帝京大学医学部の一般入試の数学の傾向と対策

2019年01月19日 志望する大学の特徴

帝京大学数学

以前、「近畿大学医学部の数学」の記事において、関西私立総合大学の中で医学部を持つのは近畿大学のみであるとお伝えしました。それに対して関東では医学部を設置している私立の総合大学が複数存在します。
 本日はその中でも帝京大学について、数学の傾向と具体的な対策法を紹介します。

特殊な帝京大学医学部の試験制度

はじめに帝京大学医学部の入試制度について見ていきましょう。

 帝京大学医学部の入試制度には、一般入試(100名)、推薦入試(10名)、センター試験利用入試(10名)の3つが存在します(カッコ内は募集人数)。
 本記事では最も受験者数の多い、一般入試について扱うこととします。

 一般入試では一次選考と二次選考により合格者が選抜され、一次選考では学科試験と書類審査をもとに、学科試験を重視して総合的に合否を判定します。その後、一次選考合格者に限り、課題作文の試験と面接を行い、最終的な合格者が決まります。点数化されるのは一次選考の学科試験のみです。

 学科試験では英語は必須で、残りは数学、物理、化学、生物、国語の5科目から2科目を選択し、計3科目を受験することになります。各科目とも配点は100点ずつで、300点満点の中で得点を競います。国語が選択科目に含まれるのは、他の医学部ではあまり見られない特徴の一つです。

 さらに帝京大学医学部で目を引くのは、多様な入試制度の見られる私立医学部受験の中でも、特に変わった受験方法ができる点です。どういうことかというと、試験日が3日間設けられており、そのうちいずれかの日程あるいは複数の日程で受験ができるのです。2日または3日受験した場合、「試験日ごとの学科試験3科目の合計点が最も高い日」が自身の得点として採用されます。
帝京大学医学部の志望度が高い場合は、是非とも3日間とも受験をするのが良いでしょう。試験会場の雰囲気や問題形式慣れることができることに加え、どうしても各試験日の問題間で難易度の差ができることも避けられません。実際に日程により、合格者数にばらつきがあるという情報も散見されます。

ただし覚悟しなければならないのが、上記のような理由から帝京大学医学部は医学部受験生に非常に人気のある大学で、受験者数も莫大であることです。定員100名に対して志望者数は8000人を超え、倍率も50倍近くなるだけでなく、合格最低点も高騰します。
 様々なリスクが予想されるので、帝京大学医学部にどうしても入学しなければならない場合を除いて、いくつかの医学部も併願して受験する方が無難でしょう。

帝京大学医学部の数学の試験形式・配点は?

さて、数学は選択科目の中の一つであり、出題範囲は数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A、数学B(数列、ベクトル)です。医学部としては珍しく、数学Ⅲからの出題はありません。理系科目の勉強範囲が少なく済むのも、受験生からの人気に拍車をかける要因の一つでしょう。

制限時間に関しては、他の選択科目との2科目で120分の制限時間が与えられます。つまり、数学にかけられる時間はおよそ60分です。

 平成28年度までは大問6つで構成され、大問1は必答で残り5題から3題を選んで解答する形式でしたが、平成29年度以降は大問4つで構成され、全問必答に変わりました。基本的に1つの大問につき1テーマを扱いますが、例年1題は2~3テーマの小問に分かれている大問があります。

 解答はすべて結果のみを記入する空所補充形式です。わずかな計算ミスで致命的な結果を招くことになるので、普段の勉強から手を動かして計算力を養う必要があります。

 難易度は標準的な問題が中心ですが、やや難しいものも紛れています。1題15分程度しか割けないことを考えると、時間的には少々厳しいといえます。計算ミスをなくし、公式等を効果的に用いて標準レベルの問題はてきぱきと片付け、いかに手間のかかる問題に時間を残せるかがカギとなります。

帝京大学医学部の数学の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

続いて、帝京大学医学部の過去の合格最低点のデータや他の科目の難易度をもとに、数学では何点を取ればよいか考えてみます。

帝京大学医学部の合格最低点は、
平成30年度:217点 平成29年度:213点 平成28年度:223点 平成27年度:233点
となっています。すなわち、300点中240点(80%)あれば合格安全圏といえます。

 ここで、医学部受験生としては典型的なパターンである、数学と理科1科目を選択したと仮定すると、各科目の目標点は、
英語:75点 数学:80~85点 理科80~85点
とするのがオーソドックスな戦略となるでしょう。

 目標点に範囲があるのは、英語以外の選択科目の合計で165点に到達できればよいという意味です。選択科目はどの受験生も自分にとって得意な科目を使い、また3日間受験という試験制度も相まって、おのずと要求される得点は高くなります。
 もちろん上記以外の科目で受験するのも構いませんが、いずれにせよ自身の武器となる科目を少なくとも1つは作っておくことが肝要です。

帝京大学医学部の数学の出題傾向は?

それでは、帝京大学医学部の数学では、どのような問題が出されるのでしょうか?
 以下では数学の出題傾向を、【超頻出単元】、【頻出単元】、【要対策単元】に分けてまとめていきます。

【超頻出単元】
・微分法・積分法(数学Ⅱ)
 三次関数が与えられ、接線方程式や直線と曲線で囲まれた部分の面積、共有点の個数を求める問題が頻出です。三次関数が与えられたら、導関数から増減表を作成し、グラフの概形や極大値・極小値を即座に導出できるようにしておきましょう。他にも、二次関数を扱うこともありますが、この場合は1/6公式が時短に役立ちます。1/6公式とは二次関数と直線によって囲まれた部分の面積を、交点のx座標をもとに計算できる公式です。センター試験で有名な1/6公式ですが、短時間で高得点を目指さなければならない状況下では、私立大学の個別試験においても絶大な効果を発揮します。

・確率
 確率に関する問題は、毎年必出です。確率の基本的性質をテーマとするものがほとんどですが、解答にたどりつくまでに多くの場合分けを要するものが多いです。確率の基本的性質の考え方は、条件設定により場合分けの基準が多種多様です。設問の条件を満たすものを洗い出し、そのうえで丁寧に場合の数を計算していく作業を繰り返し練習してきましょう。加えて、不定方程式といったような他の分野との複合問題がよく見られるのも特徴です。確率の基本的性質については、様々なパターンに触れて慣れておいた方が良いでしょう。

【頻出単元】
・三角関数
 三角関数の最大値・最小値を問う問題の重要度が高いです。この手の問題では、最初に与えられた三角関数の式変形をしなければなりません。合成や2倍角の定理といった基礎的な式操作は、必ず身に付けておく必要があります。式変形さえ適切にできてしまえば、あとは取り得る値の範囲等に気を付けて処理していくだけなので、得点源とするべき単元といえます。

・ベクトル
 平面ベクトルと空間ベクトルのいずれも出題歴がありますが、空間ベクトルの方が出題頻度は高くなっています。ベクトルを用いた平面と直線の交点の求め方や、立体図形の面積や体積の求積の流れは確実に修得してください。ベクトルについては、さほど押さえるべきパターンは多くないため、三角関数の最大値・最小値の問題と同様に、是非とも得点源としたいところです。

【要対策単元】
・整数
 他のテーマに比べると、出題可能性は低いですが、整数の単元中の不定方程式の解法は多く持っておいた方が安心です。不定方程式の解法はクセが強く、練習をしていないとその場のひらめきでは対応が困難です。確率との複合問題等で不定方程式を解く場面も多々あるため、決して無視できない分野です。

お勧めの帝京大学医学部の数学の対策方法

最後に以上を踏まえた、帝京大学医学部の数学の具体的な対策法をお伝えします。

 例年、個別試験の日程は1月末です。試験日から逆算して勉強スケジュールを立ててください。数学の基礎固めをする11月中旬までと、それ以降に実践力を養う直前期に分けると、対策の進め方にメリハリがつくでしょう。

 11月中旬までの基礎固めには、標準レベルの問題集を用いて、数学Ⅰ・Ⅱ・A・Bの典型問題の解法を身に付けます。問題を見たらどのように解けばよいかすぐに頭に浮かぶようになるまで、繰り返し1つの問題集に繰り返し取り組みましょう。

 帝京大学医学部の数学は、時間に余裕がなく、また空所補充形式であるため、計算スピードと正確性がともに要求されます。普段の勉強から計算を疎かにすることなく、解答にたどり着くまでの速さにもこだわって勉強をすることを忘れないでください。

 より詳細な問題集の使い方については、過去記事「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」を参考にしてください。

 基礎固めが終わった11月中旬以降は、いよいよ個別試験をより意識した対策に移ります。具体的に行っていただきたいのが、
・過去問の分析
・過去問を用いた実戦演習
・問題集による苦手分野の強化
の3つです。

 帝京大学医学部では3日間受験日が設けられているため、各年度3つずつ試験問題がありますが、手に入るのはそのうちの1つか2つです。ただし、受験者間で有利不利が生まれないように、同一年度であれば出題テーマは非常に似通っているため、問題にはならないでしょう。できる範囲で過去問を集め、出題形式や頻出単元を自分なりに分析しましょう。

 過去問分析が終わったら、実際にチャレンジしてください。このとき必ず時間を計って解くことを心掛けてください。繰り返しになりますが、数学では時間勝負になるため、時間配分を失敗すると高得点は望めません。

 同時並行で、これまで使ってきた問題集でよいので、苦手な分野を改めて復習しましょう。このとき過去問分析で得られた情報を基に、単元ごとに優先順位をつけておくとさらに効果的です。
 あるいはより実践力を養成したいのであれば、『数学Ⅰ・Ⅱ・A・B入試問題集』(数研出版)等の大学入試の過去問を収載した問題集を使うのもお勧めです。過去問では問題形式に慣れたり時間配分の練習をしたりすることを意識し、問題集では特定の分野を強化することを意識するといったように、目的を明確にすることが大切です。

まとめ

帝京大学医学部の数学の傾向と対策法のポイントは、

①数学は選択科目の一つで、制限時間は2科目に対して120分

②出題範囲は、数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A、数学B(数列・ベクトル)

③大問4つで構成され、すべて必答

④解答は空欄補充形式

⑤標準問題がメインだがやや難しいものも含まれており、時間的余裕はない

⑥目標は100点中80~85点

⑦出題傾向は、

【超頻出単元】微分法・積分法(数学Ⅱ)、確率

【頻出単元】三角関数、ベクトル

【要対策単元】整数

⑧11月中旬までは、数学Ⅰ・Ⅱ・A・Bの典型問題の解法を身に付ける勉強をする

⑨11月中旬以降に行うべきことは、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・問題集による苦手分野の強化

の9つです。

 

 帝京大学医学部は医学部受験の中でもとりわけ厳しい勝負になります。一方で、この科目ではだれにも負けないといった自分の武器があると、非常に有利に戦える試験制度であることも事実です。あなたの武器は何でしょうか?この記事が武器を手にする何かのヒントになれば幸いです。

 

 

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「近畿大学医学部の数学の傾向と対策」


 

「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」


 

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本記事で登場したお勧めの問題集・参考書

『数学Ⅰ・Ⅱ・A・B入試問題集』(数研出版)


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