山口大学医学部の英語の傾向と対策

2019年04月11日 志望する大学の特徴

山口大学英語

以前、「山口大学医学部の化学の傾向と対策」の記事において、化学では設問をてきぱきと処理していく必要があることをお伝えしました。一方で英語は1題1題の答案を作るのに時間がかかる場合が多く、山口大学医学部では特にその傾向が強くなっています。

 本日はその山口大学医学部の英語について、出題傾向と具体的な対策法を紹介します。

山口大学医学部の英語の試験形式・配点は?

はじめに山口大学医学部の入試制度について見ていきましょう。

 

 山口大学医学部の入試制度には前期一般入試(60名)、後期一般入試(10名)、推薦入試(37名)の3つが存在します(カッコ内は2018年度の募集人数)。本記事では最も受験者数の多い、前期一般入試について取り上げることとします。

 

 前期一般入試では、センター試験と大学ごとに実施される二次試験の2つが課され、その合計得点で合否が決まります。国公立医学部はほとんどが同様の選抜方法を採っていますが、配点についてはばらつきがあります。

 

 詳細に各試験の科目ごとの配点を見てみると、

【センター試験】国語:200点 社会:100点 数学:100点×2 理科:100点×2 英語:200点

【二次試験】数学:200点 理科:100点×2 英語:200点

となっており、センター試験が900点、二次試験が600点の合計1500点満点となります。募集要項によると、二次試験では面接試験も行われますが点数化されず、総合審査の資料とするとのことです。大学によってこの配点が異なるのは上述のとおりですが、山口大学医学部は医学部受験としてはセンター試験の全体に占める比率は大きいといえます。したがって、センター試験で高得点を取り、先行逃げ切りを図るのが基本的な作戦となります。

 

 ちなみにセンター試験では理科2科目を受験しますが、化学は必須となっており、残り1科目を物理・生物のうちから選ぶ形式となっています。また、二次試験では理科は1科目で200点満点だったものが、平成30年度入試からは2科目で200点満点に変更されました。こちらは化学が必須ではなく、物理・化学・生物の3科目から2つを選ぶようになります。

 

 この中で英語は大問3つで構成され、制限時間は120分です。ただし大問3は必ず2つの中問に分かれており、年度によっては他の大問も中問が与えられることもあります。

 

 大問は大問1、2が長文読解、大問3が会話文を読んで設問に答えるもので、語彙・文法問題や自由英作文等は出されません。大問1、2の出題内容は理由説明や空所補充のような論述問題から、文中の表現と同意の記号を選ぶといった選択問題等も見られます。大問3では1つ目の中問ではお店の広告や案内等とそれに関する会話文が掲載されており、会話文中の空所補充を求められます。そして大問3の中問の2つ目は同様の場面設定で出された手紙やメールの文章中に設けられた空所に当てはまる英語表現をすることになりますが、こちらはやや和文英訳的な要素の強いものとなっています。

 ちなみに各大問の出題形式は、大問1では英語で問題文が与えられ解答も英語、大問2では日本語で問題の指示がなされ解答も基本的に日本語です。大問3では日本語で指示がありますが、解答は英語で書くことになります。

 

 英文中に出てくる単語のレベルは医学部受験としては標準的で、文章の読解に困ることはほとんどありません。ただし大問2では小説や物語文の一部が与えられ、含みのある文学的表現で登場人物同士の微妙な関係性を描いている文章が出されたこともあるので注意してください。制限時間は120分なので1つの大問に40分掛けることができますが、いずれも長文を読まなければならないため、試験時間が長いと感じることはなさそうです。

山口大学医学部の英語の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

続いて、山口大学医学部の過去の合格最低点のデータや他の科目の難易度をもとに、化学では何点を取ればよいか考えてみます。

 

山口大学医学部の合格最低点は、1500点満点中、

平成30年度: 1206.0点 平成29年度: 1235.4点 平成28年度: 1171.2点

となっています。すなわち、1240点(約83%)あれば合格安全圏といえます。

 

 ここでセンター試験において900点中780点(約87%)取ることができたと仮定すると、二次試験では600点中460点(約77%)が必要となります。

 

これを踏まえて、各科目の難易度も考慮したうえでそれぞれ目標点を立てると、

数学:150点 理科:160点 英語:150点

とするのが良いでしょう。

 

 英語は200点満点中150点(75%)を目指すこととなりますが、最も差がつくのが論述問題の出来です。国立型の二次試験では論述問題での細かな文法ミス、スペルミスで少しずつ減点され、思ったより点数が伸びないことが多々あります。結果として医学部受験であってもある程度の点数に収束する特徴があります。裏を返せばミスをなくし、失点を防ぐような解答の作成法が身についていれば大きなアドバンテージになるでしょう。小さな失点でも積み重なれば痛手となるので、論述力強化が最優先事項といえます。

山口大学医学部の英語の出題傾向は?

それでは、山口大学医学部の英語では、どのような問題が出されるのでしょうか?

 大問ごとの傾向を以下でまとめていきます。

 

【大問1】

 大問1では長文読解が出題され、自然科学系、社会系をテーマとする説明文が扱われます。設問は文章の内容の理解度を試す内容が中心で、英語による内容・理由説明や文意と一致する選択肢を選ぶ問題等が見られます。頻出なのが各段落や文章全体の要約の中の空欄に当てはまる句を答える問題です。論述問題ではミスを防ぐことが大切とお伝えしましたが、要約問題ではできる限り文章中の表現を活かして解答を作成することが肝要です。他にも表や図を用いて本文の内容を説明させるものもあり、答えが言及されている部分に下線を引いて複数の要素の関係性や説明の流れを見やすくしておくと良いでしょう。

 

【大問2】

 大問1に引き続いて長文読解ですが、扱われる長文は小説や物語文です。説明文とは異なり表層的に読むだけでは内容を完璧には掴むことができません。登場人物の行動や会話の中にその心情や人間関係の背景が文学的表現としてちりばめられており、後ろの方まで読んで初めて理解できるといったこともあります。こうした文学的文章の読解が苦手な方は、山口大学医学部以外の大学の過去問も活用して練習を積んでおきましょう。設問は大問1のように要約の問題や内容説明が頻出ですが、答案は日本語で記載します。加えて和文英訳も見られるので、専用の問題集で対策をしておいてください。

 

【大問3】

 大問3の中問1では、広告やポスターのような形式で与えられた情報とそれに関する会話文が与えられます。広告やポスターあるいは会話文中には空欄があり、そこに適する句を答えるようになります。長文読解の問題で見られる空所補充とは違い、会話の流れから話し手の意図や個人的な背景を読み解く必要性があります。中問2ではその会話を受けて手紙やメールを作成するというもので、空所に当てはまる英語の節や文章を答えます。内容はあらかじめ指示されていますが、英訳すればよいわけではなく、その内容を意味する自然な英文を作らなければなりません。大問3が山口大学医学部の英語を代表する問題ともいえるので、しっかりと研究をして対策をしておきましょう。

お勧めの山口大学医学部の英語の対策方法

最後にこれまでの内容から、山口大学医学部の英語の対策に必要な具体的な勉強法をお伝えします。

 

 初めにセンター試験までは英語の基礎力を養成することに専念しましょう。英語の基礎力とはすなわち単語力、文法的知識、読解力、論述力を指します。これらは別個の能力ではなく、それぞれがお互いに関連しながら向上していきます。どれかに偏ることなく総合的に基礎力を上げていってください。

 

 単語力を身に付けるには単語帳を勉強するのが最も効率的ですが、おススメの単語帳は『速読英単語 必修編』『速読英熟語』(Z会出版)です。山口大学医学部の英語は医学部受験の中でも標準的な単語レベルで対応できるため、多くの単語帳に手を出す必要はなく、これらをマスターすることが合格への近道です。

 

 文法的知識は直接的には山口大学医学部の二次試験では問われませんが、英作文では欠かせない知識です。センター試験にも直結するものなので、この時期には欠かさず勉強をしましょう。

 

 読解力は最も重要な能力の一つです。どの問題集を使っても構いませんが、単語数や文章の難易度ができるだけ本番に近いものを選んでください。あえておススメを挙げるとすれば、『やっておきたい英語長文700』(河合塾シリーズ)が良いでしょう。併せて論述の練習にもなるため、普段の勉強からしっかりと手を動かして答案を作りましょう。

 

より詳細な問題集の使い方については、過去記事「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」を参考にしてください。

 

 センター試験が終わったら、二次試験に向けた勉強にシフトしましょう。具体的に行っていただきたいのが、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・長文読解の練習

の3つです。

 

 過去問分析は本番で焦らないようにするためにも、避けては通れない作業です。山口大学医学部の英語は傾向が大きくは変わっていないので、過去5年分程度に目を通して出題形式や英文の分量等を確認しておきましょう。

 

 過去問分析が終わったら実際に問題に取り組みましょう。ここで忘れないでいただきたいのが、必ず時間を計って過去問を解くことです。時間的余裕はあるとはいえ、自身の英文を読むスピードや解答作成の速さを確認するには、過去問全体をセットで解いてみるしか方法はありません。時間の感覚も試験本番で落ち着いて解くための大切な要素なので、意識的に入試当日さながらの環境で実戦演習をしてください。

 

 同時並行で長文読解の練習を繰り返しましょう。出題形式や難易度の似ている他大学の過去問や、入試問題が収載された問題集等が練習に役立ちます。注意していただきたいのが、一度使った問題集を再び解いてみるのはあまり効率が良くないということです。科目の性質上、初見の問題への対応力が求められるため、教材がないときには新たに買ったりインターネット上の大学の過去問を有効利用したりしてください。また、可能であれば論述した解答を学校や塾の先生に添削してもらってください。そうすれば独学では得られない新たな知識や、よりよい表現を知ることができるでしょう。

まとめ

山口大学医学部の英語の傾向と対策法のポイントは、

①大問3つに対して、制限時間は120分

②大問1、2は長文読解、大問3は会話文、手紙・メールの英作文

③英単語は医学部受験としては標準レベルだが、読む英文量は多い

④目標点は200点中150点(75%)

⑤大問ごとの出題形式は、

【大問1】長文読解、自然科学系・社会系の英文、要約や図・表を用いた説明問題が中心

【大問2】長文読解、小説・物語文、文学的文章の読解力が求められる

【大問3】会話文、手紙・メールの英作文、会話文では前後関係から内容を推測する

⑥センター試験までは、英語の基礎力の底上げを目的として勉強する

⑦センター試験終了後は、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・長文読解の練習

を行う

の7つです。

 

 山口大学医学部の英語の長文読解は、英文の内容がきちんと読解できれば問題は比較的解きやすいといえます。文章の難易度も高くないので、ミスしないような解答を心掛ければ合格点は取れるはずです。しかしながら大問3はあまり見慣れない形式の問題で、会話の前後関係から背景を読み取ったり手紙・メールの文面を考えたりしなければならないため、受験者間で差がつくと予想されます。過去問を研究してライバルよりリードした状態で本番に臨みましょう!!

 

 

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「山口大学医学部の化学の傾向と対策」


 

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本記事で登場したお勧めの問題集・参考書

『速読英単語 必修編』


 

『速読英熟語』(Z会出版)


 

『やっておきたい英語長文700』(河合塾シリーズ)


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