名古屋市立大学医学部の数学の傾向と対策

2019年04月15日 志望する大学の特徴

名古屋市立大学数学

【2019年4月15日修正いたしました。】

国立の医学部は基本的には各都道府県に1つしかありませんが、地域によっては国立の他にも市立等の公立医学部を有することがあります。私立医学部は経済的に入学が厳しい場合でも、近隣に公立の医学部があれば魅力的な選択肢の1つとなります。

 本日は公立医学部の中でも難関として有名な名古屋市立大学の数学の傾向と、それを踏まえた具体的な対策法を紹介します。

名古屋市立大学医学部の数学の試験形式・配点は?

はじめに名古屋市立大学医学部の入試制度について見ていきましょう。

 

 名古屋市立大学医学部の入学試験には、一般入試(70名)、推薦入試(20名)、地域推薦(7名)の3つの精度が存在します(カッコ内は2019年度の募集人数)。本記事では最も受験者数の多い、一般入試について取り上げることにします。

 

 一般入試は国立の医学部受験と同様、センター試験と二次試験の得点の合計で合否が判定されます。詳細に各試験の科目ごとの配点を見てみると、

【センター試験】国語:100点 数学:62.5点×2 英語:100点 社会:50点 理科:62.5点×2

【二次試験】数学:150点 英語:150 理科:100点×2 面接:200点

となっており、センター試験が500点、二次試験が700点の合計1200点満点です。センター試験では数学・理科といった理系科目の得点比率が相対的に高く社会の得点比率が大きく圧縮されており、二次試験でも理科の配点の科目全体に占める割合が高くなっていること、そして面接も得点化されていることは注目ポイントです。

 

 またここ数年、名古屋市立大学医学部では入試制度の変更が続いており、平成30年度からは2段階選抜が実施されるようになりました。この制度下では、第2段階選抜の二次試験の受験資格が得られるのは、第1段階選抜のセンター試験で500点中375点以上を取った受験生のみです。他にも名古屋市立大学ではこれまで初日に数学と英語、2日目に理科と面接試験を行っていましたが、平成31年度からは初日に学科試験すべてを済ませ、2日目に面接試験のみとする国公立の医学部受験ではなじみのある日程となります。

 

 この中で数学は大問4つで構成され、制限時間は120分です。1題当たり30分掛けることができ、処理スピードよりも思考力・論述力を試す内容といえます。

 

 大問はほとんどが小問に分かれており誘導に従って解き進めていく形ですが、まれに小問がない問題も見られます。解答は全て論述式で、途中経過や論述内容も採点対象です。

 

 難易度は医学部受験としては標準~やや難のレベルの問題が並んでおり、パターンに当てはめて処理していく問題は少なめです。特に確率や空間ベクトルの問題では状況整理に時間がかかり、実際に思考実験をしたり図を描いたりすることが求められます。結果としてすべての問題を解ききって時間が有り余るといったことは一般的にはないので、解ける問題から優先的に時間をかけて、残った時間で難問の部分点を狙うのが良いでしょう。

名古屋市立大学医学部の数学の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

続いて、名古屋市立大学医学部の過去の合格最低点のデータや他の科目の難易度をもとに、数学では何点を取ればよいか考えてみます。

 

名古屋市立大学医学部の合格最低点は、1200点満点中、

平成30年度: 946.30点 平成29年度: 953.28点 平成28年度: 983.33点

平成27年度: 979.83点 平成26年度: 966.10点 平成25年度: 933.28点

となっています。すなわち、990点(82.5%)あれば合格圏といえます。

 

 ここでセンター試験において500点中430点(86%)取ることができたと仮定すると、二次試験では700点中560点(80%)が必要となります。

 

以上のことから、各科目の難易度も考慮したうえでそれぞれ目標点を立てると、

数学:115点 英語:115点 理科:170点 面接:160点

とするのが良いでしょう。

 

 数学は150点満点中115点(約77%)を目指すこととなりますが、大問ごとに小問数にばらつきがあり、設問の少ない問題では受験者間の得点に差がつきやすいといえます。仮に小問が2つしかない大問で2問目の解法が思い浮かばなかったとしても、何かしら思考の過程や状況整理の内容を論述して、1点でも多く部分点を稼ぐことを意識してください。

名古屋市立大学医学部の数学の出題傾向は?

それでは、名古屋市立大学医学部の数学では、どのような問題が出されるのでしょうか?

以下に出題傾向を、【超頻出単元】、【頻出単元】、【要対策単元】の3つに分けてまとめていきます。

 

【超頻出単元】

・場合の数・確率

 毎年度、場合の数あるいは確率に関する大問が出題されています。確率の問題では試行がそれぞれの場合で異なり、初めに状況整理から始めなければならない場合がほとんどです。いくつかの条件で試行実験をしてみて、独立試行なのか否かといったことを判断していきましょう。場合の数に関しても同様のことが言えますが、平成28年度の大問2のようにあっさりした問題であるがゆえに、数学的な論証に苦労するようなものの出題歴もあります。問題集を通して類題への対応力を強化しておきましょう。

 

・ベクトル

 名古屋市立大学医学部ではベクトルも必出です。平面ベクトル・空間ベクトルいずれも出題される可能性はありますが、頻度としては空間ベクトルの方が高めです。場合の数・確率の問題と同じように、ベクトルにおいてもどのような図形を扱っているのかといった状況整理が欠かせません。空間ベクトルでは立体的に作図するのか、断面に着目するのかといった実戦的な能力が求められるので、普段の勉強から図を描いて考えるクセを付けておいてください。加えて、空間ベクトルでは証明問題が良く出されるので、数式的な処理法はもとより、様々なパターンの証明法を修得しておきましょう。

 

【頻出単元】

・数列

 数列も高頻度で出される単元ですが、傍用問題集に載っているような典型的な問題は見られません。見慣れない形式の一般項や漸化式で定められた数列が定められているとき、突破口となるかもしれないのが「書き出す」ことです。かなりアナログな方法にも思えますが、書き出すことで複雑に見えた数列が、実はただの群数列に過ぎないことがわかったりします。もちろん典型問題の解法パターンは身に付けておかなければなりませんが、行き詰った際の引き出しの一つとして、「書き出す」ことを覚えておいてください。

 

・微分法・積分法(数学Ⅲ)

 医学部受験では数学Ⅲの微分法・積分法が重要テーマの一つですが、名古屋市立大学の医学部も例外ではありません。ただし本大学の数学では曲線や直線で囲まれた部分の面積の求積以外の出題はあまりありません。微分等を用いたグラフの概形の描出および積分による面積計算の仕方をマスターし、そこから派生する面積比較や値の最大・最小といった応用問題の練習に移りましょう。また回転体の体積の求積の問題も過去に出されているので、併せて押さえておいてください。

 

【要対策分野】

 二次関数をメインテーマとする大問はほとんど出題されませんが、問題を解く上でその知識を活用する場面は多々あります。例えば値の最大・最小を考える場合、数式が二次関数となりグラフの概形や平方完成から判断することができます。状況によっては文字式の置き換えにより、複雑な式が二次関数に変形できることがあります。文字の置き換えをしたときにその文字の取り得る値の範囲が変わる点は忘れやすいので、「文字の置き換え=変域に注意」という構図で覚えて得おきましょう。

お勧めの名古屋市立大学医学部の数学の対策方法

最後にこれまでの内容から、名古屋市立大学医学部の数学の対策に必要な具体的な勉強法をお伝えします。

 

 初めにセンター試験までは二次試験での頻出テーマに関わらず、全ての範囲の典型問題の解法を修得することを目標として勉強をしてください。名古屋市立大学医学部の数学は出題される単元が偏っており、それをもとに勉強していると仮に本番で他の単元から問題が出されたときに手が出なくなってしまうので要注意です。

 

 網羅的な勉強におススメの問題集は、『1対1対応の演習』(東京出版)です。本書は各単元の典型問題がピックアップされており、それぞれの代表的な解法を身に付けるのに最適です。問題を見たら即座に解法が頭に思い浮かぶようになるまで、何度も繰り返し取り組みましょう。

さらに細かな「1対1対応の演習」の特徴については、別記事「「1対1対応の演習」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」をご参照ください。

また、より詳細な問題集の使い方についても、過去記事「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」で紹介しているので、是非参考にしてください。

 

 センター試験終了後は、二次試験に向けた対策に移りましょう。具体的に行っていただきたいのが、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・問題集を用いた苦手分野の克服

の3つです。

 

 過去問分析は、残り約1カ月で何を勉強するかを決めるのに、大切な判断基準となります。名古屋市立大学医学部の数学は傾向がはっきりしているので、過去5年分程度に目を通せば十分でしょう。

 

 過去問分析が終わったら、実際にそれらに挑戦してみましょう。このとき必ず時間を計って問題を解くことを忘れないでください。1題当たり30分掛けられる試験なので、時間に追われて処理していくといった感覚はないはずです。とはいえじっくりと思考することを要する問題が並んでいるので、制限時間の間にどの程度、状況整理や解答作成に時間を割けるかを把握して本番に臨めるようにしてください。

 

 並行してこれまでの勉強で解決できなかった苦手分野を、問題集等を使って重点的に克服していきましょう。この1カ月は過去問分析の結果をもとに、単元ごとに優先順位をつけて対策を進めると効率が良いです。出題可能性と自身の得手不得手を照らし合わせて、得点に直結しやすい部分から手を付けていってください。

まとめ

名古屋市立大学医学部の数学の傾向と対策法のポイントは、

①大問4つに対して、制限時間は120分

②ほとんどの大問で小問に分かれるが、一部で小問がないものもある

③解答はすべて論述式

④難易度は標準~やや難の問題が中心で、状況整理に時間がかかる問題も見られる

⑤目標は150点中115点(約77%)

⑥出題傾向は、

【超頻出単元】場合の数・確率、ベクトル

【頻出単元】数列、微分法・積分法(数学Ⅲ)

【要対策単元】二次関数

⑦センター試験までは、数学の全ての範囲の典型問題の解法を修得することを目標とする

⑧センター試験終了後は、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・問題集を用いた苦手分野の克服

を行う

の8つです。

 

 名古屋市立大学医学部の数学は、一筋縄ではいかないような思考を要する良問ぞろいです。裏を返せば小手先のテクニックだけでは対応できず、真に数学的な力があるかどうかで差がつきます。傾向のはっきりした大学なので、是非本記事を参考に実力をつけるための作戦を練ってみてください!!

 

 

本記事内で登場した過去のオススメ記事

「「1対1対応の演習」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」


 

「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」

 

名古屋市立大学の過去問題やその他の教科の傾向と対策

 こちらのページで過去問を無料で閲覧できます

 また、その他の教科の傾向と対策についても見ることができますので、

 ご参考にしてください。

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本記事で登場したお勧めの問題集・参考書

『1対1対応の演習』(東京出版)


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