関西医科大学の前期一般入試の物理の傾向と対策

2018年09月14日 志望する大学の特徴

関西医科大学物理

先日、「関西医科大学の前期一般入試の数学の傾向と対策」についてお伝えしましたが、物理についてはやや特徴的な出題傾向があります。

 本日はその関西医科大学の一般入試の物理について、傾向と具体的な対策法を紹介いたします。

関西医科大学の物理の試験形式・配点は?

関西医科大学の入学試験には、一般入学試験(前期・後期)(約86名・6名)に加えて、様々な得意分野を持つ受験生向けの特色入学試験(若干名)やセンター試験利用入学試験(10名)等の、複数の制度が存在します。(カッコ内は各入試制度の定員)

今回はその中でも、最も受験者数や合格者数の多い、前期一般入試について取り上げます。

 

前期一般入試では、第一次試験と第二次試験の二段階で合格者が選抜されます。

第一次試験では、数学、理科2科目、英語および小論文が課されます。

そして、第一次試験を突破すると面接試験があり、最終合格者が決定されます。

 

各試験の詳細な点数配分は、

【一次】数学:100点 理科:100点×2 英語:100点 小論文:段階評価

【二次】面接:段階評価

とされており、点数化されるのは筆記試験の400点分です。

 また、小論文の評価は第一次試験では考慮されず、第二次試験の合否判定に使用されます。

 

 その中で理科は、物理、化学、生物の3科目から2科目を選択して受験します。

 制限時間は理科2科目に対して120分が与えられるため、1科目にかけられる時間はおよそ60分です。

 

 物理については、近年は大問4つで構成されていますが、2015年度、2014年度、2012年度は必答問題3つに加えて、2題から1題を選択し解答する形式でした。いずれにしても、大問4つ分を解答することになると考えておけば問題ありません。

 各大問はさらに5問前後の小問に分かれています。

 

 解答形式は空所補充や計算結果のみを書くものも見られますが、途中の考え方を示したり論述問題、証明問題といったような、記述量の多い問題の比重が高い点で他大学とは一線を画しています。

 物理では数学ほどの丁寧な論述は必要ありませんが、それでもやはり要点を押さえた簡潔な解答を作り上げられる能力は欠かせません。関西医科大学を志望するのであれば、早い段階から記述式の解答を意識した練習を始めるべきでしょう。

 

 より特徴的なのがその問題内容です。関西医科大学の物理の問題は、いわゆる典型問題のような状況設定の問題は少なく、身の回りの現象や医療の現場で見られる物理に関する事項をテーマとした問題が頻出です。

 併せて、論述問題や選択肢を選ぶ問題では、物理現象の定性的理解を試すものがよく見られます。定性的な理解とは、「対象の状態を不連続な性質の変化に注目して捉えること」です。この説明では分かりづらいですが、条件をどのように変化させればどのように結果が変化するかといったことを、計算に頼ることなく考察する、ということです。

 例えば、2018年度の大問4の問5が定性的な理解を試す内容といえます。選択肢の一つ一つについて計算による考察をしていては、大幅な時間ロスをしてしまうことがお分かりいただけると思います。

 計算問題の定量的扱いだけではなく、物理現象の定性的な扱いについても対応できるような訓練が重要です。

関西医科大学の物理の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

次に関西医科大学の過去の合格最低点や問題難易度から、物理では何点を取ればよいか考えてみましょう。

 

関西医科大学の前期一般入試の合格最低点は、400点中で、

2018年度:234点 2017年度:203点 2016年度:230点 2015年度:251点

となっています。

 したがって、260点(65%)得点できれば、合格安全圏といえます。

 

 このことから、各科目で何点ずつ取ればよいか考えると、

数学:60点 理科:135点 英語:65点

とすれば、合計260点に達することができます。

 

 理科では2科目で135点を取ればよいため、1科目あたり65~70点が目安となります。物理は定性的な理解が必要になることや論述問題の多さ、問題設定の特殊性から、一見すると難易度が高そうですが、問われている本質は基本から標準レベルのものがほとんどです。

 関西医科大学を意識した勉強をすれば、目標に到達することは困難ではないでしょう。

関西医科大学の物理の出題傾向は?

物理の単元は、力学、波動、熱力学、電磁気、原子の5つに大きく分けられますが、関西医科大学ではこれらすべてからバランスよく出題されています。大問は全部で4つしかありませんが、ある年度に出題のない単元も次年度には出題されていたり、力学と原子の単元が融合した複合問題が出題される等、どの単元も疎かにはできません。

 

以下では、各単元の頻出テーマについてまとめていきます。

 

【力学】

 単振動を扱う問題が頻出です。単振動が出題される場合には、シンプルなものは少なく、浮力による単振動やばねでつながれた2物体の単振動と分子の微小運動とを融合させた問題が近年では出されています。

 他にも、車がカーブを曲がる際にかかる力を考察したり、椅子が転倒しない条件を求めるといった、身近な物理現象を扱う問題も散見されます。丁寧な状況分析が必要になりますが、解答の道筋が見えれば難しくはないので焦らず確実に得点しましょう。

 

【波動】

 光の干渉や屈折の法則に関する問題が頻出です。光の干渉ではX線をテーマとするようななじみのない問題も見られますが、問題文の誘導に従って解き進めていくことで本質が必ず分かるように構成されています。見かけに騙されず少しずつ内容を分析していく、根気強さが肝要です。

 

【熱力学】

 熱力学に関しては、特定のテーマへの偏りは見られません。理想気体の状態変化や比熱と熱量保存則、気体の分子運動論といった幅広いテーマからの出題があります。問題の状況設定は、他の大問同様、パターンに当てはめればよいといったものではなく、医療用酸素ボンベ内の気体の状態変化のような、実生活に関わるものが多いです。熱力学の基本的な解法は押さえたうえで、出題者の意図を読み取る能力が欠かせません。

 

【電磁気】

 問題内容は様々ですが、全体として電荷をもった粒子に注目して物理現象を考察する問題が多いです。例えば、発光ダイオードから放出される光子の数や導体棒中の自由電子に加わるローレンツ力から誘導起電力を算出するといったものが挙げられます。公式をただ当てはめればよいだけではなく、電磁気の物理現象の根本的な理解に努めてください。

 

【原子】

 光の粒子性に注目して、光子のもつエネルギーを扱う問題が頻出です。 の公式は当たり前ですが、思わぬ落とし穴となるのは単位の変換です。定数の値や単位は問題の冒頭で与えられているため、その場で考え出すことも不可能ではありませんが、時間がかかってしまいます。なるべく普段の勉強から単位を意識して、素早く単位変換をできるように練習をしておくとよいでしょう。

お勧めの関西医科大学の物理の対策方法

最後に、上記内容を踏まえた具体的な勉強方法をお伝えします。

 

 12月に入るまでは、物理の全範囲の標準問題を網羅的に勉強してください。関西医科大学の物理は上述のように、どの単元もバランスよく出題されているため、得意分野を作るよりは苦手分野をなくした方が合格に近づくことができます。

この時期の勉強にお勧めの問題集は『良問の風』(河合塾シリーズ)です。各単元の標準的な典型問題が網羅されており、分量も適度なので取り組みやすいです。この問題集に掲載されている問題の解法を身に付ければ関西医科大学の物理は目標点が取れるので、しっかり身につけてください。

また、途中の考え方を書かせる問題へ対応するため、問題集を解くときにも導出過程を書いてみて模範解答と見比べてみましょう。時間はかかりますが、実際に手を動かさないことには上達はあり得ません。

より詳細な問題集の使い方は、過去記事「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」を参考にしてください。

 

これに加えて、関西医科大学を志望する受験生には、教科書や『物理のエッセンス』(河合塾シリーズ)のような参考書の重要性を強調したいと思います。お伝えしたとおり、関西医科大学では論述問題や現象の定性的な理解を試す問題がよく見られます。この手の問題は公式をただ暗記しているだけでは対処できません。なぜ公式が導き出されるのか、なぜ物理現象が発生するのか、といったことの理解が不可欠です。これらが書かれているのが教科書や参考書なので、普段の勉強の中で疑問を感じたり知識の抜けがあれば、その都度解決していきましょう。特に、教科書は、一見難しそうに書いているように感じられるかもしれませんが、一通り学習した後からざっと見ると、きれいにまとまっているので、直前期にざっと目を通すことをお勧め致します。

関西医科大学ではグラフの作成や描図問題も頻出です。検定教科書や参考書の図譜を日頃から目にしておくことも、対策法の一つとして忘れないでください。

 

 さて、ここまでの勉強で標準的な問題が難なく解けるようになった後は、12月から試験本番までは関西医科大学の個別試験を意識した勉強にシフトします。

 具体的に行っていただきたいのは、

・過去問の分析

・過去問を用いた演習

・問題集による苦手分野の克服・実践力の強化

の3つです。

 

 まず過去問の分析は、残りの2カ月間の勉強内容を明確にするのに欠かせません。どのような問題が出されているか、分量はどの程度かについて確認をしましょう。

 

 過去問の分析が済んだら、実際に問題を解いてみましょう。このとき、必ず時間を計って取り組んでください。関西医科大学の物理は記述量が多く、問題の本質が一目では分かりづらい問題が多く、慣れないうちは時間がかかることが予想されます。

 どの問題から手を付けるか、途中の考え方はどこまで詳細に書くべきか、といったことを考えながら演習をしてください。

 

 同時並行して問題集で最後の総復習を行います。とはいえ、残りの2カ月で全範囲を再度解き直すのは非効率的です。過去問分析で自身の受ける年度に出題可能性の高い分野、苦手な分野を洗い出し、単元を絞って重点的に取り組んでください。

 さらに、教科書や参考書の図をざっと見直したり、公式や物理現象の仕組みについてもできる限り復習しましょう。ここまでやれば、試験当日目新しい問題が出題されても安心して取り組むことができるでしょう。

まとめ

関西医科大学の物理の傾向と対策法のポイントは、

①理科2科目に対して120分が与えられ、物理は大問4つで構成される

②論述問題や途中の考え方を書かせる問題の比重が大きく、記述量が多い

③実生活に関わる状況設定の問題が多く、定性的な理解も重要となる

④目標点は100点中65~70点

⑤力学、波動、熱力学、電磁気、原子の全ての単元からバランスよく出題される

⑥12月までは全範囲の標準問題を解けるようになることを意識する

⑦12月から試験本番までは、

・過去問の分析

・過去問を用いた演習

・問題集による苦手分野の克服・実践力の強化

の3つを行う

⑧教科書や参考書に書かれている基本事項や図譜を覚える

の8つがポイントになります。

 

 関西医科大学の物理は、表層的理解だけでは対処できない問題が多く、本質的な理解抜きには目標点を超えることはできません。

 自分自身をごまかすことなく、「できない」をなくすように、基本から丁寧に勉強を進めていってください!!

 

 

本記事内で登場した過去のオススメ記事

「関西医科大学の前期一般入試の数学の傾向と対策」

 

「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」

 

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 こちらのページで過去問を無料で閲覧できます

 また、その他の教科の傾向と対策についても見ることができますので、

 ご参考にしてください。

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