新潟大学医学部の英語の傾向と対策

新潟大学英語

新潟大学医学部は、古くからある旧六医大の一角をなす伝統のある大学です。

そんな格式高い新潟大学医学部ですが、英語の難易度は標準的です。今回は、新潟大学医学部の英語で、確実に合格点を取るための傾向と対策をお伝えします。

新潟大学医学部の英語の試験形式・配点は?

まず初めに、新潟大学医学部の英語の試験形式および配点についてまとめます。

 

英語の入試は大問3つに対して、制限時間は90分です。

そのうち、大問1、2は長文読解、大問3はさらに中問A、Bに分かれ、それぞれ和文英訳と自由英作が出題されます。

 

各大問の設問の内容は、大問1、2の読解問題については、内容説明や下線部訳が小問4つ分出されます。

内容説明は、日本語で与えられた設問に日本語で解答するものがメインですが、英語で設問が与えられ、解答も英語で書かせるパターンの出題歴もあります。

 

特徴的なのが、日本語で内容説明をする問題の場合、字数制限がある点です。

40~60字程度のものが多いですが、2018年度には100字以内で解答する問題が出されています。

 

大問3の設問Aは、英語の文章や会話文の一部が日本語に変えられ下線が引かれており、それを英語に訳す問題です。

訳す文章は、例年2つとなっています。

 

大問3の設問Bは、英語で指示された内容に従って、受験生自身の考えや意見を自由に英語で記述する形式です。

こちらも字数の指定があり、80~100ワード程度が目安になります。

 

配点に関しては、センター試験750点満点、二次試験450点満点の計1200点です。

さらに詳細な内訳を見ていきましょう。

 

【センター試験】

国語100 社会50 数学200 理科200 外国語200

【二次試験】

数学150 理科150 外国語150

となります。

 

この配分は、国公立大学の前期試験の中では、センター試験の全体に占める割合は非常に大きいといえます。

加えて、外国語以外の文系科目の得点が半分に圧縮されるため、理系科目が得意な受験生に有利です。(逆に言えば、国語・社会が苦手な人におすすめの配点です)

 

センター試験、その中でも特に理系科目の出来具合が、合否に直結することになるということは、必ず頭に入れておいてください。

新潟大学医学部の英語の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

続いて、新潟大学医学部の英語の難易度から、合格するためには英語で何点取ればよいか考えていきましょう。

 

そもそも国公立大学医学部を受験するのであれば、センター試験では88%(660点)は確保しておきたいところです。

この点数を取れたと仮定して、二次試験の英語で目指すべき得点を検証します。

 

新潟大学は合格最低点を公開していないため、医学部の合格者の平均点等から推測をします。

合格者のセンター試験と二次試験の合計得点は、

2018:1036.4 2017:1006.9 2016:1011.5 2015:1022.4 2014:1009.9

であり、平均すると1017.4点となります。

 

よってセンター試験と二次試験の合計で1000点あれば、合格圏内と言えるでしょう。

つまり、センター試験で660点取れた場合、二次試験では340点(約76%)取ればよいことになります。

 

では、英語で目指すべき点数は何点になるでしょうか?

 

新潟大学医学部というと、合格者の偏差値が高く、入試の難易度もそれに伴って難しいだろうというイメージをお持ちの方も少なくないかもしれません。

しかし、実際は英語に関しては難易度は決して高くはありません。

なぜなら、英語の入試問題は理工学部や歯学部、また他の文系学部と共通問題だからです。

 

一方で、新潟大学医学部に限らず記述型の試験形式の国立大学によくみられる傾向ですが、受験生本人の手ごたえに比して、開示した点数が低いということがよくあります。

これは、記述量が多い分、採点者側が減点する箇所が増えるからだと推測されます。

難易度からすると大きく失点することはないはずですが、安定して高得点を望むことも難しいので、あらかじめ一定の点数に収束するものとして構えておきましょう。

 

これらのことから、英語では150点中105点(7割)を目標としてください。

新潟大学医学部の英語の出題傾向は?

ここからは、内容について上述した各大問について、より詳しく出題傾向に関して分析します。

 

【大問1、2】長文読解

いずれも文章の長さは、およそ500~600ワード程度です。

科学、社会等をテーマとした説明文が出され、特定のテーマに偏っていることはありません。単語は専門用語も文章の性質によっては見られますが、その場合には注意書きで説明が加えられるため、基本~標準レベルのものを押さえておけば十分です。

筆者が事実や自身の考えを論理的に説明していく文章であるため、内容説明の問題もどの部分が設問で問われているかを探し出すこと自体は容易です。

重要なポイントは、いかに過不足なく設問に対して解答できるかです。

字数に制限があるということは、厳密に出題者の意図を反映する必要があるということを意味します。

また、下線部和訳についても、代名詞の内容を具体的にして答える等、文章の内容把握も求められることがある点には要注意です。

 

【大問3(A)】和文英訳

英語の文章や会話の中の一部が日本語にされており、それを英語に訳します。

ただし、この日本語が厄介で、教科書や参考書の例文のような文章ではなく、いわゆるこなれた日本語で書かれています。

そのため、逐語的に英訳していくことは非常に困難です。

ここで大事なのが「言い換え」です。

すなわち、こなれた日本語をいかに自分が英語で書ける文章に「言い換え」られるかです。

もちろん、原文の意味から大きくそれてしまうような言いかえでは点数はもらえません。

自身の使える表現で、なおかつ文意を損なわないといったさじ加減を身に付けることが必須です。

 

【大問3(B)】自由英作文

英語でお題や字数の目安の指示があり、それに従って英作文をします。

過去に出題されたテーマは、「留学先で伝えたい日本の面白い風習」や、「普及しつつあるオンライン授業の功罪」についてといったものがあります。

また、英文での指示のほかに、題材の前提となる二人の登場人物のメールの内容やエッセイの冒頭等が与えられ、イントロでもそれなりの分量の英語を読ませる問題も頻出です。

いずれにしても、自由に作文できるからといって、文章が論理的に書かれていなかったり、あまりに簡易な英文ばかり使っていると得点は伸びないでしょう。

 

以上で、新潟大学医学部の英語の概要は掴んでいただけたかと思います。

解答は和訳や内容説明など記述量は確かに多いですが、長文の分量やレベル、設問数からすると、制限時間は90分あれば十分です。

事前に準備をきちんとできていれば、本番は焦らずじっくりと問題に臨んでください。

お勧めの新潟大学医学部の英語の対策方法

上記内容を踏まえて、最後に具体的な新潟大学医学部の英語の対策法を紹介します。

 

まずセンター試験までは、どのような英語の問題を解く上でも不可欠な基礎力を付けてください。

基礎力とはすなわち、単語力・読解力・記述力です。

新潟大学医学部の試験問題の難易度は高くないため、基礎力があればそれだけでもかなりの部分をカバーできます。

学校や予備校の授業、そして自己学習で基礎を怠ることなく、固めていきましょう。

 

その後、センター試験終了後からするべき内容が、

①過去問を使った演習

②自由英作文の練習

です。

 

①の過去問を使った演習に関しては、新潟大学の赤本でできる限り演習を繰り返しましょう。

このとき意識すべきなのが、

(ⅰ)読解問題の説明問題では、答案に組み込む情報量はどの程度か

(ⅱ)和文英訳では、こなれた日本語の言い換えがどの程度まで許容されるか

の2つです。

 

(ⅰ)の「答案に組み込む情報量はどの程度か」については、長文読解の設問には字数制限があるため、解答が短すぎても長過ぎてもいけません。

例えば、「40字で説明せよ、なら具体例までは書けないな。」といったように、解答に盛り込む情報量を即座に判断できるようにしておいてください。

その感覚なしに答案を書き始め、結果、字数内に収まらず書き直す、といったことが起こるとそれだけ時間をロスすることにつながります。

 

(ⅱ)の「和文英訳では、こなれた日本語の言い換えがどの程度まで許容されるか」については、やはり事前に基礎力を付けて様々な表現が使えるようになったうえで、自身の書いた解答と模範解答とを見比べて、許容範囲に収める訓練が必要です。

しかし、問題の性質上、自分だけで判断するには限界があるのも事実です。

できるだけ学校の先生や予備校の先生などに添削を依頼しましょう。

新潟大学の過去問に少しでも多く触れるのが、上達への近道です。

 

その他にも大事なことは、赤本に取り組む際は、時間を計って取り組むことです。

時間に余裕はあるはずですが、それでもどの問題に何分くらいかかるかあらかじめ知っておいた方がよいのは間違いありません。

 

加えて、もし余裕があれば、他大学の過去問も使って演習量を増やしましょう。

新潟大学医学部の英語と似た難易度、問題構成なのが岡山大学の問題です。

読解問題2つ、こなれた日本語の和文英訳、自由英作文、すべてが揃っています。

 

②の自由英作文の練習に関しては、自由英作文専用の問題集を使って練習しましょう。

センター試験に余裕がある状態なら、自由英作文対策は12月上旬くらいから始めるとよいでしょう。

問題集で作文に使える表現を増やす→実際に書いてみる、の流れで勉強してください。

このとき注意しなければならないのが、必ず手で書くことです。

よく模範解答がたくさん掲載されている問題集がありますが、それを「読む」だけでは「書ける」ようにはなりません。

「読める」と「書ける」はまったく別の能力であることを忘れないでください。

さらに、和文英訳と同様に、こちらもプロに添削を依頼しましょう。

論理的に破綻していないか、英語の表現が不自然ではないか、といったことはなかなか自身では判断できません。

添削された内容をもとに、その都度修正していってください。

まとめ

新潟大学医学部の英語の傾向と対策の要点は、

①大問3つに対して、制限時間は90分

②問題構成は、

【大問1、2】長文読解

【大問3(A)】和文英訳

【大問3(B)】自由英作文

③150点中105点(7割)を目指す

④センター試験までは基礎力(単語力・読解力・記述力)を固める

⑤センター試験終了後は、

・過去問を使った演習(新潟大学、岡山大学)

・自由英作文の練習(センターに余裕があれば12月上旬から始める)

⑥和文英訳や自由英作文はなるべくプロに添削してもらう

の6つです。

 

繰り返しになりますが、新潟大学の英語は基礎力がついていれば大きく失敗することはありません。

反対にどうしても、記述では、減点されてしまう部分もあるので、高得点を狙うことは難しいです。しかし、それでも着実な努力が点数に繋がりますので、少しでも点数を伸ばせるよう日々頑張りましょう。

 

また、最後に忘れてはならないのが、とにかく二次試験の直前期は手を使って文章を書くことです。そして、どこまで許容されるのかを知るために、プロに見てもらう。

負担は大きいですが、最後の追い込みで乗り切りましょう!!

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