帝京大学医学部の一般入試の物理の傾向と対策

2019年01月22日 志望する大学の特徴

帝京大学物理.pn

先日、「帝京大学医学部の数学」の記事において、帝京大学医学部の試験制度の特殊性について触れ、合格最低点も医学部受験の中では高いことをお伝えしました。
 本日は物理を選択した場合を想定して、その出題傾向と目標点に達するための具体的な対策法を紹介します。

特殊な帝京大学医学部の試験制度

別記事と重複しますが、はじめに帝京大学医学部の入試制度について見ていきましょう。

 

 帝京大学医学部の入試制度には、一般入試(100名)、推薦入試(10名)、センター試験利用入試(10名)の3つが存在します(カッコ内は募集人数)。

 本記事では最も受験者数の多い、一般入試について扱うこととします。

 

 一般入試では一次選考と二次選考により合格者が選抜され、一次選考では学科試験と書類審査をもとに、学科試験を重視して総合的に合否を判定します。その後、一次選考合格者に限り、課題作文の試験と面接を行い、最終的な合格者が決まります。点数化されるのは一次選考の学科試験のみです。

 

 学科試験では英語は必須で、残りは数学、物理、化学、生物、国語の5科目から2科目を選択し、計3科目を受験することになります。各科目とも配点は100点ずつで、300点満点の中で得点を競います。国語が選択科目に含まれるのは、他の医学部ではあまり見られない特徴の一つです。

 

 さらに帝京大学医学部で目を引くのは、多様な入試制度の見られる私立医学部受験の中でも、特に変わった受験方法ができる点です。どういうことかというと、試験日が3日間設けられており、そのうちいずれかの日程あるいは複数の日程で受験ができるのです。2日または3日受験した場合、「試験日ごとの学科試験3科目の合計点が最も高い日」が自身の得点として採用されます。

帝京大学医学部の志望度が高い場合は、是非とも3日間とも受験をするのが良いでしょう。試験会場の雰囲気や問題形式慣れることができることに加え、どうしても各試験日の問題間で難易度の差ができることも避けられません。実際に日程により、合格者数にばらつきがあるという情報も散見されます。

 

ただし覚悟しなければならないのが、上記のような理由から帝京大学医学部は医学部受験生に非常に人気のある大学で、受験者数も莫大であることです。定員100名に対して志望者数は8000人を超え、倍率も50倍近くなるだけでなく、合格最低点も高騰します。

 様々なリスクが予想されるので、帝京大学医学部にどうしても入学しなければならない場合を除いて、いくつかの医学部も併願して受験する方が無難でしょう。

帝京大学医学部の物理の試験形式・配点は?

その中で物理は選択科目の一つであり、他の選択科目との2科目で120分の制限時間が与えられます。つまり、物理にかけられる時間はおよそ60分です。

 

 平成28年度までは大問が5つ出され、4題選択して解答する形式でしたが、平成29年度以降は大問4つで構成されすべて必答になりました。また、各大問では1つのテーマを扱います。

 

 出題形式は穴埋め形式がよく見られますが、小問形式の大問もあります。全体として計算問題の比重が大きく、描図・論述問題の出題歴はありません。いずれにしても、解答は結果のみを記述するため、計算ミスが多いと点数が伸びない問題セットといえます。

 

 難易度は基礎~標準的なものが中心で、やや難しい問題でも誘導に従って解き進めていけば、突飛な発想等は必要ありません。しかしながら、計算結果が複雑になるものも多々あるのも事実です。全体としては、時間的な余裕はないといえます。普段から手を動かして計算をし、文字式の扱いにも慣れておかなければならないでしょう。

 

 出題範囲としては、募集要項上は物理基礎・物理の全範囲とされていますが、波動と熱力学からの出題頻度はかなり低いです。一方で、原子物理は平成28年度から毎年出されており、重要度が高くなっています。とはいえ、年度によりに頻度にばらつきはありますが、どの単元からも出題されているので、何も対策をしない分野を作るのはリスキーと言わざるを得ません。過去問をしっかりと分析し、単元ごとにメリハリをつけて勉強するように意識すると効率が良いでしょう。

帝京大学医学部の物理の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

続いて、帝京大学医学部の過去の合格最低点のデータや他の科目の難易度をもとに、物理では何点を取ればよいか考えてみます。

 

帝京大学医学部の合格最低点は、

平成30年度:217点 平成29年度:213点 平成28年度:223点 平成27年度:233点

となっています。すなわち、300点中240点(80%)あれば合格安全圏といえます。

 

 ここで、医学部受験生としては典型的なパターンである、数学と理科1科目を選択したと仮定すると、各科目の目標点は、

英語:75点 数学:80~85点 理科80~85点

とするのがオーソドックスな戦略となるでしょう。

 

 目標点に範囲があるのは、英語以外の選択科目の合計で165点に到達できればよいという意味です。選択科目はどの受験生も自分にとって得意な科目を使い、また3日間受験という試験制度も相まって、おのずと要求される得点は高くなります。

 もちろん上記以外の科目で受験するのも構いませんが、いずれにせよ自身の武器となる科目を少なくとも1つは作っておくことが肝要です。

 

 本記事では物理で80~85点を取ることを前提に、対策を練ることとします。

帝京大学医学部の物理の出題傾向は?

それでは、帝京大学医学部の物理では、どのような問題が出されるのでしょうか?

 近年の大まかな傾向からすると、出題頻度は力学(必出)>電磁気>原子>>>熱力学>波動の順になります。特に原子物理はここ最近で一気に出題回数が増え、重要度の高い単元へと変わりました。

 

 以下では入試で実際に出される可能性の高い、力学、電磁気、原子の分野について、詳細な問題の出題傾向をまとめていきます。

 

【力学】

 運動方程式を用いて、2物体の相互運動を考察する問題が頻出です。各物体にはたらく力の矢印を丁寧に書き、それぞれ運動方程式を立てていけば難易度はそれほど高くはありません。ただし、過去には滑車をテーマとするもので、動滑車に吊り下げられたおもりの加速度を求めさせる問題が出されています。運動方程式を立てるだけでなく、同一のひもで滑車に吊り下げられた物体の相対加速度は等しい、といったプラスアルファの式を立てる必要があるため、一度過去問で確認しておくことをお勧めします。

 他にも、単振動の単元からの出題も多くなっています。力学的エネルギー保存則から、各変位における物体の速度の求める方法や、振り子を含めた単振動の周期の導出法は理解を深めておいてください。

 

【電磁気】

 点電荷によるクーロン力や位置エネルギーに関する問題の重要度が高いです。点電荷の位置をしっかりと図示し、状況整理をしながら解き進めていきましょう。点電荷の運動を考える際には、力学における位置エネルギーを静電気力による位置エネルギーに置き換えれば、エネルギー保存則を使うことができます。それぞれの位置エネルギーの共通点および異なる点を押さえ、正しく適用していけば得点源とすることのできるテーマです。

 

【原子】

 核融合、核分裂および核崩壊といった、核反応に関する問題がよく見られます。核反応では質量数と原子番号との関係から、反応式を導出できることが必須です。そのうえで、この核反応から得られるエネルギーの計算をするのが典型的なパターンなので、併せて押さえておきましょう。さらに核崩壊では、崩壊の種類によりどの放射線が発生するかやその放射線の正体は何か、といったことは必須の知識です。加えて核崩壊では半減期が重要な論点となるため、計算方法を問題集を活用して身に付けておきましょう。

お勧めの帝京大学医学部の物理の対策方法

最後に以上を踏まえた、帝京大学医学部の物理の具体的な対策法をお伝えします。

 

 例年、個別試験の日程は1月末です。試験日から逆算して勉強スケジュールを立ててください。物理の基礎を網羅的に勉強する11月中旬までと、それ以降に実践力を養う直前期に分けると、対策の進め方にメリハリがつくでしょう。

 

 11月中旬までの基礎固めには、標準レベルの問題集を用いて、物理の全範囲について網羅的に勉強してください。確かに各単元の頻出度には差がありますが、数年を通して見ると様々な範囲から大問が出されています。ヤマを張って本番に臨むと、まったく対応できない問題に出くわす可能性もあるので、この時期には典型問題であればどのような単元であっても解けるようになることを目標としましょう。

 

 この時期におススメの問題集は、『良問の風』(河合塾シリーズ)です。帝京大学医学部の物理は、標準レベルの問題がほとんどなので、こちらの問題集を完璧にしておけば十分に対応できます。本書の内容が完璧に頭に入るまで、何度も繰り返し取り組んでください。

 なお、「良問の風」の特徴は、「「良問の風」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」に詳しいので、是非参考にしてください。

さらに問題集一般の効果的な使い方も過去記事「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」でまとめているので、問題集を始める前に一読していただければ幸いです。

 

 基礎固めが終わった11月中旬以降は、いよいよ個別試験をより意識した対策に移ります。具体的に行っていただきたいのが、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・問題集による苦手分野の強化

の3つです。

 

 帝京大学医学部では3日間受験日が設けられており、各年度3つずつ試験問題がありますが、手に入るのはそのうちの1つか2つです。試験日によって多少の問題構成の違いはありますが、できる範囲で過去問を集め、出題形式や頻出単元を自分なりに分析しましょう。

 

 過去問分析が終わったら、実際に解いてみましょう。既にお伝えしているとおり、物理では問題セットに対して、制限時間60分というのはやや厳しめです。過去問演習の際には必ず時間を計って取り組み、計算や解答スピードは十分か、目標を達成するにはどの程度の難易度の設問まで解く必要があるか、といったことを意識しましょう。

 

 これと同時に、これまで使ってきた問題集で自分の弱点の克服にも取り組みましょう。理想としては基礎固めの段階で、全範囲の典型問題を解けるようにすべきですが、やはり苦手な単元も出てくるでしょう。残りの期間で最大の効果を出すために、過去問分析の結果からテーマごとに優先順位をつけ、効率よく穴をつぶしていってください。

まとめ

帝京大学医学部の物理の傾向と対策法のポイントは、

①物理は選択科目の一つで、制限時間は2科目に対して120分

②大問4つで構成され、すべて必答

③穴埋め形式が多いが、小問形式の大問もある

④解答は結果のみを記述する

⑤基礎~標準レベルの問題が中心であるが、計算が複雑なものもあり、時間的な余裕はない

⑥目標は100点中80~85点

⑦出題頻度は力学(必出)>電磁気>原子>>>熱力学>波動であり、重要なテーマは、

【力学】運動方程式、単振動

【電磁気】点電荷によるクーロン力、位置エネルギー

【原子】核反応

⑧11月中旬までは、物理の全範囲の標準的な問題を解けることを目標に勉強する

⑨11月中旬以降に行うべきことは、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・問題集による苦手分野の強化

の9つです。

 

 帝京大学医学部では医学部受験としても高得点帯の勝負となりますが、物理に関しては得意な受験生であればそれなりの点数が見込めます。ただし、計算力や数学的な思考力がないと差がつく問題も多いです。自分の弱点を見極め、一つ一つ克服していくことが合格への道筋です!!

 

本記事内で登場した過去のオススメ記事

「帝京大学医学部の数学の傾向と対策」

 

「「良問の風」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」

 

「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」

 

 

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本記事で登場したお勧めの問題集・参考書

『良問の風』(河合塾シリーズ)


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