験】
英語200点、数学200点、理科2科目200点、面接100点
となります。
他の国公立大学と比較すると、香川大学は全体の点数に対するセンター試験の割合が、かなり高いといえます。
したがって、香川大学医学部を志望する場合には、センター試験で高得点を取り、そのまま逃げ切るのがオーソドックスな戦略です。
裏を返せば、センター試験で失敗した場合は二次試験で逆転が厳しくなるため、出願を避けた方が無難です。
センター試験で取るべき得点率の目安は88%と考えてください。
とはいえ、二次試験の数学は全体の1/8を占めるため、疎かにすることはできません。
数学で失敗しないために、しっかりと傾向を押さえ、抜かりなく準備をしましょう。
香川大学医学部の数学の問題の難易度と合格に必要な得点率は?
それでは香川大学医学部に合格するために必要な点数について考えていきましょう。
香川大学医学部の合格最低点を見てみると、1600点満点中では、
2017年度:1239.0点 2016年度:1253.8点 2015年度:1305.6点
となっており、平均を取ると1266.1点です。
つまり、全体としては約8割得点できれば合格と言えます。
このとき、上述したように、センター試験で795点(約88%)取れたと仮定すると、二次試験では471.1点が必要となります。
今回は、簡単のために470点を取ることを目指すこととします。
これを踏まえて、数学の問題を分析してみましょう。
香川大学では医学部医学科は専門の問題が出題されます。
そのため、他の学部に比べて、数学の問題のレベルが高くなる傾向があり、標準からやや難しいレベルの問題が並びます。
また、毎年必ず証明問題が出題されたり、微分の問題の小問中に整数の問題が組み込まれたりするなど、高得点を狙いづらい問題構成です。
以上から、結論としては、二次試験の数学は、200点中130点を取ることを目指してください。
香川大学医学部の数学の頻出分野は?
次に、二次試験の数学の出題傾向について、【超頻出単元】【頻出単元】【要対策】に分類してまとめます。
【超頻出単元】
・微分法、積分法
毎年出題されている単元であり、必ず練習が必要な単元です。
曲線や直線で囲まれた部分の面積や回転体の体積の求積はまず間違いなく出題されます。
過去には、微分を用いた関数と直線の交点の数を調べる問題が出されたこともあります。
【頻出単元】
・図形の性質
・平面ベクトル、空間ベクトル
2年に1度程度の頻度で出題される単元です。
特徴的なのが、図形の性質に関する問題がよく出題される点です。
二次試験で図形の性質を問う国公立大学は少ないため、香川大学医学部を志望する場合は、重点的に練習をする必要があります。
【要対策】
・整数
・数列
・場合の数、確率
頻出ではありませんが出題歴があり、その中でも本番で差が付きやすい単元です。
整数の問題はパターンがあまり多くないため、事前の対策ができていれば、得点源に変えることも可能です。
数列は計算が雑多になるものの、あてはめにより回答が正しいか確認できるため、慎重に解き進めましょう。
その他、特筆すべきこととしては、
・毎年度、証明問題が出されていること
・幅広い単元から出題されていること
が挙げられます。
上のような特徴・傾向から、香川大学医学部の数学は、直前期の対策だけでは対応できません。
普段から穴を作らない勉強や数学の論理的思考力、記述力を養うような勉強が不可欠です。
香川大学医学部の数学の試験は、医学部専門の問題が出題され、レベルは決して低くありません。そのため、もし数学が苦手であったり、計算力に不安がある場合は、香川大学の受験を避けた方がよいでしょう。
ちなみに、新課程導入前の2014年度までは数学Ⅲの行列が出題されていたが、2015年以降では行列に代わり新たに課程に入った複素数平面は、今のところ出題されていません。
お勧めの香川大学医学部数学の対策方法
最後にお勧めの香川大学医学部の数学の対策法をお伝えします。
既にお伝えしたように、センター試験までは、網羅的な勉強が重要になります。
そして、センター試験終了後は、
・出題の可能性が高い単元を分析する
・単元を絞って問題集で練習をする
・香川大学医学部の過去問で演習を繰り返す
の3本柱で勉強を進めてください。
出題の可能性の高い単元は頻出の問題の項でまとめましたが、自分でも赤本に目を通して確認をしましょう。
頻出分野以外の出題歴や、問題の雰囲気はやはり自らの目で見ないと確かめることはできないからです。
問題集を使った練習については、幅広い分野から出題の可能性があるとはいえ、直前期に全範囲の復習をすることは不可能であり、できたとしても非効率的です。
したがって、頻出の単元及び出題の可能性があり苦手な単元をあらかじめ洗い出しておき、その分野に特化して取り組む方が効果的と言えます。
その際にお勧めの問題集は、『入試問題集』(数研出版)です。
単元ごとに章分けされているので、単元を絞った勉強には最適な問題集です。
特に証明問題には意識的に取り組み、証明法や記述のポイントをおさらいしておきましょう。
過去問については、必ず時間を計り、本番と同じ条件で取り組んでください。
過去問を使った実戦演習を通して、問題の難易度を肌で感じ、時間配分の練習をします。
ただし、2015年度以前は教育課程が異なるため、練習には使えないことに注意してください。
まとめ
香川大学医学部の数学についてまとめると、
①200点中130点を目指す
②問題は医学部専用であり、高得点を狙うことは難しい
③毎年必ず証明問題が出題される
④頻出単元は
・超頻出単元…微分法、積分法
・超頻出…図形の性質、平面ベクトル、空間ベクトル
・要対策…整数、数列、場合の数、確率
⑤対策方法は、
・過去問分析をし、対策する単元を選ぶ→問題集で練習
・赤本で過去問(2015年度以降)を、時間を計って解く
⑥数学が苦手な場合は、他の大学を受験することも選択肢に入れる
の6つがポイントです。
香川大学の数学は、決してレベルが低くはありません。
反対に、数学が得意な受験生であれば、ライバルたちに大きく差を付けられる科目とも言えます。
まずはあなたの得意・不得意を基準に、どのような戦略で受験に臨むかを考えてみましょう!
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