問題集・参考書は何周すればいい?医学部受験のプロがRPGから答えを導いた
医学部受験生から毎年頂くご質問に
「この問題集をやろうと思っているんですが、何周やれば受かりますか?」
というご質問があります。同じ問題集・参考書を何度も繰り返しやろうという考えは、真面目な医学部受験生ならではの考えです。
今回は、医学部受験生ならではのこのご質問について、問題集・参考書をどのように使えばいいかをご紹介致します。
この問いを解く鍵となる重要なキーワード
SEKAINOOWARISpaceShowerAwards By Space Shower Network.
「問題集・参考書を何周やればいいのか?」の問いの鍵を握るのは、記事のタイトルにもある通り「RPG」です。
「また、RPG(Role Playing Game)か?石戸(私)はホントゲーマーのだな」と思っている人もいるかもしれません。実際、以前、「青チャート」のご紹介を行ったときに、数学の問題をRPGに例えていました。
詳細は以下の記事をご覧ください。
だから、今回も、また、ゲームかよ。。。と思ったあなた!違います。今回のRPGはゲームではなく、歌のRPGです(ドンッ)
ご存知の人もいるかもしれませんが、SEKAI NO OWARIというグループが歌う曲に「RPG」という曲があり、そこの歌詞に、この問い(「問題集・参考書を何周すればいいか?」)に対する答えが書かれています。RPGの歌詞には、こう書かれています。
「方法」という悪魔にとり憑かれないで
「目的」という大事なものを思い出して
行為を行うときには必ず目的がある
この「RPG」という曲は、もちろん、医学部受験応援ソングではありません。受験だけではなく、人生で多くの局面で目的を見失って方法にとらわれることを深瀬さん(←SEKAI NO OWARIのボーカル)はご存知なのでしょう。我々に警笛を鳴らすために、この歌詞を書かれたのだと思います。では、方法にとらわれてしまうというのは、どういうことなのか?もっと、具体的に考えていきましょう。
一般的に、「行為」を行うには、「目的」が必ずあります。何の目的もなく、行動する人は基本的にいません。あなたが「勉強」という行為をするのは、「医師になる」「医学部に合格する」という目的があるからです。他にも、あなたが、「歯を磨く」という行為をするのは、「虫歯になるのを防ぐ」「健康な歯を維持する」という目的があるからです。
このように、「目的」があり、その「目的」を叶えるために、「行為」があります。ところが、時々、この「目的」を見失って、「行為」を行うこと自体が「目的」になってしまうことがあります。例えば、信号を思い浮かべてください。
「赤信号で止まる」という行為の目的は「事故を防ぐ」ということです。事故を防ぐことが目的なので、朝早くに車も人も全く通っていなければ、赤信号で止まる必要はないですよね!?(え!?そんなことをしたら捕まる??大丈夫です。通報されることはありえません。だって、車も人もいないんですから 笑)。止まる必要はないのに、「赤信号で止まる」ということが目的になってしまって、通常の「事故を防ぐために止まる」という目的を見失っているから、誰もいない状態でも赤信号を見て止まってしまいます。このように、「目的」を見失って、「行為」自体が目的化することが人生においてしばしばあります。RPGでは、この「行為」のことを「方法」という言葉で表現しており、この「方法」の中には、実際の行為と、どんな行為を行えばいいかを考えることも含めているのだと思います。
問題集・参考書に取り組む目的は何?
鋭い人はもうピンときたかもしれませんね。「問題集を何周するか?」という問いも方法が目的化しています。まさに「方法」という悪魔に取り憑かている状態ですね(笑)
「問題集・参考書を何回やるか?」を考える前に、問題集・参考書に取り組む目的が何かを考えてみましょう。そうです。問題集・参考書に取り組む目的は、「問題が解けるようになること」ですよね。
そうであれば、問題集・参考書に何回取り組めばいいか?何周すればいいか?の答えはただ一つ「できるまでやる」です。何周するか?何回通りやるか?というのは、問題ではありません。そのことを考えること自体おかしいです。なぜならば、人によっても、扱う問題によっても、何回でできるようになるかは違うからです。
効果的な問題集・参考書の利用法
問題集・参考書に取り組む目的は「問題が解けるようになること」です。そう考えたときに、満遍なく全ての問題を同じ回数だけ解くという行為は非効率的であると言わざるをえません。
ちなみに、効率については、以前の記事(「質」とか「効率」って何よ?勉強の「質」と「効率」を言語化してみたで紹介しているので、ご覧ください。
つまり、問題集に取り組んで解けた問題は、再度やる必要はありませんし、間違えた問題については、日付と間違えた部分にチェックをつけて、できるようになるまで、定期的に解き直す方が効果的です。(ちなみに、私の場合、何度やっても間違える物理の問題があって、できるようになるまで9回やりました 苦笑)
こうお伝えすると、一度解けた問題でも、またやったらできなくなっているかもしれないのでは?と言うご意見を必ずいただきますが、ご安心ください。また、同じような問題を解く機会が必ずありますから、その時にできなかったら、振り返れば良いだけです。もし、解く機会がなければ、その問題は、入試に出ない超マイナーな問題なので、できる必要はありません。以上の理由から、次の2つのルールで問題集・参考書に取り組むのが最も効果的な使い方だと思います。
ルール1) 一度やって解けた問題は二度とやらない。
ルール2) 一度やって間違えた問題は日付と間違えた部分にチェックをつけて、日をあけて取り組む
「何周」という方法に取り憑かれないで、目的に立ち返り、できるまでやり医学部受験の勝者になってください。
まとめ
「問題集・参考書を何周取り組むか?」
この問いに対する答えは、明確に「何回取り組めばいい」ということはないということです。問題や人によって、できるようになるまでの回数は違うため、何回や何周やるという考えは捨てましょう。何回・何周やるという方法を目的化してしまうのではなく、本来の目的を思い出しましょう。本来の目的は「問題が解けるようになること」です。そう考えたときに、効果的な問題集・参考書の利用法は次の2つのルールに従って取り組むことです。
ルール1) 一度やって解けた問題は二度とやらない。
ルール2) 一度やって間違えた問題は日付と間違えた部分にチェックをつけて、日をあけて取り組む
効果的に問題集・参考書を活用し、「医学部合格」という目的を忘れることなく、目的を叶えてください。応援しています!!
追伸
また、よければ、ぜひRPGを聞いてみてください。このRPGという曲はYou Tubeの再生回数が1億回を超えていて、邦楽再生回数のベスト10に入っているメガヒットナンバーです。試験にはでませんが、大学に入った時に役立つウンチクになるかもしれないので、覚えておきましょう 笑
聞くたびに、今のあなたの行為は「目的」を見失っていないかを考えてみてください。
(この記事に登場した過去記事)
- RPGはRPGでもゲームのRPGを題材にした話はコチラ↓
- 「効率が良い」という話が出てきましたが、「効率」とは何かはコチラ↓
- この記事の執筆者「石戸」って誰よ?石戸のプロフィールはこちら↓
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