帝京大学医学部の一般入試の英語の傾向と対策

2019年01月29日 志望する大学の特徴

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これまでに帝京大学医学部の選択科目の対策法については、別記事で紹介してきました。一方で英語は医学部受験生全員に課される必須科目となっています。

 本日はその帝京大学医学部の英語について、出題傾向と具体的な対策法をまとめます。

特殊な帝京大学医学部の試験制度

はじめに帝京大学医学部の入試制度について見ていきましょう。

 

 帝京大学医学部の入試制度には、一般入試(100名)、推薦入試(10名)、センター試験利用入試(10名)の3つが存在します(カッコ内は募集人数)。

 本記事では最も受験者数の多い、一般入試について扱うこととします。

 

 一般入試では一次選考と二次選考により合格者が選抜され、一次選考では学科試験と書類審査をもとに、学科試験を重視して総合的に合否を判定します。その後、一次選考合格者に限り、課題作文の試験と面接を行い、最終的な合格者が決まります。点数化されるのは一次選考の学科試験のみです。

 

 学科試験では英語は必須で、残りは数学、物理、化学、生物、国語の5科目から2科目を選択し、計3科目を受験することになります。各科目とも配点は100点ずつで、300点満点の中で得点を競います。国語が選択科目に含まれるのは、他の医学部ではあまり見られない特徴の一つです。

 

 さらに帝京大学医学部で目を引くのは、多様な入試制度の見られる私立医学部受験の中でも、特に変わった受験方法ができる点です。どういうことかというと、試験日が3日間設けられており、そのうちいずれかの日程あるいは複数の日程で受験ができるのです。2日または3日受験した場合、「試験日ごとの学科試験3科目の合計点が最も高い日」が自身の得点として採用されます。

帝京大学医学部の志望度が高い場合は、是非とも3日間とも受験をするのが良いでしょう。試験会場の雰囲気や問題形式慣れることができることに加え、どうしても各試験日の問題間で難易度の差ができることも避けられません。実際に日程により、合格者数にばらつきがあるという情報も散見されます。

 

ただし覚悟しなければならないのが、上記のような理由から帝京大学医学部は医学部受験生に非常に人気のある大学で、受験者数も莫大であることです。定員100名に対して志望者数は8000人を超え、倍率も50倍近くなるだけでなく、合格最低点も高騰します。

 様々なリスクが予想されるので、帝京大学医学部にどうしても入学しなければならない場合を除いて、いくつかの医学部も併願して受験する方が無難でしょう。

帝京大学医学部の英語の試験形式・配点は?

さて、繰り返しになりますが、その中で英語は必ず全医学部受験生が受験しなければならない必須科目です。選択科目は2科目まとめて受けるのに対して、英語は1科目独立した時間割となっており、制限時間は60分です。

 

 平成28年度までは、大問1は必答で残りの5題から3つを選択して計4題を解答する形式でした。選択問題には長文読解も語彙・文法に関する大問も含まれており、選ぶ問題によっては読むべき英単語量に大幅な違いが出る等、受験者の裁量に大きく任されていました。

 ところが平成29年度以降は大問4つで構成され、全て必答となりました。このあたりの変遷は過去問でよく確認しておきましょう。

 

 出題形式は平成29年度までは、ほぼすべての設問が択一式の記号問題であり、記述式があるとしても平成28年度の単語の抜出しや語形変化のみでした。それが平成30年度には、下線部和訳や指示代名詞がさす内容といった論述問題が出題され、今後どのような傾向になるのか注目のポイントです。

 

 難易度としては長文読解の英文の内容、語彙ともに高く、文意を正確に把握するためにはそれなりの英語力が求められます。さらに医学部受験生専用の問題であり、扱われるテーマは医療・健康や自然科学といった専門性の高いものが多い点も、難しさに拍車をかけています。語彙・文法問題は標準的なレベルですが、やはり高難度の語句や文法知識が問われることもあります。

 

 加えて注意していただきたいのが、上述のように帝京大学医学部では試験日が3日設けられていますが、試験日によって英語の大問セットに違いが見られることです。例えば1日目は長文読解が3題、語彙・文法問題が1題であったのに、2日目には長文読解が2題、語彙・文法問題が2題になっている、といった事態が多々あります。この違いにより特に英語が苦手な受験生間では有利・不利が生まれる可能性もあるため、どんな出題形式であってもきちんと得点できるような土台のしっかりした英語力を養成することが欠かせません。

帝京大学医学部の英語の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

続いて、帝京大学医学部の過去の合格最低点のデータや他の科目の難易度をもとに、英語では何点を取ればよいか考えてみます。

 

帝京大学医学部の合格最低点は、

平成30年度:217点 平成29年度:213点 平成28年度:223点 平成27年度:233点

となっています。すなわち、300点中240点(80%)あれば合格安全圏といえます。

 

 ここで、医学部受験生としては典型的なパターンである、数学と理科1科目を選択したと仮定すると、各科目の目標点は、

英語:75点 数学:80~85点 理科80~85点

とするのがオーソドックスな戦略となるでしょう。

 

 英語は他の選択科目と比較して難易度が高く、選択科目でもないため、少し目標点を低く設定しています。自分の得意な科目を武器として高得点を目指し、英語では必要最低限を切らないように対策をしてください。

帝京大学医学部の英語の出題傾向は?

それでは、帝京大学医学部の英語では、どのような問題が出されるのでしょうか?

 結論から申し上げると、帝京大学医学部では年度のみならず同年度の試験日ごとによっても大問のセットに違いがあるため、「〇〇が出る」といったことを明言することは残念ながらできません。

 しかし、長文読解と語彙・文法問題いずれにしても、設問自体は典型的なものばかりなので、基本的には英語力の底上げを図り、どんな出題パターンにも対応できるようにしておくのが最善の対策法となります。

 

 以上を踏まえて、長文読解および語彙・文法問題で重要な出題パターンをまとめます。

 

【長文読解】

 医療や健康といった自然科学系の英文を扱うことが多く、物語や社会系の文章であっても、臓器移植やクローンがテーマとなる等、医学部受験生であることを意識した内容となっています。設問で最もよく見られるのが長文中の空所補充で、その他にも文章の内容と一致する選択肢を選ばせるもの、下線部の内容を言い換えるもの、語句整序も頻出です。設問の一部が英語で書かれている年度もあったので、確認しておきましょう。また、解答は記号で答えるものがメインですが、平成30年度以降は論述式の設問も出される可能性が高まったため、長文読解の問題集等で一通り練習をしておいてください。

 ちなみに全体における重要度は高くありませんが、長文読解で発音・アクセントといった語彙知識を問う問題が出される点が特徴的です。発音・アクセントはセンター試験では必出ですが、国立大学の二次試験や私立大学の個別試験では珍しい分野です。あまり系統だてて勉強する機会はないので、普段の単語の勉強の時から発音記号にも気を配って、少しずつ発音・アクセントの知識を蓄えておくと良いでしょう。

 

【語彙・文法問題】

 こちらでも空所補充が頻出で、語彙力の底上げが欠かせません。空所補充以外では、語句整序、同意表現の選択および文章中の誤り指摘の問題の出題歴があります。

語句整序では英文の意味が与えられないため、まずはどういった内容の文章が完成するか予想することから始めなければなりません。そのうえで語彙や文法的な知識を活用して、単語のまとまりのブロックを作りながら解き進めましょう。

同意表現は設問の英文の意味がきちんと取れているかが問われます。倍数表現といった数的な判断や、過去分詞形や過去形に着目した出来事の前後関係の把握といった事項に慣れておきましょう。

誤り指摘は他大学では多くは見られない形式ですが、文中で文法的に間違っている箇所を探し、指摘する問題です。語彙力というよりも、文法の知識が要求されると考えてください。何となく文章の意味を捉えるだけではなく、文法的に分解していくことで誤りを発見する訓練を積んでください。

お勧めの帝京大学医学部の英語の対策方法

最後にこれまでの内容から、帝京大学医学部の英語対策に必要な具体的な勉強法をお伝えします。

 

 例年、個別試験の日程は1月末です。試験日から逆算して勉強スケジュールを立ててください。英語の基礎力を底上げする11月中旬までと、それ以降に実践力を養う直前期に分けると、対策の進め方にメリハリがつくでしょう。

 

 まず英語の基礎力とは、主に単語力、文法的知識、読解力の3つです。これらを総合的に高めていくことが帝京大学医学部の英語では重要であることはお伝えしているとおりです。

 

 単語力については、やはり単語帳を暗記していくことが一番大切です。おススメの単語帳は、『速読英単語 必修編』『速読英熟語』(Z会出版)です。これらは英単語・熟語を例文を通して学べるだけではなく、派生語や類義語・対義語も併せて掲載されているため、効率よく暗記ができます。

 同時に『医歯薬系の英単語』(赤本メディカルシリーズ)にも取り組んでください。こちらは専門性の高い英文に対応しなければならない私立医学部受験生御用達の単語帳です。医療界を取り巻く背景的知識も多少は学べるので、幅広く興味を持って様々な情報を吸収してください。

 また単語帳に取り組む際に意識していただきたいのが、語源や接頭語・接尾語にも注意を払うことです。帝京大学医学部の英語で要求される単語力は高く、試験問題中の単語全てが分かるといった状況は少ないはずです。そのような時に語源や接頭語・接尾語の知識があると、知らない単語でも意味を推測するのに役立ちます。

 

 英文法は主に語句整序や誤り指摘の問題に効果を発揮します。問題集を活用して、インプットした知識をアウトプットしていくことで記憶が定着していきます。間違えた問題は時間を空けて繰り返し解き直し、分からない問題がなくなるまで続けましょう。

 

 長文読解の練習には、『やっておきたい英語長文700』(河合塾シリーズ)を活用すると良いでしょう。基本的には文意がきちんと把握できれば解ける問題しか出されていませんでしたが、平成30年度にはここ数年では初めて論述問題が出され、この先どうなるか予測不可能です。念のため、長文読解の対策では論述問題にも手を付けておくことをお勧めします。

 

 より詳細な問題集の使い方については、過去記事「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」を参考にしてください。

 

 英語の基礎力がついた11月中旬以降は、いよいよ個別試験に向けた勉強にシフトします。

 具体的に行っていただきたいのが、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・単語や文法知識といった暗記事項の総復習

の3つです。

 

 過去問分析では過去5年分程度で良いので、大問セットや設問の内容、長文で扱われるテーマをざっと確認しましょう。ここではしっかりと長文を読み込む必要はありません。

 

 過去問分析が済んだら実際に過去問にチャレンジしてください。このとき時間を計ることを忘れないようにしましょう。時間配分の練習や自身の問題を解くスピードが十分かどうかを確認できるのは、過去問演習しか機会はないからです。

 さらに注意していただきたいのが、長文読解では初見の問題がいかに解けるかどうかが重要であるということです。他の科目とは異なり、同じ問題を複数回解いてもあまり効果はありません。その意味で帝京大学医学部の過去問だけでなく、別の形式や難易度の類似した大学の過去問を用いて演習をするのも役に立ちます。

 

 同時並行で、これまでの勉強で培った単語力や文法的知識の総復習をしてください。こちらは同じ問題集に再度取り組み、思い出す作業をすることでより記憶が確かなものになります。残りの期間も短いので、間違えたところをあらかじめピックアップしておけば効率が上がるでしょう。

まとめ

帝京大学医学部の英語の傾向と対策法のポイントは、

①英語は必須科目で、制限時間は60分

②大問4つで構成され、すべて必答

③出題形式は基本的に択一式だが、今後論述式の問題が出される可能性もある

④要求される語彙力や長文読解の英文のレベルは高い

⑤医療や健康をテーマとする英文が多い

⑥同じ年度であっても試験日によって大問のセットが違う

⑦目標は100点中75点

⑧重要な出題パターンは、

【長文読解】空所補充、内容一致、内容説明、語句整序、発音・アクセント

【語彙・文法】空所補充、語句整序、同意表現、誤り指摘

⑨11月中旬までに、単語力、文法的知識、読解力の底上げを図る

⑩11月中旬以降に行うべきことは、

・過去問の分析

・過去問を用いた実戦演習

・単語や文法知識といった暗記事項の総復習

の10個です。

 

 帝京大学医学部の英語は難易度が高いにもかかわらず、必修科目であったり試験日によって問題内容が違ったりすることから、受験者間で差がつきやすい試験といえます。大問の違いに翻弄されることのないように、確かな英語の基礎力を身に付けて本番に臨めるようにしましょう!!

 

 

本記事内で登場した過去のオススメ記事

「帝京大学医学部の数学の傾向と対策」


 

「帝京大学医学部の物理の傾向と対策」


 

「帝京大学医学部の化学の傾向と対策」


 

「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」


 

帝京大学の過去問題やその他の教科の傾向と対策

 こちらのページで過去問を無料で閲覧できます

 また、その他の教科の傾向と対策についても見ることができますので、

 ご参考にしてください。

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本記事で登場したお勧めの問題集・参考書

『速読英単語 必修編』(Z会出版)


 

『速読英熟語』(Z会出版)


 

『医歯薬系の英単語』(赤本メディカルシリーズ)


 

『やっておきたい英語長文700』(河合塾シリーズ)


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