関西医科大学の前期一般入試の数学の傾向と対策

2018年09月12日 志望する大学の特徴

関西医科大学数学

先日ご紹介した「大阪医科大学の一般入試の数学」についての記事で、大阪医科大学が関西で最難関の私立医学部の一つであると紹介しました。その双璧を成すといっても過言ではない医科大学が関西医科大学です。関西医科大学は、大阪府に設立され、今年度に90周年を迎える大変、歴史のある私立医学部です。

 本日はその関西医科大学の一般入試の数学について、傾向とそれを踏まえた具体的な対策法をお伝えします。

関西医科大学の数学の試験形式・配点は?

関西医科大学の入学試験には、一般入学試験(前期・後期)(約86名・6名)に加えて、様々な得意分野を持つ受験生向けの特色入学試験(若干名)やセンター試験利用入学試験(10名)等の、複数の制度が存在します。(カッコ内は各入試制度の定員)

今回はその中でも、最も受験者数や合格者数の多い、前期一般入試について取り上げます。

 

前期一般入試では、第一次試験と第二次試験の二段階で合格者が選抜されます。

第一次試験では、数学、理科2科目、英語および小論文が課されます。

そして、第一次試験を突破すると面接試験があり、最終合格者が決定されます。

 

各試験の詳細な点数配分は、

【一次】数学:100点 理科:100点×2 英語:100点 小論文:段階評価

【二次】面接:段階評価

とされており、点数化されるのは筆記試験の400点分です。

 また、小論文の評価は第一次試験では考慮されず、第二次試験の合否判定に使用されます。

 

 それでは、関西医科大学の前期一般入試の数学の試験形式について見てみましょう。

 

 関西医科大学の数学は大問4つで構成され、制限時間は90分です。

 例年通りであれば、そのうち大問1が小問集合です。ただし、2017年度までは小問集合では6つの設問が与えられていましたが、2018年度では3題に減少しており、一つ一つの問題はやや「重い」内容になっていました。

 

 解答形式は問題文中の空欄に当てはまる数値や文字式を答えるもので、基本的には導出過程は求められません。しかし、解答形式についても2018年度に変化があり、大問4のみ導出過程も併せて解答するよう指示がありました。

 

 2018年度の試験形式の変化からすると、大学側は受験生に対して、解答にたどり着くまでの論理的思考力や計算力を求めるという意図が読み取れます。2019年度以降はどのような試験内容になるかまだ判断はできませんが、関西医科大学を受験するのであれば私立型の解答のみを書く試験形式だけではなく、導出過程も求められる論述型の試験形式にも慣れておいた方がよいでしょう。

関西医科大学の数学の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

続いて、関西医科大学の前期一般入試で合格するために、数学では何点取ればよいでしょうか?これを知るために、まず、過去の合格最低点等のデータの分析をしてみましょう。

 

関西医科大学の前期一般入試の合格最低点は、400点中で、

2018年度:234点 2017年度:203点 2016年度:230点 2015年度:251点

となっています。

 したがって、260点(65%)得点できれば、合格安全圏といえます。

 

 このことから、各科目で何点ずつ取ればよいか考えると、

数学:60点 理科:135点 英語:65点

とすれば、合計260点に達することができます。

 

 数学では6割の得点を目標とするのは、全体からするとやや足を引っ張るようにも思えますが、難易度からすると数学が最も高得点を狙いにくいからという理由があります。特に、関西医科大学の数学は2017年度に難化し、どの大問も完答を目指すというよりも得点できる設問で稼いでいくイメージで臨むべきです。

 

 問題内容も小問集合の設問の質が変わったり、大問4で導出過程の論述も求められる等、数学に関しては引き続き動向の変化に注意しながら、できるだけ幅広い対応力を身に付けて本番に臨む必要がありそうです。

関西医科大学の数学の出題傾向は?

次に頻出テーマを、【超頻出単元】、【頻出単元】、【要対策単元】に分けてまとめます。

 

【超頻出単元】

・図形と方程式

 図形と方程式に関する問題の中でも、軌跡や領域に関する問題は超頻出です。バリエーションは豊富で、条件を満たす座標平面上の点の存在範囲や不等式で表された領域といった問題の出題歴があります。軌跡や領域については、どのような種類の問題が出されても解法がぱっと思い浮かぶように、しっかりと事前に準備をしておきましょう。この手の問題は、領域の面積を求めさせるのも定番なので、併せて練習をしておいてください。

 

【頻出単元】

・微分法・積分法(数学Ⅲ)

 数学Ⅲの特に積分法に関する問題が頻出です。ただし、直線や曲線で囲まれた部分の面積を求めさせるような、大学入試でおなじみの問題ばかりではありません。定積分で表された関数や区分求積を扱う問題等も出されています。数学Ⅲの積分については、幅広い問題に対応できる必要があります。

 

・数列

 二項間漸化式をテーマとする問題の頻出度が高いです。数列の問題が出題される場合には、たいてい設問の最後で数列の和や数列自体の極限を問われるので、極限値の計算にも慣れておきましょう。これに加えて、シグマ計算が含まれる設問が数列に限らず、関西医科大学の数学ではよく見られます。級数と極限の相性が良いため、関連問題はたくさんこなして得意分野にしておくと心強いです。

 

【要対策単元】

・論理と集合

 論理と集合は、センター試験では必ず問われる分野ですが、国立大学の二次試験や私立大学の個別試験で出題されることは珍しいです。そのため、意識的に勉強をしなければなかなか考え方を身に付けることが難しいので、関西医科大学の受験を考えるのであれば、一度、論理と集合についてはしっかりと時間を取って対策をした方がよいでしょう。

 

・指数関数・対数関数

 主に大問1の小問集合で、指数・対数を含む方程式や不等式、あるいは関数を扱う問題が出題されます。医学部志望の受験生であれば難なく解答すべき内容ですが、こちらも論理と集合と同様にセンター試験以外では頻出の単元とは言えないため、もし苦手な場合は直前期に復習をしておくことをお勧めします。

お勧めの関西医科大学の数学の対策方法

最後に、これまでの内容を踏まえて、具体的な勉強方法をお伝えします。

 

 私立の医学部を志望するのであれば、12月までにすべき勉強内容とそれ以降に試験本番までにすべき勉強内容を分けるのがよいでしょう。

 具体的には、12月までは特に受験大学を意識せず、数学の前半にについて偏りのない「基礎力」を固める勉強をしてください。関西医科大学を第一志望にしていたとしても、何らかの事情で他大学を受験せざるを得なくなったり、これまでの傾向から大きな変化があって過去問には見られないような問題が出題される可能性もあります。

 それらのリスクマネジメントの意味も込めて、数学の全体的な「基礎力」を付けるのがこの時期です。

 

 まれに網羅的な勉強をすべき時期に、消化しないまま、たくさんの問題集に手を出して、結局すべて中途半端に終わる受験生を見かけます。これではせっかくの勉強時間がもったいないと言わざるを得ません。

 数学の「基礎力」の向上には、典型問題に対して反射的に解法が頭に浮かぶようになることが欠かせません。標準的なレベルで良いので典型的な問題を何度も繰り返し、反射的に解けるようにする勉強を心がけてください。

より詳細な問題集の使い方は、過去記事「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」を参考にしてください。

 

 数学の「基礎力」が付き、12月に入ったら、勉強法を変えましょう。関西医科大学の受験日は例年1月末であり、残り2カ月のラストスパートの期間になります。

 この時期に意識するのは、「実践力」の向上です。「実践力」とはいわゆる応用力とは少し違います。基礎がしっかりしていればそれを応用することはさほど難しくはありませんが、「実践力」が求められる場面とは、そもそも、どの基礎的事項から発展させていけば良いかすらわからないという状況を指します。わかりやすく言えば、「実践力」を身につけるとは、「この解法を当てはめれば正解への足掛かりになるかも?」といった嗅覚を身につけるようなものです。

 

 従来の関西医科大学の数学においては、特別に他の大学と比較して「実践力」が重要視されているわけではありませんでした。しかしながら、近年の難化傾向に伴って基礎力の応用だけでは解けないような問題も見られるようになっています。

 例えば、2018年度の大問3では、論理と集合を大きなテーマとして、その中で確率や級数計算が織り交ぜられたような問題が出されています。問題を読んだだけでは、おそらく、ほとんどの受験生は何を問われているのかを見出すことは難しいでしょう。こういった問題に対しては、いくつかの試行をとおして解法の筋道を探し出していく「実践力」が重要になってきます。数学に余裕がある方は、この「実践力」の向上も意識して演習に取り組むとよいでしょう。

 

 上述のような「実践力」を養うために、12月以降は、

・過去問の分析

・大学の過去問を用いた実戦演習

・問題集を使った総復習

の3本柱で勉強を進めましょう。

 

 第一に過去問の分析はどの大学を受験するにしても欠かせません。本記事で関西医科大学の数学の出題傾向について触れていますが、ご自身の目でも必ず確かめてください。

 

 過去問の分析が済んだら、いよいよ実際に問題を解いてみましょう。この際、必ず時間を計り、制限時間内に目標点を取れるかどうかのチェックもしておきましょう。

 関西医科大学の数学は難問が必ず含まれているため、手を付ける問題を間違えると大幅な時間ロスとなることも予想されます。いかに点を取るべき問題を見抜けるか、といった能力を身に付けられるのも、実戦演習ならではです。

 

 しかし、ここで一つお伝えしたいのが、できれば他の大学の過去問でも演習を行っていただきたいということです。すでにお伝えしたように、関西医科大学の数学は出題傾向に変化が見られます。そのため、なるべく幅広い出題形式への対応力があった方が安心です。

 この目的でお勧めなのが、『全国大学入試問題正解 数学(私大編)』(旺文社)です。年度ごとに全国の私立大学の過去問がまとめられているため、関西医科大学の数学と同程度の難易度の大学を探し出し挑戦すればさらに「実践力」が付きます。加えて、大問中に導出過程を書かせる論述問題が含まれる大学を選べば、さらに対応力に幅が出るでしょう。

 

 さらに同時並行で、これまで使ってきた問題集を用いて、苦手分野や出題可能性の高い単元の復習をしてください。残り2カ月ですべての範囲を復習するのは非効率的なので、過去問分析で単元を絞るとよいでしょう。

 

 繰り返しになりますが、関西医科大学の数学では「実践力」ばかりを追い求める必要はありません。中には「実践力」をフル稼働させないと解けない難問もありますが、「基礎力」やその応用力で対応できる問題をすべて解ければ、目標点には到達可能です。

 あくまでも、直前期とそれ以外の時期とのメリハリをつけるために「基礎力」と「実践力」を分けて紹介していますが、適切な順番でそれぞれの能力を伸ばしていくことを意識してください。

まとめ

関西医科大学の数学の傾向と対策法のポイントは、

①大問4つに対して、制限時間は90分

②大問1は小問集合であるが、2018年度は設問数が減り、1題1題が「重く」なった

③解答は答えのみを書く形式であるが、2018年度の大問4では導出過程の論述があった

④目標点は60/100

⑤頻出テーマは、

【超頻出単元】図形と方程式

【頻出単元】微分法・積分法(数学Ⅲ)、数列

【要対策単元】理論と集合、指数関数・対数関数

⑥12月までは標準的な問題集に繰り返し取り組んで、「基礎力」を固める

⑦12月から試験本番までは、

・過去問の分析

・大学の過去問を用いた実戦演習

・問題集を使った総復習

により「実践力」を養う

の7つがポイントになります。

 

 関西医科大学の数学は、決して簡単な問題ばかりではありません。

 しかし、「基礎力」を付けたうえで「実践力」を養えば、合格点に到達することは必ずできます。焦らず少しずつ実力を伸ばしていってください

 答えのみを書く問題がメインなので、計算結果を確実に合わせる正確性も忘れないでくださいね!!

 

 

本記事内で登場した過去のオススメ記事

「大阪医科大学の一般入試の数学」

 

「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」

 

 

関西医科大学の過去問題やその他の教科の傾向と対策

 こちらのページで過去問を無料で閲覧できます

 また、その他の教科の傾向と対策についても見ることができますので、

 ご参考にしてください。

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