三重大学医学部の物理の傾向と対策

2018年12月22日 志望する大学の特徴

三重大学医学部物理

先日、「三重大学医学部の数学」の記事で、三重大学医学部では理科の配点が高く、重要度が高い科目であるとお伝えしました。
 本日はその中でも、物理の傾向とそれを踏まえた具体的な対策法を紹介します。

三重大学医学部の物理の試験形式・配点は?

はじめに三重大学医学部の入試制度について見ていきましょう。

 三重大学医学部の入試制度には、前期一般入試(75名)、後期一般入試(10名)、推薦入試(40名)があります(カッコ内は募集人員)。全国的に医学部の後期試験が廃止される流れにある中で、本医学部では引き続き実施している点は要注目です。
 この記事では、受験者数が最も多い前期一般入試について取り扱うこととします。

 センター試験と二次試験の各科目の配点は、
【センター】国語:100点 社会:100点 数学:50点×2 理科:100点×2 英語:100点
【二次試験】数学:200点 理科:100点×2 英語:100点 面接:100点
であり、センター試験が600点、二次試験が700点の計1300点満点で計算されます。ちなみに、「面接の評価によっては、総合点の順位にかかわらず不合格とする」と募集要項に明記されているため注意しましょう。

上記の配点から分かるように、理科の点数が1300点中400点、すなわち約3分の1を占めるため重要度が高いです。一方で、理系学部としては珍しくセンター試験の数学の配点が低いため、医学部受験を考えておりセンター数学に不安を抱える方は選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか?

 理科については、物理・化学・生物の中から2科目を選択して解答します。制限時間はその2科目に対して150分であり、1科目当たりおよそ75分かけることができます。

 そのうち物理に関しては大問5つで構成され、与えられた文中の空欄に式や単語、値を埋めていく空所補充形式が中心です。考え方の流れを問題文から読み解くことが容易なので、解答の方針が立たないといったことは少ないでしょう。

 出題テーマは近年、傾向が明白であり、5題中2問が力学、1問が電磁気から、残りの2問が熱力学、波動、原子のいずれかが出されています。つまり全体の4割は力学で占められており、ここではできるだけ点数を落とさないようにしたいところです。

 難易度は一部に数学的な応用力・計算力が求められるようなやや難しい問題も散見されますが、おおむね基本~標準レベルの設問が並んでいます。また、制限時間も一見すると、大問1つあたり15分しかかけられず短いようですが、実際は空所補充形式で問題の誘導に乗っててきぱきと処理していくものがメインなので、時間が全く足りないといったことはないはずです。
 以上のことから、医学部受験生としては高得点を狙いやすい試験であることを心に留めて対策をしてください。妥協することなく、最後の最後まで1点でも上乗せする姿勢が大切です。

三重大学医学部の物理の問題の難易度と合格に必要な得点率は?

続いて、三重大学医学部の過去の合格最低点のデータや他の科目の難易度をもとに、物理では何点を取ればよいか考えてみます。

三重大学医学部の合格最低点は、
平成30年度:1075.40点 平成29年度:1056.70点 平成28年度:1045.90点
平成27年度:1057.60点 平成26年度:1062.30点
となっています。
 これらを鑑みると、1300点中1100点(約85%)取れば合格圏といえます。医学部受験の中でも、特に高得点帯の勝負となっています。

 このとき、センター試験で600点中520点(約87%)取れたと仮定すると、二次試験では700点中580点(約83%)得点しなければなりません。
 他の科目の難易度も考慮すると、それぞれ、
数学:170点 理科2科目:170点 英語:160点 面接:80点
とするのがオーソドックスな戦略となるでしょう。

 理科では200点中170点(85%)という高得点を設定しています。いかに計算を正確にし、ミスが許せない試験であるかお分かりいただけると思います。

さらに物理は、難易度が医学部受験生としては基本~標準的であり、加えて空所補充形式で問題が解きやすい科目です。物理としては85点が最低ラインとなりますが、90点以上を取ることも不可能ではない内容なので、積極的に高い点数を狙ってください。

三重大学医学部の物理の出題傾向は?

さて、三重大学医学部の物理では、どのような問題が出されるのでしょうか?
繰り返しになりますが大問5つの内訳は、力学2つ、電磁気1つ、そして熱力学、波動、原子の中から2つ出題されます。以下では、各単元の出題傾向をまとめていきます。

【力学】
 全体に占める問題数が多く、幅広いテーマから出題があるため、基本的には力学の全範囲については網羅的に勉強しなければなりません。あえて特徴をあげるとすれば、力のモーメントを扱う大問がやや頻出です。ただし状況設定としては、てこにおもりをぶら下げるだけといった単純な問題は少なく、アーチ状に架けられた橋に加わる力のモーメントやバイオメカニクスを題材とした剛体のつり合いといったように、見慣れない状況設定が与えられます。とはいえ、力のモーメントの基本を理解していれば、出題者の意図を読み解くのは難しくはありません。また、複数の力が剛体に加わる場合、重心の考え方も欠かせないため、関連付けて理解を深めておきましょう。

【電磁気】
 力学同様、電磁気も出題歴を見ると様々な分野からの出題がありますが、その中で出題頻度が他に比べてわずかに高いのが、電気振動です。電気振動はコンデンサーとコイル間で電流が行き来する現象ですが、経時的に状況が変化するため、図を描いてイメージ化しておくことが大切です。必然的にコンデンサーやコイルの回路に関する設問に絡むことが多いため、電気振動と併せてこれらの性質や基本事項は押さえておきましょう。

【熱力学】
 熱サイクルを扱う問題が頻出です。熱サイクルでは熱力学第一法則や熱効率の考え方を問う設問の重要度が高いですが、何よりもまずグラフから各気体の変化を読み取る能力は不可欠です。そのうえで、気体の仕事や内部エネルギーの変化を追っていけば決して難しくはないでしょう。ただし、三重大学医学部の熱力学では断熱変化の関係式を活用することもあるため、計算が少し複雑になる点には注意しましょう。

【波動】
 光波の干渉および屈折の法則に関する問題がよく出されます。光波の干渉一般では光が強め合う条件、薄膜の干渉では反射するときに波長が逆転する条件を素早く判断できるようにしておきましょう。屈折の法則では屈折率や入射角と屈折角等との関係を使いこなせるようにならなければなりません。そして全反射が起こる入射角の導出法も併せて押さえておけば、屈折の法則に関する問題はおおよそ解けるようになるでしょう。

【原子】
 原子物理の分野では特にテーマに偏りなく出題されています。とはいえ原子物理の項目は分量自体が少ないため、全範囲を勉強したとしてもさほど負担にはならないはずです。三重大学医学部の場合、極端に難しい問題は見られないため、標準問題集に載っているような問題に対応できるようになっておけば十分でしょう。

お勧めの三重大学医学部の物理の対策方法

最後に以上を踏まえた、三重大学医学部の物理の具体的な対策法をお伝えします。

 まずセンター試験までは、物理の標準問題については全単元対応できるように勉強を進めてください。三重大学医学部の物理は医学部受験としては難易度自体は高くなく、問題文の流れに従って空欄を埋めていくのがメインになります。この時期の勉強でかなり対応できるようになるはずです。

 この時期の勉強におススメの問題集は、「良問の風」(河合塾シリーズ)です。本書の内容が完璧に頭に入るまで、何度も繰り返し取り組んでください。
 なお、「良問の風」の特徴は、「「良問の風」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」に詳しく記載しているので、是非参考にしてください。

 もし教科書レベルの勉強が済んでも問題が解けなければ、「物理のエッセンス」(河合塾シリーズ)を使ってみるのも良いでしょう。本書は参考書と問題集の中間のような内容になっており、問題を解くことに重点が置かれています。難しい問題を解くためのテクニックを付けるよりも、基礎的な解法を身に付けることが合格への近道であることを忘れないでください。
 「物理のエッセンス」の特徴についても、別記事「「物理のエッセンス」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」で紹介しています。

 さらに問題集一般の効果的な使い方も過去記事「実力をつけるための問題集のトリセツ!効果的な11個の使い方」でまとめているので、問題集を始める前に一読していただければ幸いです。

 さて、センター試験が終わったらいよいよ二次試験に向けた対策をスタートします。具体的に行っていただきたいのが、
・過去問の分析
・過去問を用いた実戦演習
・問題集を用いた苦手分野の克服
の3つです。

 残りに約2カ月を有意義に過ごせるかどうかは、過去問をしっかり分析できているか否かにかかっているといっても過言ではありません。焦る気持ちはわかりますが、じっくりと時間を掛けて過去問を基に今後、自分が何をすべきか作戦を立ててください。

 過去問分析後は実際に過去問にチャレンジしましょう。問題の出題形式や難易度に慣れておくことで、本番でも落ち着いて取り組むことができます。他にも時間配分の練習も大切なポイントの一つなので、必ず時間を計って過去問を解くことを心掛けてください。

 これらと同時並行で、問題集を活用してこれまでに完成していない分野の強化を行いましょう。時間は限られているため、過去問分析で明らかになった出題可能性の高い単元や自分が苦手なテーマを優先的に潰していってください。

まとめ

三重大学医学部の物理の傾向と対策法のポイントは、
①理科2科目に対して制限時間は150分
②物理は大問5つで構成され、空所補充が中心
③難易度は基本~標準のものがほとんど
④目標点は100点中85点だが、できるだけそれ以上の点数を目指すこともできる
⑤各単元の頻出テーマは、
【力学】力のモーメント
【電磁気】電気振動
【熱力学】熱サイクル
【波動】光の干渉、屈折の法則
【原子】偏りはない、全範囲の標準問題を網羅しておく
⑥センター試験までは、物理の標準問題はどの分野でも対応できるように勉強する
⑦センター試験終了後は、
・過去問の分析
・過去問を用いた実戦演習
・問題集を用いた苦手分野の克服
を行う
の7つです。

 三重大学医学部の入試は、医学部受験の中でも合格最低点が高い試験といえます。とりわけ物理は高得点が取りやすい試験内容であり、点数の稼ぎどころです。とはいえそれは自分以外の受験生についても当てはまります。油断することなく普段の勉強の成果を存分に発揮することだけを念頭に置いて、集中して敵を倒してしまいましょう!!

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「近畿大学医学部の数学の傾向と対策」

 

 

「「良問の風」の医シュラン!医学部受験で勝つ問題集の使い方」

 

 

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