【国公立志望の方必見!】合格を勝ち取るための医学部出願校の決め方

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医学部受験専門家の石戸です。
センター試験が終わって3日が経ちました。これからセンターリサーチの結果が返ってきて、どこに出願するかを検討されることと思います。本日は、

できるだけ合格の可能性が高い医学部に出したい!!

と考えている方のために、私(石戸)が10年以上、医学部受験指導の現場で実践している、合格を勝ち取るための出願校の決め方についてお伝え致します。

出願先によって明暗が分かれた2つの事例

具体的な決め方に入る前に、医学部受験において、出願先の決定は超超超重要だということを改めてお伝えしたいと思います。コンピューターで合格判定(A~E判定)を見て出願先を決めるという行為はかなり危険な出願方法です。

 とはいえ、出願先が重要と言っても、これから初めて受験される現役生の方はピンとこないかもしれません。ですから、まず、先に出願先によって合否の明暗が分かれた事例を2つ紹介したいと思います。

 

事例1)Aくんの逆転劇
これは、自塾の事例ですが、Aくんは、センター試験の点数が8割でした。その状況から地方の国公立大学に出願して、見事合格しました。
医学部受験で必要なセンター試験は9割、最低でも8割5分と言われる中で、8割で合格です。出願校の決め方がいかに大事かを感じて頂けたのではないでしょうか?

 

事例2)多浪生のBくんの足切りの悲劇
 これは、私の5浪時代の話なので、10年以上前の話になります。Aくん(多浪生)はセンター試験でかなり点数を取っていました。この点数なら大丈夫だと考えて、前期・後期ともに医学部に出願。ところが、後期試験に出願した医学部で足切りをくらいました。
足切り予想よりもかなり点数を取っていたので、足切りの通知に面をくらいました。もしかしたら、自己採点結果が間違えているのでは?と不安になり、勉強に手がつかなくなり、結果前期試験も不合格になりました。

 

ちなみに、、、
Bくんは、後に点数を開示しましたが、自己採点結果は間違えていませんでした。なぜ、足切りになったのか?というと、、、おそらく、多浪生であることの差別を受けたのではないかという結論に至りました。今でこそ、明るみになっていますが、私が受験生の時から、医学部受験において「差別」があることはまことしやかに囁かれていました。
この事例では、私がAくんの成績開示を見たわけではないので、本当に差別があったのかどうかはわかりません。しかし、しっかりリサーチができていれば、足切りをくらうことを避けたり、差別を受ける可能性を避けることができたことは間違いないと思います。

出願校を決める3STEP

出願校の決め方の重要性をご理解頂けたと思うので、それでは、本題の出願校を決める3STEPをご紹介しましょう。

合格を勝ち取るための医学部の出願先の決め方は次の3STEPです。

【合格を勝ち取るための医学部出願校の決め方・3STEP】

 STEP1 “5%理論”から出願先を絞る

 STEP2 (絞った出願先から)不利になる可能性がある医学部・行きたくない医学部 を排除する
 STEP3  配点と難易度から出願校を決定する

 これだけでは、よくわからないと思うので、各STEPについて詳しく説明していきましょう。

“5%理論”とは?

 まず始めに“5%理論”についてご説明致します。  “5%理論”とは、ボーダーとあなたの点数の差が2次試験の配点の-5%におさまっていれば逆転が可能であるという理論です。逆に言うとボーダーとあなたの点数の差が2次試験の配点の+5%におさまっていれば逆転される可能性があるという理論です。

ボーダーについてご存知ない方のために説明をさせて頂くと、 ボーダーとは、合否の可能性が50%に分かれるラインを意味します。言い換えれば、(合格者数)<(不合格者数)となる分岐点とも言えます。

各予備校がセンターリサーチのデータを元に各大学の予想ボーダーを出します。この予想ボーダーを使って計算するのが“5%理論”です。    

ピンとこられていない方もいらっしゃると思うので、具体例をあげてご説明致しましょう。  

例えば、岡山大学医学部であれば、センター試験:二次試験=900:1200です。
河合塾の発表によれば本年度のボーダーは774点です。
二次試験の点数が1200点で、1200×0.05=60点ということなので、
774点+60点=834点、774点-60点=714点から、
・714点から774点の人は、逆転が可能な領域
・774点から834点の人は、逆転される可能性がある領域
となります。
実際に、昨年度(2019年度)の岡山大学公式発表による医学部合格者のセンター試験の合格最低点は707.2点です。“5%理論”の有用性を感じて頂けるのではないでしょうか?

 

STEP1 “5%理論”から出願先を絞るについて

“5%理論”のことをご理解頂けた後は、あなたの点数に応じて出願先を絞っていきましょう。

センターの点数が取れている方の場合
もし、あなたが「合格しやすい医学部に出願すること」を第一に考えるのであれば、次のようにして出願先を絞りましょう。
・まず、2次試験よりも、センター試験の配点が高い大学をピックアップします。
・次に、ピックアップした後で、各大学のボーダーとの差を求めましょう。
・その上で、その点数が、二次試験の配点の何%を占めるのかを計算します。
・計算した中から5%をこえる大学に絞ります。
これでSTEP1は完了です。

センターの点数が取れなかった方の場合
残念ながらセンターの点数が取れなかった方は、逆転を狙った絞り方になります。行うことはセンターの点数が取れた人と逆になります。
・まず、センター試験よりも二次試験の配点が高い大学をピックアップします。
・次に、ピックアップした後で、各大学のボーダーとの差を求めましょう。
・その上で、その点数が、二次試験の配点の何%をしめるのかを計算します。
・計算した中から5%の範囲に入っている大学に絞ります。
これでSTEP1は完了です。

STEP2 不利になる医学部・行きたくない医学部を排除する

STEP1が完了したら、ピックアップした大学の中から1つに選ぶ作業に移ります。
まずは、あなたの今置かれている状況を客観的に分析してみてください。
・男性か?女性か?
・現役か?多浪か?
・地元はどこか?
明るみに出たとはいえ、それでも、差別が続いている可能性があります。冒頭のAくんのような差別を受ける可能性がある医学部は避けましょう。逆に言えば、差別をやっているかもしれない医学部で、有利な条件(例えば現役の男性)であれば、積極的に出願を考えるのも手です。
あなたが差別を受ける可能性があるかどうかは、過去記事、「ついに分かった!多浪差別がないと考えられる医学部ランキング」を参考にしてください。

次に、足切りを受ける可能性がある大学も避けましょう。こちらについても、過去記事「知らなきゃ損をする医学部受験の足切りの実情と足切りに合わない出願法 」を参考にして頂ければと思います。

また、差別を受ける可能性がなく、足切りにも合わないという条件でも、場所的に行きたくないという大学がある可能性もあります。また、親御さんの中には遠くに行ってほしくないという方もいらっしゃいます。家庭によっては、金銭的に遠くに行かせてあげることができないという家庭もあるでしょう。大学に合格すれば、あなたは少なくとも6年間はその場所で生活しなければなりません。もし、行きたくないところや生活に支障があるのであれば、その大学は避けた方が良いでしょう。どの大学に出願するかは最終的にはあなたと親御さんの価値観によって決まります。自分の価値観と照らし合わせて、「ここは行きたくない」というところがあれば出願する候補からはずしましょう。

STEP3 配点と難易度から出願校を決定する

 さぁ、最後のSTEPです。今まで絞った中から、過去問と配点を見て出願校を決定します。過去問については、当サイトの過去問データベースにて登録なしで自由に閲覧できますので、ぜひご活用ください。過去問を見ながら、「難易度」と「科目別の配点」の2つの軸から1つに絞りましょう。
 まずは、「難易度」を見ます。例えば医学部専用問題を出願する大学は、医学部受験者しか解かないため難しい問題が出題される傾向にあります。5%におさまっているとはいえ、普段、難しい問題の対策をしてこない人が、難しい問題が出題されるところに出願しても、高得点が取れないため逆転は不可能となります。
 あなたが、もし二次力が高いのであれば、難易度が高い大学に出願した方が良いでしょう。逆にセンター対策を集中的にやってきたのであれば、標準問題が出題される大学に絞った方が賢明です。
 難易度の観点から、絞った後は科目ごとの配点をみましょう。基本的には、英語:数学:理科の配点が1:1:1となっている大学が多いです。しかし、中には配点に傾斜がかかっている大学もあります。例えば富山大学の場合、英語:数学:理科=2:2:3です。
 また、大学によっては英語と数学で受験できる大学。英数理に加えて国語が必要な大学もあります。あなたの科目ごとの得意・不得意に応じてあなたが最も点が取れそうな大学を1つに決めます。

自己分析の質が出願の質を決める

 以上が、合格を勝ち取るための医学部出願校の決め方になります。出願校を決めることが安易なものではないことがわかって頂けたのではないでしょうか?
 最後に1つだけ注意があります。それは、“5%理論”の使い方です
ボーダーとの差が-5%におさまっているからといって、逆転合格が可能であるとは限りません。また、ボーダーとの差の割合が小さい大学の方が合格しやすいとは限りません(例えば-2%と-4%であれば-2%の方が合格しやすいというわけではありまえん)。
“5%理論”で逆転するにはある程度の二次力が前提となります。実際、先ほど岡山大学のセンター試験の合格最低点を例にあげましたが、2年前の2018年度は741点です。毎年-5%付近の方が合格しているわけではありません。また、同じ点数でも、出題傾向や科目別の得手不得手によって、最適な大学は異なります。つまり何が言いたいかといいますと、客観的な自己分析が合否を大きく左右するということです。もし、客観的な自己分析ができない場合や分析に自信がない場合は、塾・予備校の先生に相談しましょう。出願校の決定は、一生を左右する大きな問題ですから、慎重に出願先を検討して頂きたいと思います。
この出願校の決定法をもとに、見事合格を勝ち取ることを祈っております。

まとめ

医学部受験においてどこに出願するかは重要な意味を持ちます。

 次の3STEPで出願校を決定することをお勧め致します。
STEP1 “5%理論”から出願先を絞る
STEP2 (絞った出願先から)
不利になる可能性がある医学部・行きたくない医学部を排除する
STEP3  配点と難易度から出願校を決定する
 
 あなたにあった出願先が見つかることを心より祈っております

本文で登場した過去記事

「ついに分かった!多浪差別がないと考えられる医学部ランキング」

「知らなきゃ損をする医学部受験の足切りの実情と足切りに合わない出願法 」

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