「生物標準問題精講」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方
医学部受験で勝ち抜くには、わかりやすい授業を受けることに加えて、いかに自主学習時間を効果的なものにするかが鍵となります。
自習の時間を効果的なものにするためには、2つのポイントがあります。それは、
「自分にあった教材を選ぶこと」と
「効果的に教材を使うこと」です。
ここでは、「生物標準問題精講」(旺文社)について、どんな人が使うと効果的か?また、どのように使えば効果的か?の2つについて紹介していきます。
※ このサイトでは、医学部受験を勝ち抜いた成功者の人の意見をもとに参考書・問題集を勝手に評価する通称「医シュラン」をつくっています。ぜひ、自主学習の参考書・問題集に役立ててください。
生物の難関大学向け問題集の定番!
「生物標準問題精講」は東京大学、京都大学を含む旧帝大、医学部専用問題を出題する地方国立大学医学部、難関私立医学部など高偏差値の受験生によく使われています。先日に紹介した「生物基礎問題精講」、「生物の良問問題集」など標準レベルの問題集を終わらせた人が次にやる問題集と言えるでしょう。
「生物基礎問題精講」に掲載されている問題のレベルが「基礎」ではなく「標準」であったように、「生物標準問題精講」に掲載されている問題のレベルは「標準」ではなく「難問」なので注意が必要です。間違えても「標準」という名前に騙されて初めての問題集としないようにしましょう。作者によると難関大学で合否の分かれ目となった問題を厳選していると紹介されていますが、まさにそのレベルの問題が掲載されています。
以下では「生物標準問題精講」について、その構成や特徴を見ていき、どんな方におススメかをお伝えします。
「生物標準問題精講」の構成は?
まず、「生物標準問題精講」の構成を見てみましょう。
「生物標準問題精講」は単元ごとに章が分かれており、各章では約10問の問題数が掲載されています。代謝や遺伝情報とその発現といった入試で頻出な章でも掲載されている問題は10問であり、少なく感じる人もいるかもしれません。しかし、その分解きごたえがある問題が掲載されており、1問1問じっくり取り組めば多くの知識や考察・実験問題を解く際の考え方が身につきます。またこの問題集の特徴として挙げられるのは別冊の解答・解説編がとても充実していることです。こちらについては詳しくは下の特徴の項で説明します。
ちなみに問題数については、全10章で105問が掲載されています。
「生物標準問題精講」の3つの特徴
「生物標準問題精講」では1問1問じっくり取り組めば多くの知識や考察・実験問題を解く際の考え方が身につくとお伝えしましたが、具体的には以下の特徴にあらわれています。
・特徴1:問題が厳選されている
・特徴2:解説がとても丁寧である
・特徴3:解けないといけない問題か、解けなくても仕方ない問題かわかる
「生物標準問題精講」はどんな人におススメ?
次に「生物標準問題精講」はどのような人が使うと効果的か考えてみましょう。
上述の通り、本書は入試で出題される難関大学で合否の分かれ目となる問題を105題に厳選してまとめられた問題集です。医学部受験者、特に難問が出題される大学を志望されている方おすすめの1冊です。しかし本書の内容をしっかりと理解するためにはそれなりの知識、つまり標準問題集レベルをほぼ完璧に解ける知識、考察力が必要です。
そこで、「生物標準問題精講」をおススメするのは、以下のいずれかに該当する方です。
- 標準レベルの問題集を終わらせたが、難関向け問題集にはまだ手をつけていない人
- 他の難関向け問題集をやっているが、解説を読んでもよくわからない人
(解説が丁寧な問題集をやりたい人)
1.標準レベルの問題集を終わらせたが、難関向け問題集にはまだ手をつけていない人におススメする理由
本書は前述の通り難関大学で合否を分ける問題として厳選された105題が掲載されています。難関大学合格で必要なのは全問題を解くことではありません。標準レベルまでの問題はすべて解き、難問では難問のなかで比較的解きやすい問題を解くことで合格者平均レベルの得点を取ることが重要です。合格者は解けて、不合格者は解けない問題とはつまり難問のなかで比較的解きやすい問題です。本書はそのような問題を解けるようになるために必要な知識、考え方を丁寧に解説している問題集です。
2.他の難関向け問題集をやっているが、解説を読んでもよくわからない人
(解説が丁寧な問題集をやりたい人)
「生物標準問題精講」は解説が丁寧です。問題冊子は200ページ弱ですが、解説冊子は250ページあります。また各問題の解説ではまず、その問題で問われている内容の一般的な知識を説明し、その後、その問題の詳しい解答・解説が掲載されています。そのためその問題は解くことができたが、周辺知識に穴がある、なんとなく解けたが、あまり自身がない人も解説を読むことでより理解を深めることができます。もしこの解答・解説を読んでも理解できない場合は基礎知識に穴があるということなので、その場合は「生物標準問題精講」を進めるのは一回止めて標準問題集や解説書を読み基本的な知識を身に着けてから、再度「生物標準問題精講」を進めていきましょう。
それでは「生物標準問題精講」の各特徴をもとに、効果的な活用法を見ていきましょう。
特徴1:問題が厳選されている
「生物標準問題精講」では前述の通り、難関大学の合否を分ける問題を厳選して掲載されています。そのため他の問題集と比較して問題の演習数が少なくなるという心配をするかもしれませんが、その点は心配ありません。焦って理解が不十分なまま多くの問題を解くよりも少ない問題をじっくり味わうように取り組んだほうが、実力はつきます。ただ問題数をこなすだけではなく、その問題で何が問われていて、自分は何を学べたのかを意識しながら問題演習を進めていきましょう。
特徴2:解説が丁寧である
「生物標準問題精講」では問題数が少ない代わりに解説はとても丁寧です。前述の通り解答・解説冊子のほうがページ数が多いくらいです。それは問題自体の解答・解説ではなく、その問題で問われていることに関連した周辺知識を各問題の解答・解説の前に掲載されているからです。そのため1問を解き、解答解説を読むことでその類題を解ける力も勝手についていきます。問題を解いて解答を見て終わりではなく、たとえ問題自体は解けたとしても周辺知識に穴があることは多いと思うので、じっくりと解説を読んでいきましょう。少しの点の取りこぼしが許されない医学部受験で大事なことは全範囲において知識の穴をできるだけなくすことです。
特徴3:解けないといけない問題か、解けなくても仕方ない問題かわかる
「生物標準問題精講」では各問題の小問を確実に解けないといけない問題、合否を分ける問題、特に難しい問題(差をつけたい場合には正解する必要がある問題)にレベル分けしてあります。生物が得意で生物で貯金を稼ぎたいという人でなければ特に難しい問題は解けるようになる必要はありません。その問題に限っては解けていなくても解説を読んで理解できなくても、そのままほうっておいても良いでしょう。国公立医学部受験生など多くの科目を仕上げる必要がある人は1つの科目にかけられる時間はそう多くないと思います。時間がない場合は、合否を分ける問題までを解き、特に難しい問題を解かないといった使い方も可能です。自分が生物で貯金を作りたいのか、そうでないのかで解かないといけない問題は変わってきます。自分がどちらなのかを認識し、それに合わせて効率的に問題集を進めていきましょう。
本書を使わない方が良い人とは?
ここまで、本書の効率的な使い方を紹介してきましたが、必ずしもすべての受験生におススメできるわけではありません。どのような人は使わない方が良いのでしょうか?
結論から申し上げると、
・標準レベルの問題をまだ解けない人
・本書の解説を読んでもよく理解できない人
です。
難関大学、あるいは医学部合格のためには難問を解く力はもちろん必要ですが、標準レベルの問題を完璧に解くことができる力はそれ以上に必要です。部分的には難問が解けるからといってこの問題集を取り組まないでください。全範囲で標準レベルの問題が解けるようになって初めてこの問題集に取り組みましょう。本番までの残り時間が短くても、それでも標準レベルの問題が解けないのであれば、優先すべきは本書ではなく、標準レベルの問題集です。基本を大事にしましょう。
以上、長く「生物標準問題精講」についてご紹介してきましたが、生物の問題集としては最も多くの人におススメできるといっても過言ではありません。ぜひおススメの対象者に該当する方は本書の使用をおススメします。
具体的な問題集の取り組み方については、他の記事で紹介していますので、ぜひ、参考にしてください。
「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」
まとめ
「生物標準問題精講」は難関大学で合否を分ける問題を厳選して掲載している問題集です。解答・解説冊子には問題の解答解説だけでなく問題で問われていることの周辺知識の解説も掲載されています。この1冊のなかの1問1問じっくり取り組むことで、難関大学、あるいは医学部に合格できるだけの知識や考察・実験問題を解く際の考え方が身につきます。
まずは焦らず「基礎問題精講」、「生物の良問問題集」など標準レベルの問題集を仕上げてから「生物標準問題精講」に取り組み、難問を解く力をつけていきましょう!!
具体的な問題集の取り組み方については、他の記事で紹介していますので、ぜひ、参考にしてください。
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「基礎問題精講」(旺文社)
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