兵庫医科大学の一般入試の物理の傾向と対策

2018年10月02日 志望する大学の特徴

兵庫医科大学物理

先日の記事では、医学部受験数学の中でも難易度が高いとされる兵庫医科大学の一般入試の数学についての記事をご紹介致しました。同記事では、表層的なテクニックに頼らず基本からステップアップしていくことの重要性をお伝えしました。

 本日は兵庫医科大学の一般入試の物理について、傾向とそれを踏まえた勉強法を紹介します。

兵庫医科大学の物理の試験形式・配点は?

まずはじめに兵庫医科大学の入試制度について、確認しておきましょう。

 

実は兵庫医科大学の入試制度は、2019年度に大きな変更があります。具体的には、従来の数学、英語、理科2科目で第1次試験判定を行う一般入試である「一般入試A(4科目型)」に加えて、英語の技能を評価する資格・検定試験の成績を利用する「一般入試B(高大接続型)」が新たに導入されます。また、これに伴って従来のセンター利用入試(前期)及びセンター利用入試(後期)が廃止されます。

結果として兵庫医科大学の入試制度は、一般入試A(4科目型)(約85名)、一般入試B(高大接続型)(約10名)、一般公募制推薦入試(約12名)、地域指定制推薦入試(5名以内)の4種類が存在することになります(カッコ内の人数は募集人数)。

 

本記事では最も受験者数の多い、一般入試Aの試験内容について扱います。他の試験制度との併願等の可否については、下記の大学HPで確認してください。

兵庫医科大学のホームページ

 

一般入試Aでは、第1次試験と第2次試験の二段階で合格者が選抜されます。

第1次試験では数学、英語、理科2科目、小論文が課されますが、小論文は2次試験合否判定時に使用されます。そして第1次試験に合格した受験生は、およそ1週間後に第2次試験として面接が行われ、最終的に第1次試験、第2次試験の成績及び、調査書などを多面的・総合的に判定して合格者が決定されます。

 

各試験の詳細な点数配分は、

【一次】数学:150点 英語:150点 理科:100点×2 小論文:50点

【二次】面接:点数化なし

であり、点数化されるのは第1次試験の550点分です。

 

 理科については、物理・化学・生物の3科目から2科目を選択します。理科は2科目に対して制限時間が120分であるため、1科目に割ける時間はおよそ60分といえます。

 

 このうち物理は、大問5つで構成されます。その内容は、大問1が様々な単元からの基礎的な問題が出題される総合問題、大問2~5は大問ごとに力学・電磁気・波動・熱力学・原子のいずれかを扱う問題です。ただし、場合によっては大問がさらに2、3個の中問に分かれ、複合問題のような形式も一部で見られます。

 各大問には5問前後の小問が与えられますが、中問に分かれていると設問数はさらに増える点に注意してください。

 

解答形式は答えのみを書かせるものに加えて、解答で導出過程が求められる問題も多く、併せて毎年、グラフや電気力線といった描図問題が見られる点は兵庫医科大学の物理の特徴です。

 

難易度にはばらつきがあり、教科書レベルの基礎的な内容から、複雑な問題まで出題されています。ただし、難易度の高い問題の比率が高いわけではないため、全体としては、標準的なレベルと考えて差し支えないでしょう。

 

 上記のことから、60分以内に大問5つ分を解答するためには、大問1つあたり12分程度しかかけることができませんが、解答形式や問題の難易度を考えると、時間的にはかなり厳しいです。

 とはいえ、入学試験は満点を目指す試験ではありません。あらかじめ目標点を明確にしておき、どの難易度の問題をどこまで解けるようにしておけばよいかを意識して勉強しましょう。

兵庫医科大学の物理の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

それでは、兵庫医科大学に合格するためには、物理では何点を目指せばよいでしょうか?

これまでの合格最低点のデータや問題の難易度をもとに考えてみましょう。

 

兵庫医科大学の合格最低点を見てみると、550点中で、

2018年度:351.8 2017年度:371.5 2016年度:337.3

となっています。

これらの平均を取ると353.5点となり、2017年度は特に合格最低点が高かったことも鑑みれば、合計で360点取れれば合格圏内といえます。

 

そこで難易度も考慮して、各科目で何点ずつ取るべきかを算出すると、

数学:95点 英語:90点 理科:140点 小論文:35点

とすれば、合格点に達することが可能です。

 

 理科2科目で140点、1科目あたり70点(7割)が物理の目標点となりますが、すべての問題に十分な時間をかけて取り組むことは、既にお伝えしたように簡単ではありません。

 物理が得意な受験生以外は、大問1の総合問題ではなるべく満点近い点数を取り、残りの大問では標準的なレベルの問題までは必ず解ききる、そして余裕があれば難しい問題・時間のかかりそうな問題をできる限り解く、といった戦略で臨むとよいでしょう。

兵庫医科大学の物理の出題傾向は?

次に、兵庫医科大学の物理の出題傾向について、単元ごとにまとめていきます。

 

そもそも兵庫医科大学の物理では、大問1の総合問題の他に、大問4つで力学・電磁気・波動・熱力学・原子のいずれかが問われます。すなわち大問2~5では複合問題となっている場合を除き、4つの単元から出題があるということです。

大問のテーマとして、力学・電磁気はほぼ必出、熱力学・原子は頻出、波動は2、3年に1回出題される程度です。これを必ず頭に入れて、以下をお読みください。

 

【力学】

 状況設定は様々ですが、小物体の運動において衝突が絡む問題が頻出です。運動量保存則や跳ね返り係数の導出について、よく練習しておきましょう。また、小物体の運動の分析には力学的エネルギー保存の法則を用いて、エネルギーと仕事の関係を掴むことも欠かせないため、こちらも要対策です。さらに、円運動をテーマとする問題の出題歴もあるため、円運動する物体の加速度・角速度の求め方といった内容は、一通り身に付けましょう。

 

【電磁気】

 大問1の総合問題の中で、電流と磁場の関係を問う問題がよく出題されています。磁力線の描図問題も出されたことがあるため、検定教科書の内容まで細かに目を通しておく必要があります。大問2以降では、交流の頻出度が高いです。交流は苦手とする受験生が多いため、インピーダンスの求め方や電気振動の考え方は必ずマスターして本番に臨んでください。

 

【波動】

 兵庫医科大学においては波動の重要度はさほど高くはありませんが、過去には干渉によるレーザー光の強度比を考えるような、見慣れない問題も出されています。解法手順を機械的に覚えるだけではなく、波動の基本的な考え方をしっかりと修得しましょう。光の干渉に加えて、大問1では光の屈折に関する問題も頻出です。

 

【熱力学】

 ピストン付きの容器に封入された理想気体の状態変化や、熱サイクルを扱う問題がよく見られます。いずれにしても重要なのが、熱力学第一法則です。特にピストン付き容器の気体の状態変化では、気体の仕事と内部エネルギーの関係を考えることになります。熱力学第一法則を使えば、うまく状況整理ができます。熱サイクルでは熱効率を問われることもあるため、しっかり対策しておきましょう。

 

【原子】

 放射性物質の半減期に関する問題が頻出です。解き方を知っていればさほど難易度は高くないため、是非とも得点源にしたいテーマです。その他は、原子物理の全範囲から満遍なく出題されています。原子物理の問題では、計算をさせる問題ももちろん重要ですが、現象の基本的理解や背景知識も求められています。これまでに原子を構成する素粒子や定数の導出といった問題が出されているため、検定教科書等に載っている内容は細かいところまでチェックしておきましょう。

お勧めの兵庫医科大学の物理の対策方法

最後に上記内容を踏まえた具体的な勉強法をお伝えします。

 

 まず、教科書の内容が済んだ単元から順次、標準的なレベルの問題集を用いてどの分野も典型問題は解けるレベルに達してください。12月頃までに基本を完成させましょう。

 このとき兵庫医科大学では物理でも、導出過程を求められるため、普段の勉強から記述を意識して問題を解き進めてください。

 

 これに加えて、兵庫医科大学を志望する受験生が押さえておかなければならないのが、「近似」を使った計算法です。物理では光の干渉等で近似を用いて計算を進めているものがいくつかありますが、そこに焦点を当てた問題がよく出されるのが兵庫医科大学です。

 近似はややとっつきにくい考え方ですが、物理で近似を用いる分野は決まっているので、教科書レベルに立ち戻って丁寧に押さえていきましょう。

 試験本番では近似の方法について説明したうえで、計算過程も含めて解答するものがほとんどですが、教科書に載っているようなものは自身で導出できるようにしてください。

 

 基礎固めにお勧めの問題集は、『良問の風』(河合塾シリーズ)です。全単元のパターン問題が掲載されているため、この内容を完璧にするだけでかなり対応できる問題は増えます。

 もし何回か取り組んでみてすべて頭に入ったと感じたら、他の標準的な難易度の問題集を使って、再度理解できているか確認をすることも大切です。

 

より詳細な問題集の使い方は、過去記事「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」を参考にしてください。

 

 物理の基本事項が頭に入ったら、1月末の試験本番までは実戦的な問題に挑戦しましょう。

 具体的には、

・過去問の分析

・過去問を用いた演習

・問題集による苦手分野の克服

の3つを進めていきます。

 

 兵庫医科大学の出題傾向は本記事でも紹介していますが、改めて自身でも過去問を分析してください。出題内容や難易度を目にすることで、そのとき自分に何が足りていないかが明らかになります。残り約2か月間の勉強計画を立てるためには、必須の作業です。

 

 その後は、実際に問題にチャレンジしていきます。おそらくほとんどの受験生は、過去問に向き合った時に、時間が足りないと感じるはずです。必ず時間を計って問題を解き、どのように手を付けていけば時間内に目標とする点数を取れるかをよく考えましょう。

 医学部受験では高得点の争いになりますが、満点を取ることが求められているわけではありません。周りの人よりも点数を取ることが医学部受験で大切なことですので、決してすべての問題を解ききろうとしないことが肝要です。

 

 これに並行して、苦手な分野を洗い出し、問題集で総復習をしましょう。残り2カ月でやれることは限られています。頻出分野を中心に、優先順位をはっきりさせたうえで取り組んでください。

 もしある程度物理に自信がついてきたのであれば、やや難易度の高い『名問の森』(河合塾シリーズ)等で対策するとさらに実践力が養われます。

 

 繰り返しになりますが、兵庫医科大学の物理では総合問題がある上に、頻出度に違いはあるとはいえすべての単元から出題の可能性がある点は忘れないでください。

 つまり特定の分野のみ勉強して本番に臨むと、場合によってはまったく対策していないテーマの問題に出くわす可能性があるということです。そのため、物理に関しては全範囲において苦手を作らず、直前期に頻出単元を強化するというのが堅実な対策法です。

まとめ

兵庫医科大学の物理の傾向と対策法のポイントは、

①制限時間は理科2科目に対して120分

②大問5つで構成され、大問1は多様なテーマからの総合問題

③導出過程を書かせる問題や描図問題が多い

④制限時間内にすべての問題を解くことは困難

⑤目標点は100点中70点

⑥頻出度は、力学・電磁気>熱力学・原子>波動

⑦12月までは標準レベルの問題集で基礎固めをする

⑧近似計算の方法をしっかり押さえる

⑨12月以降は、

・過去問の分析

・過去問を用いた演習

・問題集による苦手分野の克服

により勉強を進める

の9つです。

 

 兵庫医科大学の物理は、得意でない限り高得点を取るのは難しいと言わざるを得ません。しかし、標準的な問題を確実に解ききる力と試験本番で全体を見通す能力があれば、目標点を超えることは十分可能です。日々の勉強の成果を本番にすべてぶつけましょう!!

 

 

本記事内で登場した過去のオススメ記事

「兵庫医科大学の前期一般入試の数学の傾向と対策」


「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」


 

兵庫医科大学の過去問題やその他の教科の傾向と対策

 こちらのページで過去問を無料で閲覧できます

 また、その他の教科の傾向と対策についても見ることができますので、

 ご参考にしてください。

兵庫医科大学の過去問ページ

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