鳥取大学医学部の化学の傾向と対策

2019年05月28日 志望する大学の特徴

鳥取大学化学

先日、「鳥取大学医学部の物理の傾向と対策」の記事において、鳥取大学医学部の物理では、一つの単元を深めるよりも全単元において苦手を作らないことが肝要であるとお伝えしました。同様のことは化学についても当てはまります。

 本日はその鳥取大学医学部の化学について、傾向と具体的な対策法を紹介します。

鳥取大学医学部の化学の試験形式・配点は?

はじめに鳥取大学医学部の入試制度について見ていきましょう。

 

 鳥取大学医学部の入学試験にはこれまで、前期一般入試(65名)、後期一般入試(20名)、推薦入試(20名)の3つの制度が存在していました(カッコ内は平成31年度の募集人数)。しかし平成32年度入試では後期日程による募集が停止されることが既に明らかにされているので注意してください。本記事では最も受験者数の多い、前期一般入試について取り上げることとします。

 

 前期一般入試はセンター試験と二次試験の合計得点で合否が決まります。詳細に各試験の科目ごとの配点を確認すると、

【センター試験】国語:200点 数学:100点×2 英語:200点 社会:100点 理科:100点×2

【二次試験】数学:200点 英語:200 理科:100点×2 面接:100点

となっており、センター試験が900点、二次試験が700点の計1600点満点です。センター試験の配点は圧縮や傾斜等の調整はなく、素点がそのまま得点となる国立の医学部受験で最もオーソドックスな形です。配点はセンター試験の方が二次試験よりも高いですが、比率を考慮するといずれの試験でもバランスよく点を稼ぐことが求められます。また大学入試センター試験の合計が概ね80%に満たない場合は、合格者となりえないことがあるとされているため、この条件を大きく下回る場合には出願自体を検討した方がよさそうです。

 

ちなみに平成29年度までは二次試験は数学、英語、面接のみでしたが、平成30年度から理科も加わっています。初めて知ったという方は、情報をアップデートしておいてください。

 

 さて、近年試験科目として加わったばかりの理科ですが、実は他学部では以前から理科が課されていました。そして注目すべきポイントは、医学部でも理科が課されるようになってからも、試験問題は全学部共通であったことです。すなわち平成30年度入試以前の他学部で出題された理科の問題の傾向を分析することは、医学部受験における理科の対策にも役立つといえます。

 したがって、以下では他学部の試験も含めた平成27年度から平成31年度の問題をもとに、出題形式や傾向をまとめていくこととします。

 

 まず医学部では理科は物理、化学、生物の3科目から2つを選択するようになります。制限時間は2科目に対して180分が与えられるため、1科目当たり使うことができるのは約90分です。

 

 そのうち化学に関しては、大問5つで構成され、それぞれ小問に従って解き進めていきます。大問によっては各単元の総合問題となっており、複数のテーマから設問が構成される場合もあります。

 

 解答は空所補充、計算問題等が中心で、いずれも記述式です。計算問題では計算過程も求められるため、普段から簡潔な答案を書く練習をしておきましょう。また、化学現象の生じる理由といったような論述問題も見られるため、過去問で確認をしておいてください。

 

 上述のように理科は他学部と共通問題ということもあり、難易度は基本~標準の設問がほとんどです。穴を作らない勉強を常に心がけ、入試本番ではてきぱきと問題を処理していくことイメージです。ただし、有機化学に関しては年度によっては思考を要するものが見られます。高得点を目指すのであれば、有機化学は他の単元よりも重点的に対策しておいた方が良いでしょう。

鳥取大学医学部の化学の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

続いて、鳥取大学医学部の過去の合格最低点のデータや他の科目の難易度をもとに、化学では何点を取ればよいか考えてみます。

 

鳥取大学医学部の合格最低点は、

平成31年度:1291.7/1600(約81%) 平成30年度:1246.4/1600(約78%) 平成29年度:1125.5/1400(約80%) 平成28年度:1148.4/1400(約82%) 平成27年度:1220.2/1500(約81%)

となっています。平成29年度以前は理科がないため1400点満点、平成27年度は面接の点数が200点であったため1500点満点となっていますが、合格最低点の得点率については毎年80%前後に集中していることが分かります。すなわち1600点中1320点(約83%)であれば合格圏といえます。

 

 ここでセンター試験において900点中780点(約87%)取れたと仮定すると、二次試験では700点中540点(約77%)が必要となります。

 

 以上のことから、各科目の難易度も考慮したうえでそれぞれ、

数学:150点 英語:150点 理科:160点 面接:80点

を目標とするのが平均的な医学部受験生の作戦といえます。

 

 理科は選択する2科目間に大きく得意・不得意の差がなければ、それぞれ80点(8割)ずつ取ることを目指してください。とはいえ既にお伝えしているように、鳥取大学医学部の理科の問題は他学部と共通であり、医学部受験としては比較的難易度は易しいといえます。理科が得意な方であれば得点源になるので、ぜひ積極的に高得点を狙ってみましょう。

鳥取大学医学部の化学の出題傾向は?

それでは、鳥取大学医学部の化学では、どのような問題が出されるのでしょうか?

 

大問別に見てみると平成28年度以降は、大問1、2が理論化学、大問3が無機化学、大問4、5が有機化学をそれぞれメインテーマとするセットになっています。ただし、年度によっては理論化学と無機化学といったように、複数のテーマを扱う融合問題が出題されることもあるため注意してください。ちなみに平成27年度は大問1~3のいずれも理論化学を中心とする設問が並んでおり、大問4、5は近年と同じく有機化学というセットでした。

 

 これを踏まえて、各単元の頻出分野を見てみましょう。

 

【理論化学】

 理論化学では、化学平衡および電池に関する問題が頻出です。しかしながら、試験問題に占める理論化学の分量が多いため、全体としてみれば幅広い分野から出題されています。対策としては、特定の単元に偏ることなくどの分野でも標準問題であれば手早く処理できるようにしておくことが大切です。

さらに他の単元と比較すると、計算問題が多いのが特徴ですが、鳥取大学では有効数字が細かく指定されます。有効数字の指示を見落として失点するのももったいないですが、そもそも有効数字の考え方自体に不安がある方は今一度チェックしておきましょう。

 

【無機化学】

 無機化学では、周期表と関連させた各元素の性質を暗記することが重要です。周期表を視覚的に頭に入れ、1族と言われればアルカリ金属、17族と言われればハロゲン、と即座に反応できるようにし、そのうえで各元素の性質を答えられるようにしておきましょう。

加えてイオン化傾向も重要事項です。金属の反応性と関連付け、そこから沈殿や錯イオンの知識を付け加えていけば整理しやすいはずです。

 周期表にしてもイオン化傾向にしても、それぞれの知識を単発で暗記しようとするのは非効率的です。縦と横のつながりを意識しながら暗記していくのが良いでしょう。

 

【有機化学】

 理論化学と同じく、5題中2題を有機化学が占めます。例外もありますが大問4で構造決定や有機化合物の分類、大問5で高分子化合物を扱うことが多いです。理論化学、無機化合物の設問と比べると、いわゆる典型問題からは少し外れた問題も見られます。ただし典型ではないとしても、検定教科書に書かれていない内容が出題されることはありません。化学で得点を稼ぎたい場合は、問題演習を通して疑問が生じたら検定教科書に立ち戻って確認をすることを徹底してください。その際に教科書の細かな部分にまで目を通しておくと、他の医学部受験生にも差をつけることができるでしょう。

お勧めの鳥取大学医学部の化学の対策方法

最後にこれまでの内容から、鳥取大学医学部の化学の対策に必要な具体的な勉強法をお伝えします。

 

 はじめにセンター試験までは、化学の全分野の典型問題の解法を身に付けられるように網羅的に勉強をしましょう。繰り返しになりますが、鳥取大学医学部の理科は他学部と共通なので標準的な問題を中心に構成されています。一つの単元を深めるよりも穴がなく幅広い対応力があることが重要であることを忘れないでください。

 

 この時期の勉強におススメの問題集は、『化学重要問題集―化学基礎・化学』(数研出版)です。分量が少なくはありませんが、化学の全分野の典型問題が余すところなく掲載されており、この内容を完璧にしておけば目標点を超えることは難しくないはずです。1周目が終わっても、分からない問題がなくなるまで繰り返し取り組みましょう。

なお本書の特徴は、「「化学重要問題集」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」に詳しいので、是非参考にしてください。

他にも問題集の効率的な使い方についても、過去記事「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」で紹介しているので、ご一読いただければ幸いです。

 

 センター試験終了後は、二次試験に向けた対策に移ってください。具体的に行っていただきたいのが、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・問題集を用いた苦手分野の克服

の3つです。

 

 過去問分析は医学部で理科が導入される前の年度から、是非他学部の過去問も活用して、5か年分程度に目を通しましょう。試験形式や出題内容を予め知っておくだけでなく、残りの1カ月でどのように勉強を進めていくかを決めるのに大きな役割を果たします。ないがしろにせずしっかりと時間を割いて分析をしてください。

 

 過去問分析が済んだら、実際に挑戦してみましょう。このとき忘れないでいただきたいのが、時間を計って問題を解くことです。鳥取大学医学部の化学は標準レベルであるとはいえ、解法が反射的に出てこないと時間的に余裕はありません。解答スピードが十分かどうかを確認できるチャンスは過去問演習以外にはないため、漫然と取り組むことなく有効に過去問を使ってください。

 

 同時並行でこれまでの勉強で解決しなかった苦手分野の克服に取り組みましょう。何度も強調しますが、幅広いテーマが1つの試験で問われるため、特定の分野に偏った勉強では対応できない可能性が上がります。決して難しいレベルの問題まで解けるようになる必要はないので、過去問分析の結果をもとに優先順位を付けてこれまでの問題集を見直してください。

まとめ

鳥取大学医学部の化学の傾向と対策法のポイントは、

①理科は他学部と共通問題

②理科2科目に対して制限時間は180分

③化学は大問5つで構成され、それぞれ小問に従って解き進める

④答案は記述式で、計算問題では計算過程を求められ、論述問題も見られる

⑤難易度は基本~標準レベル

⑥目標点は100点中80点

⑦単元ごとの頻出テーマは、

【理論化学】化学平衡、電池、有効数字に注意

【無機化学】周期表・イオン化傾向と元素の性質

【有機化学】構造決定、有機化合物の分類、高分子化合物、検定教科書で確認

⑧センター試験までは、化学の全分野の典型問題の解法を身に付けることを目標とする

⑨センター試験終了後は、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・問題集を用いた苦手分野の克服

を行う

の9つです。

 

 鳥取大学医学部の化学は医学部受験としては難易度は高くありませんが、科目の性質上、覚えなければならない情報量は膨大です。とはいえ検定教科書に書かれていることが全てです。合格のためにも、予備校の講義や参考書の内容をもとに効率よく基礎を固めていき、細かな知識は検定教科書に立ち戻って確認するといったように、確実に少しずつ実力をつけていきましょう!!

 

 

本記事内で登場した過去のオススメ記事

「鳥取大学医学部の物理の傾向と対策」

 

「「化学重要問題集」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」

 

「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」

 

 

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本記事で登場したお勧めの問題集・参考書

『化学重要問題集―化学基礎・化学』(数研出版)

 

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