大分大学医学部の化学の傾向と対策

2019年06月27日 志望する大学の特徴

大分大学化学

先日の「大分大学医学部の物理の傾向と対策」の記事内で、物理の難易度が高い年度ではもう一つの選択科目で巻き返さなければならないとお伝えしました。この点、化学は知識が得点に直結しやすい分、勉強時間に応じて得点が伸びる可能性の高い科目です。

 本日はその大分大学医学部の化学について、傾向と具体的な対策法を紹介します。

大分大学医学部の化学の試験形式・配点は?

はじめに大分大学医学部の入試制度について見ていきましょう。

 

 大分大学医学部の入試制度には、前期一般入試(65名)、AO入試(一般枠:22名、地域枠:13名)の2つが存在します。他学部では後期一般入試も行われていますが、医学部では平成22年度以降廃止されています。

 本記事では最も受験者数の多い、前期一般入試を取り上げることとします。

 

 前期一般入試の合格者はセンター試験と二次試験の合計点で選抜される、一般的な国公立の医学部受験で定番の制度が採用されています。各試験の詳細な配点は、

【センター】国語:100点 社会:50点 数学:50点×2 理科:50点×2 英語:100点

【二次試験】数学:100点 理科:100点×2 英語:100点 面接:200点

となっており、センター試験450点満点、二次試験600点満点と二次試験の割合が高いのが特徴です。

 ちなみに大分大学医学部ではここ数年続けて二段階選抜が実施されており、平成31年度には志願者286名中90名が、平成30年度には同じく342名中147名が第一段階選抜で不合格となっています。かなりの数の不合格者が第一段階選抜で出ているため、受験年度の傾向をセンターリサーチ等でしっかりチェックしてから出願するようにしましょう。

 

 他にも目を引くのが面接点の高さです。面接が重要視されていることは明らかで、面接の評価が著しく低い場合には総合得点に関わらず不合格とするとされているので、こちらの練習も疎かにしてはいけません。

 

 そのうち理科に関しては物理、化学、生物の3科目から2科目を選ぶことになります。そして2科目に対して制限時間120分が与えられるため、1科目当たりに割けるのはおおよそ60分です。

 

 化学は例年大問3つで構成され、5~8つ前後の小問に分かれています。計算を要する設問では基本的に導出過程を求められるため、直前期の解答作成の練習は大切な対策の一つです。また毎年、化学現象の機序や化合物生成の手順の説明といったような論述問題が複数出題されています。字数制限のあるものもあり、場合によっては150字以内という長めの論述も見られます。これらの理由から国公立医学部受験といわれて通常イメージする化学の試験よりも論述量が多いため、試験本番では時間との勝負になることは頭に入れておきましょう。

 

 出題内容としては有機化学の重要度が非常に高く、直近の5年では平成28年度を除いて大問3つのうち2つが有機化学をテーマとするものでした。特に医学部専用の試験ということもあり、生体内で起こっている現象を化学的に分析したり、糖やアミノ酸といった生体の構成要素そのものを扱ったりする問題が頻出です。

 

 難易度については標準的な設問が中心ですが、一部で見慣れないテーマを扱う問題や細かい知識を問う問題の出題歴もあります。平成30年度には燃焼熱や生成熱という言葉の定義そのものを答える問題も出されています。問題を解く上で困らない限りは、こうした定義をいちいち気にすることは少ないはずです。しかしながら大分大学医学部を受験するのであれば論述問題で思わぬ部分の知識を求められることもあることを意識して、検定教科書に載っているような言葉の定義にも注意を払いながら勉強を進めていきましょう。

大分大学医学部の化学の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

続いて、大分大学医学部の過去の合格最低点のデータや他の科目の難易度をもとに、化学では何点を取ればよいか考えてみます。

 

大分大学医学部の合格最低点は、センター試験と二次試験の計1050点満点中、

平成30年度:709.90点 平成29年度:768.10点 平成28年度:721.90点 平成27年度:708.90点

となっています。これらの平均を取ると727.2点となるため、通常の難易度の年度であれば730点(約70%)あれば合格することができます。

 

 ここでセンター試験で450点中390点(約87%)取れたと仮定すると、二次試験で600点中340点(約57%)得点できれば合格点に達します。これを踏まえて各科目の難易度も考慮して、二次試験の各科目の目標点を設定すると、

数学:60点 理科:120点 英語:60点 面接:100点

とするのが良いでしょう。

 

 大分大学医学部は得点開示をしても総合点が分かるだけで、各科目が何点であったかは明らかにはなりません。こういった事情の下、面接の平均点は100点前後と予測する情報もインターネット上では見受けられます(確定情報ではありません)。しかしながら面接の得点を5割の100点としても、残りの教科で6割ずつ取れれば合格点を超えることができるため上記のような目標設定にしていることをご承知おきください。

 

 理科では2科目で200点中120点(6割)を目指すことになるため、選択科目間に得意不得意の差がなければ基本的にいずれも60点ずつを取れるように準備しておきましょう。ただし別記事でお伝えしているように、物理の難易度が高い年度があります。過去問を確認して物理で安定的に6割を取ることが厳しいと感じた場合は、物理の目標を下げて代わりに化学で65点を取れるようにするのも選択肢の一つです。

大分大学医学部の化学の出題傾向は?

それでは、大分大学医学部の化学では、どのような問題が出されるのでしょうか?

 理論化学、無機化学、有機化学それぞれについて、頻出テーマをまとめていきます。

 

【理論化学】

 理論化学では化学平衡、特に電離平衡を扱う問題が頻出です。電離平衡では二段階電離の際の電離定数の導出法や、さらに発展して電離定数を用いて溶液のpHを計算する流れをマスターしておかなければなりません。計算問題が中心となる単元ですが、気を付けなければならないのが、有効数字に関する指示が明記されていない点です。問題文で与えられている値をもとに有効数字を判断し、最終結果にもきちんと反映させるようにしましょう。

 

【無機化学】

 無機化学では元素やその化合物の性質と周期表の関連をきちんと理解しておくことが肝要です。無機化学は暗記事項が多く、単発で覚えていくのは効率が良いとは言えません。周期表を視覚的に捉えて、どのあたりの元素の電気陰性度が強いか、同じ属の元素において原子番号が大きくなるにつれて融点や沸点はどう変化するか、といったことを結び付けていってください。また論述問題の割合が高い単元でもあるため、過去に出されている問題を確認しておきましょう。

 

【有機化学】

 繰り返しになりますが、大分大学医学部の化学では有機化学が最重要単元となります。大問3つのうち2つを有機化学が占めることを前提として勉強を進めましょう。いくつかの実験の結果から有機化合物やその構造を推定する問題と、糖やアミノ酸といった生体の構成要素をテーマとする問題がセットで出題されるパターンが基本です。ただし平成27年度にはビスコースレーヨンの製造手順を答えさせるような、非常にマニアックな知識を問う設問も見られます。この傾向は有機化学には限らないので、化学で他の医学部受験生と差を付けたいのであれば、検定教科書の隅から隅まで頭に叩き込むような勉強が求められます。

 

 各単元の頻出テーマは上述のとおりですが、年度によっては単元をまたいだ融合問題が出される可能性もあります。いずれにしても過去の傾向を参考にして、基本を押さえたうえで実戦力を磨いていってください。

お勧めの大分大学医学部の化学の対策方法

最後にこれまでの内容から、大分大学医学部の化学の対策に必要な具体的な勉強法をお伝えします。

 

 まずセンター試験までの時期については、化学の全単元の典型問題の解法をマスターすることを目標に勉強をしてください。試験全体としてみれば理論化学、無機化学、有機化学あるいはそれらの融合問題のいずれも出題される可能性があります。大問3つしかない状況下で苦手な単元から出題された場合、残りの大問で点を取り返さなければならなくなるため、全く歯の立たないテーマを抱えたまま本番に突入することは避けましょう。

 

 この時期の勉強におススメの問題集は、『化学重要問題集―化学基礎・化学』(数研出版)です。各単元の重要問題が網羅的に掲載されており、この1冊を仕上げることができれば標準的な問題への対策は万全です。問題を見たら解法の流れが頭に浮かぶようになるまで、繰り返し取り組みましょう。

本書の特徴は、「「化学重要問題集」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」に詳しいので、是非参考にしてください。

 

 しかしながら大分大学医学部の化学では、標準レベルを超えた難易度の高い問題や見慣れない条件設定の大問も出題されています。こうした問題への対応力を強化するために、余裕があれば少なくとも有機化学に関しては『化学の新演習』(三省堂)のような、より実戦的な問題を集めた問題集で練習しておいた方が良いでしょう。

一般的な問題集の効率的な使い方についても、過去記事「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」で紹介しているので、ご一読いただければ幸いです。

 

 センター試験終了後は、二次試験に向けて勉強内容を変えてください。具体的に行っていただきたいのが、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・問題集を用いた苦手分野の克服

の3つです。

 

 過去問分析は直近5年度分程度のものに目を通し、出題頻度の高い単元や問題数および出題形式といったことについて確認をしましょう。この時期になれば化学の単元の中でも自分の苦手な単元も明確になってきているはずなので、そういった単元から出題がないかをチェックするのも大切です。

 

 過去問分析が終わったらいよいよ過去問にチャレンジしてみましょう。この時忘れないでいただきたいのが、時間を計って取り組むことです。大分大学医学部の化学は他の国公立医学部に比べて論述量が多く、解答作成に時間がかかります。満点を取ることを要求されているわけではないので、いかに時間内に目標点以上を取れるかに主眼を置いて問題を解くようにしてください。

 

 同時並行でこれまで勉強してきた間に洗い出されてきた苦手単元について、自身の使ってきた問題集で再度復習をしてください。苦手をつぶす最後の機会です。全単元をざっと復習するのではなく、過去問分析の結果をもとに優先順位をつけ、得点に直結しやすい単元から手を付けるようにしましょう。

まとめ

大分大学医学部の化学の傾向と対策法のポイントは、

①理科2科目に対して制限時間は120分

②化学は大問3つで構成され、計算問題では導出過程も求められる

③論述問題も多く出され、記述量は多い

④有機化学の重要度が高い

⑤目標点は60点あるいは65点

⑥出題傾向は、

【理論化学】電離平衡、有効数字に注意

【無機化学】周期表を視覚的に捉える、論述問題が多い

【有機化学】構造決定、生体に関連する化合物、マニアックな知識が問われることもある

⑦センター試験までは、化学の全単元の典型問題の解法をマスターすることを目標とする

⑧センター試験終了後は、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・問題集を用いた苦手分野の克服

を行う

の8つです。

 

 大分大学医学部の化学は簡単とは決して言えませんが、一方で有機化学の占める割合が大きいことは間違いありません。そのため有機化学の出来が化学全体の得点を左右すると言っても過言ではありません。高得点を目指す必要はないので、過去問から得られる情報をもとに確実に目標を達成できるように一歩ずつ実力を伸ばしていきましょう!!

 

 

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「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」


 

大分大学の過去問題やその他の教科の傾向と対策

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本記事で登場したお勧めの問題集・参考書

『化学重要問題集―化学基礎・化学』(数研出版)


 

『化学の新演習』(三省堂)


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