岐阜大学医学部の物理の傾向と対策

2018年08月30日 志望する大学の特徴

岐阜大学物理

 先日、「岐阜大学医学部の数学」についての記事で、岐阜大学の倍率の高さについて言及しましたが、ミスによる失点は大きな痛手となり、合格から遠ざかる可能性が高いといえます。
 本日は、岐阜大学の物理について、傾向を分析し本番でミスすることなく自分の力を100%発揮するための対策法を紹介します。

岐阜大学医学部の物理の試験形式・配点は?

岐阜大学医学部の入学試験の点数配分は、センター試験:800点、二次試験:1200点の計2000点満点です。国立大学医学部の中では、比較的二次試験の比重が大きいといえます。

 

各試験の科目とその配点は、

【センター試験】

国語:100 社会:100 数学2科目:200 理科2科目:200 外国語:200

【個別試験】

数学:400 理科2科目:400 外国語:400

であり、センター試験の国語が1/2に圧縮されていることが分かります。

 

 二次試験では面接も課されますが、点数化はされず、アドミッション・ポリシーに適合しない場合は、総得点に関わらず不合格になります。

 

 岐阜大学医学部で最も特徴的なのが、特に前期試験の募集人数が32人と少ない点です。対して志望者は例年300人を超え、国公立医学部の中では最高の倍率となっています。

 さらに二次試験の比重の高さとも相まって、センター試験で失敗した高偏差値帯の受験生が志望校を変え、流入してくることも考えられます。

岐阜大学医学部を志望する場合には、受験年度のセンター試験の難易度等も考慮したうえで、慎重に出願した方がよいでしょう。

 

さて、岐阜大学の理科ですが、二次試験では物理・化学・生物の中から2科目を選択することになります。試験時間は2科目に対して120分なので、理科1科目にはおよそ60分かけることができます。

 

 その中で物理に関しては、工学部や応用生物学部と共通の問題であり、医学部は大問3つ分を解答します。注意しなければならないのが、問題冊子には大問が4つ印刷されている点です。当たり前のことですが、指示と異なる問題を解いてしまうと合格は不可能と言わざるを得ません。近年の傾向では大問1、2、3が医学部の問題となりますが平成26年度には大問2、3、4であったため、問題を解き始める前に一度落ち着いて指示を確認しましょう。

 各大問では力学・電磁気・波動・熱力学のいずれかに関わる実験や物理現象を扱い、小問に従って問題を解いていきます。原子物理の分野は医学部対象の問題には見られません。

 

解答は計算結果や正解選択肢を答えるもの、空所補充、論述がメインとなります。

そして、岐阜大学医学部の物理の特徴の一つとして、論述問題の多さが挙げられます。大問3つのうち少なくとも2つ、場合によってはすべての大問に論述問題が出題されます。その内容は、自身の解答を導いた理由や身近な物理現象の説明等です。

岐阜大学医学部の物理の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

次に、過去のデータをもとに、岐阜大学医学部の物理では何点を目指せばよいか考えていきましょう。

 

まず合格最低点について。平成30年度:1507.60点、平成29年度:1582.70点、平成28年度:1553.00点であり、以上から、1600点あれば合格安全圏といえます。

ここでセンター試験において800点中680点(85%)を取れたと仮定すると、個別試験では1200点中920点以上取ることが必要となります。

 

これを踏まえて各教科の難易度から、それぞれ何点ずつを目標点とすべきかを考えると、

数学:320点 理科:320点 外国語:280点

を取ることで、二次試験の合計で920点となり、合格点に達することができます。

 

 理科は2科目で320点であるため、理科2科目で自分が特別に得手不得手の差がなければ、いずれも200点中160点(8割)を目指してください。

 論述問題への対応力に加えて、設問中には時間のかかるものも紛れているため、手を付けるべき問題かそうでないかの見極めの力が他の受験生と差がつくポイントになります。

岐阜大学医学部の物理の出題傾向は?

それでは、岐阜大学医学部の物理には、どのような出題傾向があるでしょうか?

岐阜大学医学部の物理では上述のように、力学・電磁気・波動・熱力学のうち3つが出題されます。そこで、【力学】【電磁気】【波動】【熱力学】の各分野について、それぞれの頻出分野や傾向をまとめていきます。

 

【力学】

 単振動や物体同士の衝突を含む状況設定が頻出です。単振動の周期や振幅、跳ね返り係数の求め方といった基本的解法は必ず押さえておきましょう。また、指定された条件を満たす値の範囲を求める問題もよく出題されます(例:カーリングで得点できるためのストーンの速度の範囲)。ただし、こちらは自身で状況を場合分けする必要が出てくるため、思いのほか時間のかかる問題も存在します。このような場合は、一度飛ばして時間が余ったら再び解いてみるといった工夫も必要です。

 

【電磁気】

 コンデンサーやコイルを含む直流回路や、磁場中の荷電粒子の運動を分析する問題が頻出です。コンデンサーでは、極板間隔を広げたり誘電体を挿入するといったコンデンサーそのものの性質に関する問題も見られます。荷電粒子の運動は一つの粒子に注目して、ローレンツ力による円運動を考える定番の問題だけでなく、静電誘導や電磁誘導について導体中の自由電子に注目するパターンも含まれます。荷電粒子に働く力の向きを間違えると即全滅もあり得るので、慎重に解き進めてください。

 

【波動】

 波動の多様なテーマからの出題がありますが、あまり見慣れない状況設定を扱うことが多くなっています。例えば、地震波をテーマとして波の屈折を考察したり、牛乳で白濁させたペットボトルと2枚のアクリル板による光波の干渉といった問題の出題歴があります。しかしながら、その本質は決して難解なものではなく、あくまでも高校の教育課程に沿ったものです。出題者の意図を汲み取り、これまでに練習してきた内容に落とし込めれば対応できるでしょう。

 

【熱力学】

 理想気体の状態変化が出題されます。他の分野に比べると、バリエーションには富んではおらず、気体の状態方程式や熱力学第一法則を用いて気体の内部エネルギーや放出熱・吸収熱等を算出する定番の問題が頻出です。まったく異なるテーマから問題が出される可能性も0ではありませんが、理想気体の状態変化が出題された際には高得点を取れるように準備しておいた方がよいでしょう。

 

 ここまで分野ごとに傾向をまとめましたが、岐阜大学医学部志望の受験生に覚えておいていただきたい点をさらに2つ付け加えます。

 

 一つ目は、年度によっては力学が出題されないことがある点です。ほとんどの大学では必ずといってよいほど、力学は1問は出題されるイメージをお持ちの方が多いと思います。ところが、岐阜大学医学部では力学を含まない大問のセットとなる可能性もあるので、もしそのようなセットにあたっても焦らないようにしてください。

 

 二つ目は、【波動】の項で説明したあまり見慣れない状況設定が出されるのは、他の分野でも同様である点です。全体的な傾向として、身の回りの現象やスポーツ等の教科書的な実験から離れた内容を考察する問題の出題頻度が高くなっています。この手の問題は、標準的な典型問題を掲載している問題集だけではなかなか触れる機会が少ないため、二次試験直前期はより実践的な対策を進めなければなりません。

お勧めの岐阜大学医学部の物理の対策方法

最後に以上を踏まえて、具体的にどのように勉強をしていけばよいかお伝えします。

 

まず、センター試験まではすべての分野について、典型問題の解法を網羅的に修得していきましょう。この時期はセンター試験の対策という目的もありますが、穴があると二次試験直前期の実践的な演習に影響を及ぼすため、岐阜大学医学部の傾向をそこまで意識する必要はありません。

お勧めの問題集は『良問の風』(河合塾シリーズ)です。すべての分野の典型問題が掲載されており、分量も適度なので使いやすい問題集です。何冊も問題集に手を出す必要はないので、1冊の問題集に繰り返し取り組み、苦手をなくすことを意識してください。

より詳細な問題集の使い方は、過去記事「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」を参考にしてください。

 

 また岐阜大学医学部に特有の論述の多さや身の回りの現象を扱うような問題への対応も欠かせません。そのためには、検定教科書や参考書を使って、現象の説明や公式の導出法といった基本事項を抑えてください。とはいえ、検定教科書や参考書をはじめから終わりまで一言一句読んでいくのは時間の無駄です。

 この点、『物理のエッセンス』(河合塾シリーズ)は要点が簡潔にまとめられており、背景知識も豊富に記載されています。物理のエッセンスをベースに知識を補充し、問題を解いていて疑問に思った点を検定教科書で補充するのが効率的でしょう。

 

次にセンター試験終了後から二次試験までは、

・過去問の分析

・過去問を用いた演習

・問題集による苦手分野の克服・実践力の強化

の3つを行ってください。

 

熱力学の理想気体の状態変化以外は、岐阜大学医学部では前年度に出題されたテーマは出題されていません。自身で過去問を分析し、直前期に取り組む必要のないテーマはどんどん切り捨てていきましょう。

 

続いて過去問の分析が終わった後は、実際に赤本等で大学の過去問に挑戦してみましょう。この際、時間をきちんと計り、制限時間にどれだけ解けるかの確認は絶対にしなければなりません。物理は設問が多いうえに、お伝えしたように中には時間のかかる問題もあります。これらを避けながら、かつ目標点に到達するにはどうすればよいか体感してください。

使用する過去問は岐阜大学医学部のものはもちろんですが、岡山大学香川大学の過去問も練習に役立ちます。難易度や大問構成が類似しているため、岐阜大学医学部の過去問をある程度解き終わったら、できる限り他大学の過去問で演習を継続しましょう。

 

最後に問題集による苦手分野の克服や実践力の強化ですが、分析結果をもとに、出題可能性の高い分野について、自身の苦手な部分は再度取り組み、基本が身についているのであれば見慣れないような状況設定の問題をピックアップして対応力を向上させましょう。

まとめ

岐阜大学医学部の物理の傾向と対策法のポイントは、

①理科2科目に対して制限時間が120分なので、物理には約60分かけられる

②大問3つを解答するが、どの問題を解答するか指示をよく読む

③他大学に比べて論述問題の設問数が多い

④目標点は160/200

⑤時間のかかる設問も紛れているので見極める力をつける

⑥力学、電磁気、波動、熱力学から3つが出題され、見慣れない状況設定がよく見られる

⑦センター試験までは、典型問題を網羅的に身に付ける

⑧センター試験後は、

・過去問の分析

・過去問を用いた演習(岐阜大学、岡山大学、香川大学)

・問題集による苦手分野の克服・実践力の強化

の8つが重要なポイントです。

 

 岐阜大学医学部の物理は、設定が特殊で応用力が求められます。そのためにも最初は、基礎的な内容を確実に身に付けなければなりません。この時、検定教科書や参考書の細かい知識も丁寧に押さえていければ、直前期の勉強が非常に楽になります。

 実戦的内容に早く移らなければと、はやる気持ちもわかりますが、何事も「基本は大事」ということを忘れず、一歩一歩着実に進めていってください。応援しています!!

 

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