勉強は量か?質か?医学部受験のプロがインタビューを受けました

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受験の世界で、よく議論になるテーマの1つに、「勉強は量か?質か?」というテーマがあります。
成績を伸ばすのに、量、すなわち「勉強時間」が大切か?それとも、質、すなわち「効率」が大切か?というものです。本日は、このテーマについて、バーチャルインタビューという形で、医学部受験のプロ(=あ、私です)がお送り致します。
ちなみに、勉強の「質」って何か?について先日記事を書いたので、「質」とは何か?が気になる人は先に下記の記事をご覧ください。

 

本日は医学部受験のプロである石戸先生をお招きしています

※ このインタビューは、実際に行われたものではなく、バーチャルインタビューです。

 

田中アナウンサー(以下「田」)

「本日は、医学部受験のプロである石戸先生をお招きしています。石戸先生こんにちは。」

 

石戸(以下「石」)

「こんにちは!よろしくお願いします!!」

 

「さて、本日も、石戸先生にズバッと答えて頂きましょう。本日のテーマは受験界でもよく話題になっている、あのテーマです」

 

「ざわゆうさんが「アプリで恋して何が悪い」をやりながらでも、医学部に合格できるのか?って件ですか??」

 

「違いますよ!受験界での永遠のテーマ「勉強は量か?質か?」についてですよ。医学部受験ってすごく難しいんですよね?じゃあ、何となくだけど、医学部に行きたい人は皆、勉強しているわけだから、質の方を磨いていかなければ合格できないと思うんですが、、、量と質どちらが大事ですか?」

世の中、愛か?お金か?

「なるほど、勉強の量と質、どちらが大事か?ですね。その答えに入る前に、ちょっと私から質問してもいいですか?」

 

「質問ですか?はい、大丈夫です」

 

世の中で大切なのは、愛だと思いますか?それともお金だと思いますか?

 

「えっ!?それは、、、もちろん、愛ですよ」

 

「なんでですか?良い子だからですか??」

 

「ち、ちがいますよ!!だって、愛があれば幸せに生きれるじゃないですか!お金があっても幸せに生きれるとは限らないですもん」

 

「なるほど。じゃあ、愛があったら、毎日食べるものがなくても、家がなくて寒さに耐えていても幸せなんですね!?」

 

「そ、それは、、、」

 

「少し極端な話をしましたが、かといって、ボクは、お金の方が大切とも思っていません。銀行の通帳に信じられないくらいの預金があって、何でも買えるとしても、喜びを共有することができなければ、幸せだとは思えませんからね。」

 

「???」

 

「何が言いたいの?って顔をしていますね。これは、そもそもの質問が悪いということが言いたかったんですよ。生きていく上で、お金も愛も両方大事だということです。どちらかを選ぶ必要なんてないわけですよ。あえて言うなら、この質問には、欲張って「両方大事!!」って答えるのが正解じゃないかなと思います」

 

「なるほど、確かにそうですね。」

 

「さて、ここで最初の質問に戻りましょう。勉強は質か量か?でしたよね。どちらが大事だと思います。」

 

あっ!勉強の量も勉強の質も両方大事です!!

 

「そうですよね。ボクはそう思います。」

都合よく解釈してしまう受験生

「勉強の質も量も、どちらかが欠けていたら、大きな成果は手にすることができません。実際に、極端な例を考えてみるとわかると思います。量がゼロだったら、、、勉強法の研究ばかりして、『おぉー、こうすれば人が10時間かかることを、私は10分でできるぞ』と興奮しても、勉強しないから、その人はいくらやってもゼロですよね。」

 

「確かに、勉強時間がゼロなら、何も身につきませんね」

 

「逆に、質がゼロだったら、、、人が10分でできることを10時間かけてやる人がいて、その人は努力の鬼で勉強時間は日本で一番だとしましょう。20時間勉強して4時間睡眠。それを繰り返している鬼神。だけど、その人がやっている勉強量は、他の人の1日20分程度に相当する 笑」

 

「確かに、すごく時間がかかりそうですね。けれど、勉強時間がゼロの人よりは、何かが身につくわけなので、質の方が大事なのではないでしょうか?」

 

「確かに、勉強時間がゼロの人と比べると、身につくことはあります。だから、10浪くらいしたら合格することができるかもしれません。けれど、忘れてはいけないのは、大学受験はゴールではありません。効率がゼロで改善しない人って、社会に出てから相当困ると思うんですよね。医学部受験だったら、10浪して医学部に入っても、またそこから6年間の学生生活があるわけだから、医師国家試験に合格するまでに、それから20年かかりましたとかなって、一人前になる頃には定年を迎えますよ 笑」

 

「なるほど、そう考えたら、勉強の量も質もどちらも大事ですね。」

 

「そうですね。ただ、この質問は、その人がどのように考えて受験に取り組んでいるかがわかる指標にはなっています。そういう意味で教える側の先生が生徒さんに、この質問を投げかけるのは意味があると思いますよ。」

 

「具体的に、どういう意味でしょうか?」

 

「つまり、『勉強は質が大事』という人は、

・長時間勉強したくない

・要領よくやることがかっこいい

・頭が良いと思われたい

と思っていたりします。」

 

「なるほど。何となくわかります。」

 

「一方で、『勉強は量の方が大切』という人は、

・努力したら必ず報われる

・大量の問題を解けば成績は上がる

・頑張ることは美徳

と思っていたりします。」

 

「確かに、量が大事って人は、たくさん勉強してそうですもんね。」

 

「そうですよね。だから、自分は、どちらが大事か?と考えたときに、大事ではないと思っている方が弱いわけですから、そこを意識して改善すれば良いと思ったら成績は上がっていくと思います。」

 

「え?どういうことですか??」

 

「例えば、量が大事と思っている人は、とにかくがむしゃらにやればいいと思って、勉強法について時間をとって、考えるということは、あまりしてこなかったのではないかと思います。だから、量が大事だと思っている人は、質の方で改善できることはないかを考えている。一方で、質が大事だと思っている人は、勉強時間を意識していつもより増やしてみる。このように、自分が大事だと思っている反対側を意識すれば量も質も磨かれて大きな力を発揮しますよ。」

 

「なるほど、ちなみに、石戸先生はどうだったんですか?」

量も質も上げる勉強法

「ボクですか!?ボクは、カス受験生だったんで、勉強法でカバーして、少しでも勉強時間が減るようにしたいと思っていた『質』派でしたよ。だから、逆の『量』の方は全然ダメ。浪人中なのに、今日も勉強時間ゼロなんてことは、よくありましたよ 笑。」

 

「浪人しているのに勉強時間ゼロなんですか!?石戸先生は、5年浪人して医学部に合格したと伺いましたが、実際に、石戸先生が医学部に合格されたときの勉強時間はどれくらいだったんですか?」

 

「合格する5浪目には、授業時間を除いて、1日8時間は最低やっていました。」

 

「えー!?どうして、それだけ勉強量も増やそうと思ったんですか?」

 

「それはですね。どうしても、医学部に合格したいと思うようになったからです。3浪目にある事がきっかけで、本気で勉強しようと思ったときに、決めたんです。」

 

「何を決めたんですか?」

 

「その当時、地元の偏差値40くらいの私立大学にも落ちていましたから、医学部は絶望的です。しかし、そこから医学部に絶対合格したいと思ったんです。そのときに、少なくとも、勉強時間は誰にも負けないようにしないと勝てないって思ったんです。勉強の効果って、「勉強の量」×「勉強の質」だと思うんですが、「勉強の質」で人よりも良い、悪いって判断できないじゃないですか?だけど、勉強時間なら、人と比べられる。だったら、少なくとも勉強時間では、人に負けないようにしようと決めたんです。」

 

「なるほど、苦労が垣間見えた気がします」

 

「おそらく、ボクのような人って、たくさんいて、成績はあげたいけど、、、医学部に行きたいけど、、、勉強は面白くないからやりたくないっていう人は多いと思うんですよね。そういう意味で、勉強の質が大事と考えている人はめちゃくちゃ多いと思うんです。しかし、そんなたちに向けてボクが言えるアドバイスできることは、とにかく勉強しろ!ということ。というのも、勉強時間が少ない中で考える勉強の質って、結果的に質が低いんです。

 

「イメージがわかないんですが、具体的にどういうことですか?」

 

「勉強時間を増やせば、色々なことを学び、全然わかっていないということに気がつきます。そうなれば、あれもやらないといけない。これもやらないといけない。という風に、課題が見つかっていくんです。課題が見つかったら、それだけの量に対して「量を絞ることはできないか?」とか「どうやったら、速くできるようになるだろう?」って考えることができるんですよね。具体的な課題に対して、質を考えるのでイメージもしやすいし、実際に量と質が掛け合わされた大きな効果を感じることができるんです。だから、勉強時間が少ない人は、まず、方法論を探すよりも、まず勉強時間を増やすことをおすすめしています」

 

「よくわかりました。具体的な課題が出たから、工夫しようともより思えるっていうのもあるんですよね。」

 

「そうですね。具体的な課題が出てきたら、やる必要性を感じるから、勉強していない時間、例えば、ご飯を食べているとき、お風呂に入っているときでも、勉強法(質)について、考えるようになります。あっ、こうすれば時間短縮できるなとか、これやったら、あれはやらなくていいなとか、こうやったら、復習しやすくなるなとか。その積み重ねによって、質も磨かれていくんだと思います。だから、まずは量をこなす。そして、やりながら、質を磨く。これが、受験に限らず、何かを達成するときの王道だと考えています。

 

「なるほど。大変、よくわかりました。勉強には、質も量も大切。そして、まずは量をこなし、やりながら質を磨いていく。そうなれば、成績がどんどん上がっていくということですね。」

 

「そうですね。よく、成績が上がるカーブって、直線じゃなく、後半にグンッと伸びるって、言われるじゃないですか。指数関数的に伸びるという言い方をされるときもありますが、、、あれって、1つは、この量によって質が磨かれていくからだと思うんですよね。」

 

「確かに、言われてみたらそうですね。本日は、大変深いお話をありがとうございました。最後に何かありますでしょうか?」

 

「あ、えーっと。。。ラインのID教えてもらってもいいでしょうか?

「・・・」

 

「本日は、どうもありがとうございました。」

 

「あ、ありがとうございました。」

まとめ

勉強において、「量が大事か?質が大事か?」

 

こう聞かれると、つい、どちらが大事か?を考えてしまいがちですが、この両者はどちらも大切です。

 

勉強の効果は「勉強の量」×「勉強の質」によって決まると考えてみたら、どちらかがゼロなら、片方をいくら頑張ってもゼロなので、両者の大切さがわかるのではないでしょうか?

 

とはいえ、いきなり、両方とも大切にすることはできないので、まずは、勉強時間を今より1時間でも、2時間でもいいので増やしましょう。勉強時間を増やしていくうちに、「もっと工夫しよう」と思うでしょう。そうなれば、勉強の質も磨かれていき、やがて、大きな成果を発揮することでしょう。逆に、いえば、勉強時間はしっかりとっているのに、成績が伸びないという人は、「勉強の質」を考えてみましょう。

 

受験勉強を通して、手に入れた、量をこなすことができる能力と質を磨くことができる能力は一生モノのスキルになります。輝かしい未来に向けての修行だと思って、今日もせっせと努力しましょう!

 

ちなみに、勉強の「質」って何か?について先日記事を書いたので、「質」とは何か?について興味がある方は、ぜひご覧ください。

「質」とか「効率」って何よ?勉強の「質」と「効率」を言語化してみた

 

追伸

今回は、バーチャルインタビューでしたが、いつか本当に取材をされて記事にされたいですね。取材のお問い合わせをお待ちしています 笑

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